改正臓器移植法 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95 ja-JP (声)臓器の提供迫る圧力が心配(2009年06月24日) <p>004212009年06月24日朝刊オピニオン201800446文字主婦 多田政江(埼玉県桶川市 61)<br /> 人間の死については立場や死生観によって様々な解釈がある。今回、臓器移植法改正案で「脳死は人の死」を前提にするA案が衆議院で可決されたが、初めに法案ありきで法案を成立させるための「死」の定義ではなかろうか。<br /> 順序とすれば、まず「死」について十分な論議が尽くされた上で、法案が検討されるべきである。ましてや国会議員だけでなく、あらゆる分野の有識者の議論がなされた上でとりかかる問題であろう。<br /> 「脳死は人の死」を前提にする法案は、移植を待ち望む患者には明るい光には違いない。しかし、脳死状態にいる患者を持つ家族にとって一つの脅威にならないだろうか。現行法では、患者本人の意思が尊重され、あくまで「個人の命」が保証されているが、今回の改正案では本人の意思は問われない。提供を望む患者側の希望が優先されてしまわないだろうか。臓器提供をしなければならないという見えない圧力が、提供者側にいる患者の家族に常につきまとう難題となってのしかかってくるのではないだろうか。</p> 2012-08-26T14:31:26+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/1vobDT0dDlW tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/1vobDT0dDlW#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/1vobDT0dDlW 子ども脳死臨調の設置法案を提出 参院野党議員(2009年06月23日) <p>004232009年06月23日夕刊2総合01500299「脳死は人の死」を前提にした臓器移植法改正のA案が衆院で可決されたことを受け、参院の野党有志議員は23日、有識者でつくる「子ども脳死臨調」の設置を求める独自案を参院に提出した。今週中に参院本会議でA案と共に審議が始まる予定。<br /> 提出したのは、千葉景子、森ゆうこ(民主)、近藤正道(社民)、小池晃(共産)、亀井亜紀子(国民新)、田中康夫(新党日本)、川田龍平(無所属)ら9議員。賛成者には野党4党の党首を含む43人が名を連ねた。衆院と同様に、多くの政党は党議拘束をかけない予定だが、共産党は党として独自案に賛成する。独自案は現行法を基に、子どもの臓器提供のあり方を検討する脳死臨調の設置を盛り込んだ。</p> 2012-08-26T14:30:52+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/DhPTabdMlUb tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/DhPTabdMlUb#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/DhPTabdMlUb 子どもの脳死判定、検討委を発足へ 日本小児科学会(2009年06月22日) <p>004242009年06月22日朝刊2社会03000241文字日本小児科学会(会長=横田俊平横浜市大教授)は21日、脳死になった子どもからの臓器移植を検討するプロジェクト委員会を発足させることを決めた。小児の脳死判定基準や虐待を受けて脳死状態になった子の見分け方、子どもの自己決定権をどう守るかなどについて議論し、できるだけ早く提言をまとめる。<br /> 委員は小児科医7人と法律家2人、心理学者1人。<br /> 人工呼吸器を着けて在宅療養している重症障害児は脳死とは異なるが、脳死と混同されやすく、こうした子どもたちが適切な医療を受ける権利についても話し合う。</p> 2012-08-26T14:30:15+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/FnDmCZ0I0eT tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/FnDmCZ0I0eT#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/FnDmCZ0I0eT (声)臓器法改正、参院で審議尽くせ(2009年06月21日) <p>004252009年06月21日朝刊オピニオン200800472 無職 和田正展(川崎市麻生区 83)<br /> 衆議院で臓器移植法の改正案が可決されました。しかし、私は「脳死を人の死」とすることに賛成できません。<br /> 古来、私たちは心肺の停止によって人の死と判断してきました。心臓が動き、温かい血が流れている体を、よそ様の命を助けるために断って良いものなのか。たしかに脳死後の臓器を役立たせたいという方の崇高な気持ちには頭が下がります。臓器提供者にすがる方の気持ちは分からないことではありません。