【日本医師会】有識者会議が、「アビガン」の特例的な承認に懸念を示す。

(2020年05月18日)

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新型コロナウイルス感染症の治療薬について、
日本医師会の有識者会議
(座長=永井良三・自治医科大学長)は18日、

「科学を軽視した判断は
最終的に
国民の健康にとって害悪」

だとして、
適切な臨床試験を経て
承認の手続きを進めるよう
求める声明を公表した。

国が
早期承認を目指す
新型インフルエンザ治療薬「アビガン」を念頭に、

拙速に
特例的な承認を行うべきではない
と提言した。

声明は、
科学的根拠の不十分な候補薬について

「有事だから良い、
ということには
断じてならない」

と指摘。

自然に回復する患者も多いため、
症例数の多い臨床試験が必要だとした。

妊娠中の女性が服用して
胎児に重い先天異常を引き起こした
かつてのサリドマイド薬害も引き合いに

「数々の薬害事件を
忘れてはならない」

と強い懸念を示した。

有識者会議のメンバーで、
国立国際医療研究センターの
國土典宏理事長は

「既存薬ならば、
データがそろうまで
適応外使用も可能だ。

一度承認されれば
有効性の検証は
難しくなる」

と警鐘を鳴らす。

安倍晋三首相は
アビガンについて

「今月中の承認を目指す」

と言及。

厚生労働省は、
公的な研究で
有効性や安全性が確認された場合、

通常は申請時に求められる
臨床試験の結果提出を

承認後に後回しにできる
との通知を出している。

https://mainichi.jp/articles/20200519/k00/00m/040/089000c

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