【アメリカ】FRBが、量的緩和を無制限にすると発表。

(2020年03月23日)

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連邦準備理事会(FRB)は23日、
臨時の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、

米国債や
住宅ローン担保証券(MBS)の買い入れ量を
当面
無制限とする
緊急措置を決めた。

これまでは
計7000億ドル(約77兆円)を目安としていたが、
「必要量」に切り替える。

消費者や
中小企業の資金繰りを支援する
新たな措置も発動し、
ドル資金の目詰まり解消を急ぐ。

FRBは
15日に量的緩和の再開を決め、

当面の買い入れ量を
米国債は5000億ドル、

MBSは
2000億ドルとしていた。

だが、市場では
民間金融機関が
手持ちの国債やMBSを売却して
手元に現金を積み上げる動きが強まった。

トランプ米政権は
新型コロナウイルス対応で
2兆ドル規模の経済対策を検討しており、

国債増発懸念から
長期金利は
上昇しやすい地合いにあった。

金融市場を安定させるため、

FRBは購入量の目安を
「必要とされる量」と変更し、

買い入れ量を事実上、
無制限に切り替えた。

FRBは
2008年から14年まで続いた量的緩和によって、
保有資産量を9000億ドルから
4兆5000億ドルにまで拡大した。

量的緩和の再開で
18日時点の総資産残高は
1週間前に比べて3500億ドルも増えて、
計4兆6600億ドルと
過去最大になっている。

FOMCは23日の声明で

「家計と企業の資金供給を支えるため、
米国債とMBSの市場の緊張に対処する」

などと表明した。

短期市場では
銀行間取引でドル資金が逼迫しており、
大量の資金供給で
金利上昇や流動性の不安を
和らげる必要に迫られている。

FRBは同日、
消費者ローンや
中小企業向け融資を担保とした資産担保証券(ABS)を
買い入れる新たな緊急措置も決めた。

クレジットカードや
自動車ローンなどの
資金繰りを支援する仕組みで、

家計向けのローンに
金利上昇などの
しわ寄せが及ばないようにする。

中小企業も
設備などを担保に資金を借り入れており、
こうした市場の資金の目詰まりも解消する。

ABSの買い入れは
金融危機後の09年にも
発動したことがある。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57131090T20C20A3MM8000/

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