<br /> しかし、最近の国会での論議はこのような希望者側にウエートを置くあまり、提供側の人権を軽んじているやに思えてならないのです。更に臓器移植によって救われるのはほんの一部の方に限られるのでしょう。一方、本人の意に反し家族が勝手に提供しないとは限りません。<br /> 審議の方法もA、B、C、D各案に対し、A案可決ならば他は不要という感じでした。河野衆院議長は「この法律の改正を待っている人が多い」と言っていました。しかし、不安を感じている人はより多いのではとも思います。<br /> 今後、参院では、十分な時間をかけ納得できるような審議を期待します。</p> 2012-08-26T14:29:42+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/E9XTyMCHb9I tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/E9XTyMCHb9I#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/E9XTyMCHb9I 臓器移植法、参院へ独自案 民主・社民有志議員ら「子ども脳死臨調」盛る(2009年06月20日) <p>004272009年06月20日朝刊2社会03800642文字「脳死は人の死」を前提にした臓器移植法改正のA案が衆院で可決されたことを受け、参院の民主、社民両党などの有志議員は19日、週明けに「子ども脳死臨調」の設置を求める独自案を提出する方針を固めた。来週から参院でA案と一緒に審議される予定。<br /> A案では、「脳死は人の死」とみなすことで提供者の生前同意を必須条件から外し、家族の同意があれば0歳から臓器提供できる。しかし、子どもの脳は回復力が強く、小児の脳死判定基準は専門家の間でもなお議論がある。親の虐待で脳死状態になる子どももおり、A案は移植を望む患者団体が支持しているが大幅な要件の緩和には批判もある。<br /> こうした声を踏まえ、独自案では、衆参両院の同意を得て、首相が任命した15人以内の有識者で構成する脳死臨調を設置することを盛り込む。<br /> (1)子どもの脳死判定基準(2)子どもの自己決定や親の関与が認められる範囲(3)虐待を受けた子どもからの臓器摘出を防ぐ仕組みなどを検討する。<br /> 世界保健機関(WHO)が来年の総会で渡航移植の規制を目指した指針改定をする見通しで、子どもの渡航移植は難しくなっており、施行後、1年以内の答申を求める。<br /> 提出者の森ゆうこ議員(民主)らは当初、判定基準を厳格化するC案を基に独自案の提出を検討していた。しかし、C案は移植学会などの批判があり、脳死臨調の検討に委ねることにした。<br /> 参院には、脳死を人の死とは認めない宗教団体などと関係が深く、移植を推進するA案に抵抗感のある議員も多いとされる。<br /> (南彰、北林晃治)</p> 2012-08-26T14:28:52+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/TcmLjNK7nIS tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/TcmLjNK7nIS#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/TcmLjNK7nIS (天声人語)脳死は人の死なのか(2009年06月20日) <p>004282009年06月20日朝刊1総合00100624文字脳死は人間の死なのか、どうか。臓器移植法の改正をめぐるニュースを読みながら、塔和子さんを思い出した。ハンセン病の療養所から、「生きていること」の意味と輝きを、紡ぎ続けてきた詩人である▼その「領土」という詩は、〈生と同時に 死を産みおとしたことに気付かないで からになった母体は 満足げに離別を見る〉と始まる。人が生まれるとき、死という手形も振り出される。人は、生とともに死にも領有されているのだと、自らになぞらえて詩は続く▼おとといの衆院で、「脳死は人の死」を前提にする法案が通った。成立すれば、海外に頼るしかなかった子どもの移植への道も開く。「人の死」には同意しないが、助かる子の笑顔を思えば……などと悩む人も少なくないだろう▼人の体という「領土」をめぐって、生と死がせめぎ合う。脳死とは、生が最後の陣地を辛うじて守っている状態なのか。それとも、すでに死に占領されてしまったのか。国会議員が多数決で決めることに違和感のある方もおられよう▼法改正の背後には、難病のために生の領土が脅かされている人たちがいる。移植しか手のない人たちだ。死にゆく人があって、救われる命がある。幸と不幸をセットでとらえて判断する難しさを、医学の進歩が突きつけている▼「死とは?」と問われて「モーツァルトが聴けなくなること」と答えたのはアインシュタインだった。人の数だけ死生観がある。束ねるのに十分な議論は尽くされたのだろうか。このあとに続く参院での審議を見守るとする。