【欧州耳鼻咽喉科学会】大半の患者が 「他の症状が消えた後も、味覚や嗅覚が戻らない」と回答。

(2020年06月03日)

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マット・ニューイさん(23)は4月下旬、
亡くなった祖母の自宅を片付けていて
感情がこみ上げてきた。

祖母の香水に手を伸ばしたが、
何も匂いはしなかった。

「祖母が大好きで、
最後にもう一度、
どんな匂いだったかを
思い出そうとした」

とニューイさんは話す。

「その記憶を失った気がして、つらかった」。

彼は
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかかり、
3月に回復した。

臨床現場では
この感染症の理解に努めているが、
通常とは異なる傾向が明らかになり始めた。

嗅覚や味覚が失われる一般的な症状が、
回復後ずっと治らないケースがあるのだ。

医師らによると、
嗅覚や味覚を
2度と取り戻せない可能性もあるという。

欧州耳鼻咽喉科学会の学術誌
ヨーロピアン・アーカイブス・オブ・オートライノラリンガロジーに
4月に公表された調査によると、

欧州のCOVID-19軽症・中等症患者417人のうち、
味覚と嗅覚の障害を訴えた人は
それぞれ88%と86%だった。

このうち大半の患者は、

他の症状が消えた後も
味覚や嗅覚が戻らない

と答えた。

暫定データでは、
他の症状が消えて2週間以内に
少なくとも25%が
味覚や嗅覚を取り戻した。

改善しない場合は、
どのくらいの期間
症状が続くのかを評価するため、
長期的なデータが必要だと
同調査は指摘する。

感覚喪失によって他者や食べ物、
環境との関係が変化すれば、
新型コロナからの回復の道筋が
一段と複雑になる。

https://jp.wsj.com/articles/SB11030818947919454487204586421360507233704

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