【上昌広】「死者の多くは、 院内感染と高齢者施設で発生。」(宣言による休業要請は不要)

(2020年05月27日)

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より手厳しい指摘をする専門家もいる。

「緊急事態宣言は全く不要だった可能性がある」と話すのは、
医療ガバナンス研究所理事長で
内科医の上昌広医師だ。

「東京の超過死亡数を見ると、
感染は2~3月に
ピークを迎えていた可能性があります」

超過死亡とは、
インフルエンザなどの
感染症による死者数を推計するための数値だ。

感染が流行していない時期の死者数をベースラインとし、
流行時の死者数と比較することで
感染症による死者を推計する。

東京都の数値を見ると、
今年はインフルエンザの流行が弱かったのに、
2~3月に
インフルエンザ大流行時並みの
超過死亡が発生している。

上医師はこれを、

「新型コロナによる
隠れた死亡としか考えられない」

と指摘する。

「超過死亡で
コロナによる実際の死者を推計するのは
世界のスタンダードになっています。

日本では
一部の地域しか
この超過死亡数が明らかになっていませんが、
これを詳細に検討する必要があります」

また、
緊急事態の名のもとに
一律の行動自粛を求めたのも
不合理だという。

「日本の死者の多くは
院内感染と高齢者施設で発生した患者です。

本来は
やむを得ず制限が必要な“
ネガティブ・リスト”をつくるべきなのに、
今回はすべてを止めてしまった。

必要なのは
リスクの高いコミュニティーを見つけること、
そして別のコミュニティーとの
ハブになる人を抑え込むことです」

病院内や夜の飲食店など、
感染リスクが高い場所は
かなり明らかになっている。

抗体検査を広く行うことで
それをさらに明確化し、

そこに対して制限をかけることで
事足りるはずだと指摘する。

緊急事態宣言は
必要な措置だったのか、
不要だったのか。

改善すべき点はあったのか。

出口戦略は適切だったのか。

本格的な第2派到来が懸念されるのは今秋だ。

検証の時間は、ある。

https://dot.asahi.com/aera/2020052500012.html?page=2

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