</p> 2012-08-26T14:28:18+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/PwVEyKzNZZw tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/PwVEyKzNZZw#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/PwVEyKzNZZw (社説)臓器移植法案 参院の良識で審議尽くせ(2009年06月19日) <p>004302009年06月19日朝刊3総合00301055文字 本人の意思が不明でも、家族の同意があれば臓器を提供できるとする臓器移植法の改正案が、衆議院本会議で可決された。<br /> 成立すれば、現行法ではできなかった脳死の子どもからの臓器移植にも道が開かれる。心臓などの移植を受けるには海外に渡るしかなかった子どもたちにとっては朗報といえる。<br /> 3年後とされていた現行法の見直し時期が過ぎて10年近い。これ以上の放置は許されなかった。<br /> とはいえ衆議院の委員会での審議はわずか8時間。勉強会などへの出席者も少なく、態度を決めかねた議員が多い中で結論を急いだ面も否めない。<br /> なによりこの改正案は、本人の書面による意思の表明を前提とする現行法の枠組みを一変させるものだ。<br /> 同時に提出されていた三つの改正案は、いずれもこの現行法の根幹を守っている。採決には至らなかったが、その事実は重く残る。<br /> ほかの案の意図するところは、臓器の提供は本人の意思に基づくのが本来のあり方で、子どもの場合でも可能な限り、そうあるべきだということだ。現状では無理のない考え方だろう。<br /> 舞台は良識の府とされる参議院に移る。議論を重ね見識を示してほしい。<br /> 97年に施行された現行法の枠組みを作ったのも実は参議院だ。この時、衆議院では、脳死を一律に人の死とする法案が可決された。しかし、まだ社会的な合意がないとして、参議院が、臓器移植のときに限って脳死を人の死とするという修正を加えた。<br /> 今回の改正案は、衆議院の審議の中で骨格が揺らいだ。もともとは脳死を一律に人の死としていた。ところが採決を目前にした委員会で、提案者は臓器移植の場合に限って死とすると、異なる見解を述べた。<br /> 「脳死」は医学の進歩で生まれた、いわば新しい死だ。法律で死と定めることの影響は、医療現場をはじめ広い範囲に及ぶ。日本弁護士連合会や学会などから、拙速な法改正は慎むべきだという意見が出ていた。<br /> 法案の文言こそ変わっていないが、こうした強い反発に加え、提案者自身の戸惑いゆえに軌道修正を図ろうとしたのだろう。参議院ではまず、この点を明確にしなければなるまい。<br /> また、この法案は、親族への優先提供を認める。これは臓器移植システムの公平性の点から問題がある。<br /> 臓器移植は、臓器を提供した人の死と、その臓器を移植された人の新しい生という両面を必然的に持つきわめて特殊な医療だ。どちらもゆるがせにはできない。社会としてどう進めていくのか、死生観も絡む重い問題だ。<br /> 現行法の下での経験や実績をもとに、社会の変化も踏まえ、納得のいく結論を出さねばならない。</p> 2012-08-26T14:27:40+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/I3cxbUOe43k tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/I3cxbUOe43k#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/I3cxbUOe43k (時時刻刻)A案、駆け込み票固め 「脳死は人の死」衆院通過 臓器移植法改正案(2009年06月19日) <p>004312009年06月19日朝刊2総合00202983高度な医療技術が国内にあるのに、海外まで出かけて移植手術を受けざるをえない状況を変えてほしい。患者の声に背中を押されるように、臓器の提供要件を緩和する臓器移植法改正案(A案)が18日の衆院本会議で可決されたが、参院でも過半数の賛成を得られるか不透明で、課題も積み残されている。</p> <p>「263(票)もとって一発だなんて、意外でしたね」。D案支持の民主党の野田佳彦衆院議員がそう語るように、A案可決は多くの議員にとって「想定外」だった。<br /> 自民党幹部が「4案とも否決になれば、政党間協議に持っていく」と語っていたように、水面下では4案否決の場合の善後策が話し合われていた。<br /> それだけにA案の提出者は喜びを隠さない。97年の法制定時から携わってきた中山太郎議員(自民)は「ようやく日本も世界水準で移植ができる」と胸をはった。<br /> 移植学会や患者団体などは、各議員に再三、賛同を確認する署名集めをするなど、熱心な働きかけを行ってきた。他の案にない組織力を生かして直前まで票固め。本会議前の自民党の代議士会では、A案提出者の山内康一衆院議員が発言を求め、「日本人の命を日本人が救えるようにするのはA案だけ」と訴え、「必ずA案に投票」「否決された場合はその後の(他案の)投票では反対票を必ず投じて下さい」というビラを配った。<br /> A案に次いで臓器提供者の幅を広げるD案支持者のうち、民主党の岡田克也幹事長ら20人以上がA案に賛成票を投じた。