【AFP通信】ロシアの新型コロナの致死率、なぜ低いのか。(死因の決め方の違いなど)

(2020年05月19日)

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■ロシアの死者数の数え方

死者数の数え方については、

感染中に死亡した人を
すべて新型コロナウイルスの死者
としている国もあれば、

ウイルスが主要な役割を果たしたと
疑われる例のみとする国、

ウイルス由来の合併症が
直接の死の原因である場合のみを数える国

などさまざまだ。

ロシアは
保守的な集計法を採用している国の一つで、

死因が直接関連している場合
(多くは肺炎)のみを
新型コロナウイルスによる死者として数えている。

例えば

「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
と診断されていた患者が
心臓発作で死亡した場合、
公式の死因は心臓発作となる」

と、
モスクワの
国立研究大学高等経済学院
(National Research University Higher School of Economics)の
人口統計学者セルゲイ・ティモニン(Sergei Timonin)氏は説明する。

「言い換えれば、
新型コロナウイルス感染者の死が
すべて新型コロナウイルスによる死として
記載されるわけではない」

■高い検査率

ロシアは、
新型コロナウイルスの検査率が
世界で最も高い国の一つだ。

これまでに
600万件の検査が実施されている。

そのため
確認された感染者数は
非常に多いが、

うちほぼ半分の46.5%は
無症状感染者だった。

■少ない高齢者

ロシアでは
旧ソ連崩壊後に
平均寿命が急激に低下し、

他の国で
新型ウイルスの打撃を最も受けた世代が
ほとんどいなくなっていた。

全人口に対する65歳以上の割合は、
イタリアが23%、
スペインが19.3%であるのに対し、
ロシアはわずか14.6%だ。

イタリアでは
70歳以上の高齢者が
確認された感染者の39%、
死者の79%を、

スペインでは
入院患者の50%、
死者の86%を
それぞれ占めていた。

ロシアは
まだ同様の全国統計を発表していないが、

モスクワで
5月1日以降に確認された感染者のうち
65歳以上は
16%にとどまっている。

また多くの国では
感染者や死者が
介護施設に入居している高齢者に集中しているが、

ロシアでは
介護施設に入居している高齢者は
はるかに少ない。

■病院再編

ロシアは
致死率が低いもう一つの理由として、

感染が急拡大する前に
他国の状況を見て、
ウイルスの拡大前に
病院の態勢を整えることができたことを挙げている。

当局は
病院や診療所を
早急に新型ウイルス感染症治療施設に変えることで、

新型コロナウイルス感染者用の病床数を
数週間で2万9000床から
14万床以上に
増やすことができた。

13日現在、
病床数にはまだ3割の余裕がある。

一方、
医療従事者らは防護具不足や、
サンクトペテルブルク(St. Petersburg)や
モスクワの病院での
致命的な火災の原因となった
新しい人工呼吸器などの装備について
懸念を表明している。

https://www.afpbb.com/articles/-/3283567?page=2

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