最初にA案が採決されたことが有利に働いたとみられている。<br /> また、衆院議員の現在の関心の中心は解散・総選挙の行方。採決前日になっても「まだ考えていないが、何となく改正した方がいいんでしょ」という若手議員もいたほど。A案圧勝の背景を「大勢を見て決めたという人も多いのではないか」(太田誠一衆院議員)と指摘する声もある。<br /> もっとも、臓器提供数を増やす切り札と目されてきたA案は、「脳死は人の死」とし、ドナーカードなど本人の意思表示を必要でなくするという大きな変化を伴う。法案審議を通じて根強い反対論に触れた衆院厚労委員会のメンバー45人のうち、27人が反対か棄権を選んだ。<br /> A案を支持するグループからは「(衆院で)圧倒的多数で勝ったから、参院ではそれを考慮して頂きたい」(大久保通方・臓器移植患者団体連絡会代表幹事)との声があがるが、参院での審議の行方は予断を許さない。<br /> 実は移植推進派にとって参院は「鬼門」。移植に慎重な宗教団体などと関係が深い議員が多く、97年の法制定の時も衆院で可決された「脳死は人の死」とする法案を修正可決した経緯がある。すでに「衆院からの押しつけでは困る」(民主党の森ゆうこ議員)と来週中にも独自案を提出する動きがある。(南彰)</p> <p>●小児救急の充実急務<br /> 小児の救急医療の充実は大きな課題だ。<br /> 日本は乳児死亡率の低さは世界トップクラスだが、1~4歳の幼児死亡率は先進国の中では米国に次いで悪く、世界で17位。最も良いフィンランドの2倍を超える。<br /> 主な原因は、小児救急医療の体制整備が遅れ、不慮の事故に遭う子どもに十分対応できていないため、とされる。日本小児総合医療施設協議会によると、小児専門の集中治療室(PICU)がある病院は08年3月現在で全国に15カ所だけだ。<br /> 救われるべき命が救われず、臓器提供者となってよいのか。そんな問題意識から衆議院の審議では「救命救急(医療の充実)が大前提」とする意見が出された。<br /> A案は、「脳死は人の死」という考えが前提だ。「脳死を死と認めない人も死亡と扱われるのではないか」という懸念に対し、法案提出者は「臓器移植法は、移植に関連して脳死判定や臓器摘出の手続きを定める法律であり、統一的な死の定義を定めるものでない。移植以外の場面で脳死が死と扱われることにはならない」と繰り返した。<br /> 日本救急医学会は07年秋に制定した終末期医療のガイドラインで、患者が医学的に脳死と診断された時などを死が間近に迫っている「終末期」と定義。本人の生前の意思を尊重しながらも、家族の判断で人工呼吸器を外すなどの治療の中止ができるとする。<br /> 慶応大の井田良教授(刑法・医事法)は「A案が成立しても、移植に無関係の場所で脳死での死亡宣告が行われることは考えづらいが、救急医学会のガイドラインに一定の法的正当性を与えることはあり得る」と話す。<br /> このガイドラインに反対する東京都立墨東病院の浜辺祐一救命救急センター部長は、「法律で『脳死が人の死』と保証すれば、家族の希望とは関係なく、治療を中止したり人工呼吸器をはずしたりする医師が出てくる恐れはある」と心配する。<br /> さらに、大きな課題は小児の脳死判定基準の整備だ。<br /> 現行法の施行規則で除外されている6歳未満の脳死判定について検討した厚生省研究班の調査(99年度)では、人工呼吸器をはずして呼吸の有無を調べる「無呼吸テスト」を含む検査を2回以上実施した20例のうち、1回目の判定から心停止まで30日以上経過した「長期脳死」は7人。うち4人は100日以上だった。<br /> (編集委員・出河雅彦、大岩ゆり、長野剛)</p> <p>■現行の臓器移植法と各改正案の違い<br /> (1)脳死の位置づけ<br /> (2)臓器提供の条件<br /> (3)子どもからの臓器提供<br /> -------------------------------------<br /> 【現行法】(97年成立)<br /> (1)本人に臓器提供の意思がある場合のみ「人の死」<br /> (2)本人が書面であらかじめ意思表示し、家族が同意<br /> (3)15歳以上</p> <p>【A案】(06年提出)<br /> (1)「人の死」。判定拒否権は認める<br /> (2)本人に拒否の意思がなく、家族が同意<br /> (3)0歳から可能</p> <p>【B案】(06年提出)<br /> (1)現行法と同じ<br /> (2)現行法と同じ<br /> (3)12歳以上</p> <p>【C案】(07年提出)<br /> (1)現行法と同じ。脳死の定義を厳格化<br /> (2)現行法と同じ<br /> (3)現行法と同じ</p> <p>【D案】(09年5月提出)<br /> (1)現行法と同じ。15歳未満は本人意思を家族が代行<br /> (2)15歳以上は現行法と同じ。15歳未満は、家族の同意、第三者機関の確認<br /> (3)0歳から可能</p> <p>■主な議員の投票行動<br /> 《賛成》<br /> 【自民】海部元首相、河村官房長官、小池百合子元防衛相、小泉元首相、鳩山邦夫前総務相、福田前首相、細田博之幹事長、町村信孝前官房長官、森元首相<br /> 【民主】小沢一郎代表代行、岡田克也幹事長、菅直人代表代行、羽田元首相、山岡賢次国対委員長、渡部恒三元衆院副議長<br /> 【公明】北側一雄幹事長、坂口力元厚労相、冬柴鉄三元国交相<br /> 【国民新】鈴木宗男新党大地代表<br /> 【無所属】渡辺喜美元行革相</p> <p>《反対》<br /> 【自民】麻生首相、伊吹文明元幹事長、石破農水相、大島理森国対委員長、谷垣禎一元政調会長<br /> 【民主】田中真紀子元外相、長妻昭政調会長代理、鳩山代表、前原誠司副代表<br /> 【公明】漆原良夫国対委員長、太田代表、神崎武法前代表<br /> 【社民】阿部知子政審会長、重野安正幹事長</p> <p>《欠席・棄権》<br /> 【自民】安倍元首相、石原伸晃幹事長代理、古賀誠選対委員長、武部勤元幹事長、中川昭一前財務相、山崎拓元副総裁、与謝野財務相<br /> 【共産】穀田恵二国対委員長、志位委員長<br /> 【国民新】亀井静香代表代行、綿貫代表<br /> 【無所属】平沼赳夫元経産相、横路孝弘衆院副議長<br /> (※会派別、五十音順)</p> 2012-08-26T14:27:05+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/8yIrbGLj9Zs tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/8yIrbGLj9Zs#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/8yIrbGLj9Zs 臓器移植法改正案が衆院通過 脳死の定義に賛否、総選挙日程に思惑 参院審議、不透明(2009年06月19日) <p>004322009年06月19日朝刊1総合00102942文字 臓器提供を増やすため、「脳死は人の死」という前提で、子どもからの提供にも道を開く臓器移植法改正のA案が18日、衆院本会議で可決され、参院に送られた。参院では、早期解散を求める第1党の民主党が法案審議をどう進めるかが焦点になる。移植要件緩和に慎重な議員らによる独自案提出の動きもあり、脳死を人の死と認めるかどうかをめぐっても、再び論戦が繰り広げられそうだ。</p> <p>A案は賛成263、反対167で可決された。自民、民主、公明など主要政党が党議拘束をかけずに採決に臨んだため、それぞれ党内で賛否が分かれた。自民党では、麻生首相(党総裁)が反対、細田博之幹事長が賛成、民主党では鳩山代表が反対、岡田克也幹事長が賛成、公明党では太田代表が反対、北側一雄幹事長が賛成と、党首と幹事長の投票行動が違った。民主、公明両党では反対が賛成を上回ったが、約300議席を有する自民党議員の3分の2が賛成したことが決め手となった。<br /> A案は参院でも過半数の賛成を得られれば成立するが、否決された場合、衆院での3分の2の再可決は困難とみられ、廃案になる可能性が高い。参院がA案の修正案やA案とは別の案を可決した場合は、改めて衆院で過半数の賛同を得る必要がある。参院で審議中に衆院が解散されれば、A案は廃案になる。<br /> 参院の民主、社民両党を中心とした有志議員が検討している独自案は、臓器提供の範囲は現行法のままで、逆に脳死の定義を厳格化するC案を基本にしている。子どもからの臓器提供を認めるかどうかを有識者が検討する「こども脳死臨調」の設置を新たに盛り込む方針だ。衆院本会議で採決されずに廃案となったC案は、提出者3人のうち2人、法案提出への賛成者20人のうち17人を民主党議員が占めていた。<br /> 野党多数の参院の国会運営では民主党が主導権を握るが、臓器移植法改正案の審議の進め方の方針は決まっていない。同党の輿石東参院議員会長は18日の記者会見で「党議拘束のない法案で、最優先と思っていない」と語ったが、その後の参院幹部らの協議では「早期解散を求めているのに採決を遅らせれば、首相に解散しない口実にされる」との声も上がった。<br /> ある参院幹部は「採決日程は党として政治判断が必要だ」と語り、衆院並みの審議時間で月内にも採決するか、来月28日までの残り会期を使って党内に反対論の根強いA案の修正協議を行うかなど、来週の党役員会などで対応を協議する。</p> <p>●早期解散に制約 採決前なら廃案<br /> 臓器移植法改正案のA案が予想を覆して衆院通過し、総選挙の時期にも影響が出そうだ。参院はA案への抵抗感が強く合意形成のメドは立たないが、移植を待ち望む患者の立場を尊重すれば、審議打ち切りで衆院解散に踏み切るのは難しいと見られるからだ。<br /> 内閣支持率の急落を受けて自民党では「麻生首相では戦えない」と解散先送りを求める声があがる一方、首相交代論を封じるための東京都議選前の解散論もくすぶる。<br /> A案の衆院通過後、首相は解散時期への影響は「ないと思う」と語ったが、自民党の細田博之幹事長は「解散になると廃案になる。振り出しに戻るのは望ましくない」と述べ、参院採決まで見送るべきだとの考えを示唆。河村官房長官も「国会で誠意を持って対応すべき課題。会期内に方向付けすべきだ」と語った。さらに民主党の鳩山代表も「基本的に早期解散を求めるが、せっかく衆院で結論を出したので今国会で上げなければならない」と、法案成立を優先する考えを示した。<br /> ただ、野党が多数を占める参院の審議は見通せない。衆院では厚生労働委員会で2年半前から計5回の参考人質疑を開き、この1カ月間に8時間の審議をした。参院も同程度の審議は必要なうえ、移植に慎重な野党議員ら有志が独自案提出の構えを見せ、A案修正の可能性もある。参院自民党幹部は「7月28日の国会会期末までに採決すればいい」と急がない考えで、早期解散を制約する新たな要因が生じた格好だ。</p> <p>●変わる理念、不安解消を<br /> 《解説》衆院で可決された臓器移植法改正案は、脳死が人の死であることを前提にする。脳死になった人が、自分の臓器を提供するつもりだったかどうか不明でも、家族の同意で提供できるようになる。<br /> 自己決定を尊重する現行法の理念に照らせば、「改正案というより新案」と評されるほどの大転換だ。衆院での議論は十分だっただろうか。<br /> 97年の法制定まで、厚生省の研究班や政府の脳死臨調での議論に十数年を要した。今回は脳死臨調のような議論の積み重ねもなく、世界保健機関の渡航移植規制の動きなどをきっかけにあわただしく進んだ。衆院での四つの改正案の審議は計8時間だけ。地方公聴会を開くなど国民的議論を深める試みも乏しかった。<br /> A案が成立すれば、今は認められていない、15歳未満の子からの臓器提供ができるようになる。海外での移植に望みを託すしかなかった重い心臓病などの子らに移植の機会を開く。半面、小児の脳死判定基準をめぐっては、脳死状態となってからも長く心臓が動き続ける「長期脳死」と呼ばれる例が報告されており、慎重な対応が求められる。<br /> 身内の脳死に直面した家族は、落ち着いて本人の意思を推し量り、判断できるか。本人が拒否していたことが提供後に分かった場合、承諾した家族が悩みを深める懸念もある。臓器提供に同意した家族が納得できる仕組みでなければならない。脳死を死とすることが、移植医療以外の場面に及ぼす影響も、審議で明確になったとは言えない。<br /> 論戦の舞台は参院に移る。さまざまな不安や疑問を解消するために、議論を深めるべきだ。<br /> (北林晃治、南彰)</p> <p><A案の要点><br /> (1)「脳死は人の死」という前提に立つ。ただし、本人・家族は脳死判定や臓器提供を拒める<br /> (2)提供者に年齢制限なし。本人意思が不明の場合、家族が提供を決められる<br /> (3)親族に優先して提供できる<br /> (4)政府や自治体は移植医療の啓発、知識普及に必要な施策をとる<br /> (5)虐待を受けた子が、親の判断で臓器提供をさせられないようにする</p> <p>◆キーワード<br /> <脳死>脳幹を含むすべての脳の機能が完全に止まり、回復することがない状態。自発呼吸をつかさどる脳幹の機能が失われているので、人工呼吸器を使わないと呼吸できず、心停止に至る。<br /> 現行の臓器移植法では、脳死からの臓器提供を望む意思をあらかじめ書面に残していた人が、実際に脳死になり、国のガイドラインに基づく法的脳死判定で確認された場合だけ、脳死は「人の死」になり、その人の臓器を摘出することができる。家族が拒めば、判定も摘出もできない。<br /> 法的脳死判定は、複数の医師が、人工呼吸器を止めて自発呼吸がないかどうか調べる無呼吸テストなど5項目の検査を6時間あけて2回行う。<br /> 臨床現場では、医師が治療方針を決めるため、患者が脳死状態かどうか調べることがある。その場合、法的脳死判定の検査項目から無呼吸テストを除くことが多い。いわゆる「植物状態」は脳幹の機能が残っていて自発呼吸があり、脳死とは異なる。</p> <p>【写真説明】<br /> 衆院本会議で、臓器移植法改正案のA案に記名投票する議員ら。手前は提出者の中山太郎氏=18日午後、福留庸友撮影<br /> 【図】<br /> A案、参院審議はどうなる</p> 2012-08-26T14:26:23+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/LJleRn3yXUo tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/LJleRn3yXUo#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/LJleRn3yXUo A案で手続きどうなる 0歳からも提供・家族同意だけでも 臓器移植法改正案衆院通過(2009年06月19日) <p>004332009年06月19日朝刊3総合00303289文字<br /> 「脳死は人の死」とすることを前提にした臓器移植法改正案(A案)が衆院を通過した。現行法では脳死に陥った人でも、生前の意思が不明な場合は臓器提供ができないが、A案では家族の同意だけで可能になる。現行では不可能な15歳未満の臓器提供もできるようになる。A案と現行法との違いを探った。(長野剛、権敬淑、武田耕太)</p> <p>「人の死」は、(1)呼吸が止まる(2)心臓が止まる(3)瞳孔が開いて反応がない――の三つが根拠になってきた。この「死の3兆候」を医師が確認して死亡診断書を書くのが一般的だ。<br /> 一方で、日本では年間100万人の全死亡者のうち、1%弱が脳死を経て亡くなっているという見方もある。<br /> 脳死した人からの臓器移植を認める臓器移植法が97年に成立、施行されたが、この時は、本人が生前に書面で意思を示し、脳死判定された場合のみを人の死とするといった、限られた条件下で「脳死は人の死」とした。<br /> 現行法の規定では、交通事故や脳疾患で入院中の患者が、脳死状態と診断された時、患者が「脳死になったら臓器提供する」とした意思表示カードなどを持っていれば、脳死での臓器提供に向けた手続きに入る。家族が本人意思に同意すれば、法的脳死判定で死亡を診断、臓器提供する流れだ。<br /> これに対して、今回可決されたA案は「脳死は人の死」であることを前提にしている。家族が法的脳死判定と臓器提供の二つを承諾すれば、本人が書面で意思表示していなくても、臓器提供できることになる。生前の意思が不明の場合の手続きが、現行法と大きく変わる点だ。<br /> 現行法では、民法上、遺言可能な年齢などを参考に書面で意思表示できる年齢を15歳以上としているため、15歳未満は提供できないが、A案では、0歳の子どもから提供可能になる。心臓移植では、提供者と移植を受ける患者の体のサイズを合わせることが条件になるため、子どもは渡航移植に頼らざるを得なかったが、国内で小さな子どもの心臓移植もできることになる。</p> <p>●小児は慎重な判定必要<br /> A案が成立した場合、患者が脳死状態と診断されると、家族は法的脳死判定に入るかどうかを判断し、同意すれば承諾書に署名することになる。同時に臓器提供を承諾する必要があるかどうかは、厚生労働省が運用のための現場の手順や条件を定めた指針などで示すことになる。<br /> ただ、A案でも、本人が意思表示カードなどの書面に提供の意思を記していれば、現行法と同じ手続きになる。生前に提供拒否の意思を家族らに話していたり、カードなど書面に書いて残していたりした場合も、現行と同じように提供の手続きには入らない。<br /> 現行脳死判定基準は、旧厚生省研究班(主任研究者=竹内一夫・杏林大名誉教授)が85年に作った基準を基にしている。判定対象から6歳未満は外しているが、99年度に、別の研究班が6歳未満の脳死判定基準もつくっている。<br /> 検査項目は大人と同じだが、子どもの脳は回復力が強いため、生後12週未満は判定から除外し、大人の場合に6時間としている2回の検査の間隔を、6歳未満なら24時間以上にする。<br /> 小児の救急現場にも、こうした脳死判定や臓器提供を支える態勢づくりが求められることになる。</p> <p>◇心のケア重要<br /> A案では、本人の意思が不明のまま、家族が脳死からの提供に同意することになる。これまでは、本人の意思を生かすという心の支えがあったが、精神面での家族への支援が一層求められる。<br /> 現行でも、心臓が停止した後の腎臓提供では、提供者の生前の意思が不明の場合は家族の承諾で行われることが認められている。<br /> 心臓が停止してから、腎臓を摘出する時間を短くすればするほど、腎臓の機能を損なうことを避けられ、移植の成績も良くなると期待できる。家族の承諾は、脳死状態と診断されてから、心停止するまでの間に行われることが多い。その点で、家族の置かれる状況はA案のような脳死下での提供に似た面もある。<br /> 提供者の遺族の心のケアに大きな役割を果たすのは、臓器提供時に提供者と病院などをつなぐ移植コーディネーターだ。日本臓器移植ネットワークに計21人がいるが、東京、大阪、名古屋の大都市圏に集中している。都道府県が雇うコーディネーターは計50人で、手薄な地域も多い。<br /> 移植ネット中日本支部の朝居朋子・主席コーディネーター代理らは02年、心停止後に腎提供した145家族にアンケートし、91家族の回答を得た。その結果、84%が「提供して良かった」と回答した。<br /> ただ、アンケート回収率は6割程度。後悔する家族がもっといる可能性もある。後悔する家族に目立った回答に「本人にとって提供が良かったのかどうか分からない」といったものもあった。<br /> 新潟県臓器移植コーディネーターの秋山政人さんは現在、全国の5医療機関で、医療者に提供者の家族との接し方を指導している。強く感じるのは、患者が脳死状態など回復不能な状態になった時、家族にしっかりと認識してもらうことの重要さだ。「まだ生きていたのに亡くなったことを前提にことを進めてしまった」と後悔を招きかねない。</p> <p>◇親族に負担も<br /> 現行法は、「移植術を受ける機会は、公平に与えられるよう配慮されなければならない」として、脳死、心臓死にかかわらず提供者は、提供相手を指定できない。<br /> 今回、衆院で可決されたA案の親族への優先提供が認められれば、「身近な人を助けたい」という提供者の思いが生かされる一方、親族がない人は不利なほか、提供候補者になる親族に、「嫌でも断りづらい」という、心理的な負担がかかる可能性が指摘されている。<br /> 実際に、日本移植学会の倫理指針によって親族からが原則の生体臓器提供や、血縁間の骨髄などの造血幹細胞移植では、親族への精神的な負担が指摘されている。</p> <p>◎過去81例実施・海外に向かう人も<br /> 97年の臓器移植法施行から、法にもとづいて脳死による臓器提供をしたのは81例。これに対し、移植を待つ人は多い。日本臓器移植ネットワークによると、移植を希望し、登録している人(6月1日現在)は、脳死の人からしか提供されない心臓では138人、肝臓254人。心停止後の人からも提供される腎臓でも1万1695人に上る。<br /> 人口100万人あたりの心臓提供者数(年間)は日本が0・05人。スペイン12・5人、米国10・1人など、先進国の中でも少ない。このため、厚労省研究班の調査では、海外にわたって心臓や肝臓、腎臓の移植を受けた人は計522人にのぼる。<br /> だが、外国に行って移植を受ける行為は、現地の患者の移植の機会を奪う行為という批判も出ていた。昨年、国際移植学会は渡航移植の規制強化と臓器提供の自給自足を求めるイスタンブール宣言を発表。世界保健機関(WHO)理事会も1月、渡航移植を制限する決議案をまとめた。<br /> こうした動きから、国内の提供者が少ないまま12年も法改正が行われていない現状に「立法府の不作為を問われかねない」との懸念が国会議員の間に広がり、今回の改正審議に結びついた。</p> <p>■臓器移植をめぐる主な動き<br /> 1967年 南アフリカで世界初の心臓移植<br /> 68年 札幌医大で日本初の心臓移植。後に殺人容疑で告発されたが不起訴処分に<br /> 85年 旧厚生省研究班が脳死判定基準を公表<br /> 90年 政府の臨時脳死及び臓器移植調査会(脳死臨調)が初会合<br /> 92年 脳死臨調が多数意見で脳死・臓器移植を承認する答申を首相に提出<br /> 94年 「脳死は人の死」とする臓器移植法案を議員立法で国会に提出<br /> 96年 本人意思が書面で残された場合に限り、臓器提供を認めるとする修正法案を提出。衆院解散で同案は廃案になったが、ほぼ同じ内容の法案が提出される<br /> 97年 臓器提供の場合に限って「脳死は人の死」とする臓器移植法が成立<br /> 99年 高知赤十字病院で、法施行後初めての脳死判定と移植<br /> 2006年 法改正を目指し、A案とB案を提出<br /> 07年 C案提出<br /> 08年 国際移植学会が渡航移植への規制強化を掲げる「イスタンブール宣言」発表<br /> 09年 D案提出</p> <p>【図】<br /> 脳死での臓器提供の手続き</p> 2012-08-26T14:25:39+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/wv2j6k8Mu2u tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/wv2j6k8Mu2u#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/wv2j6k8Mu2u 死とは思えない 人工呼吸「でも、表情違う」脳障害児の両親 臓器移植法改正に賛否(2009年06月19日) <p>004342009年06月19日朝刊1社会03901790文字「今日は暑くないかな」<br /> さいたま市の西村理佐さん(33)は、ベッドで横になる1歳7カ月の長女・帆花(ほのか)ちゃんの小さな手を握りながら話しかけた。<br /> しかし、返事はない。生まれてから声を出して泣くことも、言葉を発したこともない。人工呼吸器をつけ、食事も管を通して栄養剤をとる。<br /> 帆花ちゃんは、出産時にへその緒が切れ、心肺停止の状態で生まれた。すぐに新生児集中治療室(NICU)に運ばれた。3日目に危険な状態を脱したが、低酸素脳症のため自発呼吸ができなかった。2週間後、医師から「脳波は平坦(へいたん)で、脳の萎縮(いしゅく)もみられる。呼吸や血液の循環をつかさどる脳幹の機能はほぼ失われている」と説明された。<br /> 父の秀勝さん(33)は「最初は意味が分からなかった。いつかは人工呼吸器を止める決断をしなければいけないと思っていた」と振り返る。<br /> 理佐さんは面会のため、毎日、病院に通った。原因不明のめまいに悩まされ、突然涙が出ることもあった。抱くこともできず、本当に子どもを産んだのだろうか。そんな思いに悩まされた。<br /> 脳は機能していないが、髪の毛もつめも伸びる。成長することの意味が最初は分からなかったが、次第に「この子は一生懸命生きようとしている。家で一緒に暮らそう」と感じるようになった。約7カ月たった昨年7月、自宅で親子3人の生活が始まった。<br /> 小児の場合、脳死診断後に心臓が動き続ける「長期脳死」と言われる例が報告されている。しかし、脳死判定の手順を踏んでいる事例は少ないとされ、専門家の間でも意見が分かれる。帆花ちゃんも、脳死と判定されたわけではないが、理佐さんは、医師の説明から脳死状態だと思っている。<br /> いつも寝ているように穏やかな表情だが、両親には日々の表情の違いが分かるという。昼夜にわたり目を離せないが、3人で一緒に暮らせる日々を幸せだと感じる。<br /> 理佐さんと秀勝さんは、「脳死は人の死」を前提とする臓器移植法の改正A案に違和感を感じる。臓器移植そのものに反対するつもりはない。移植で自分の子を救ってあげたいと願う両親の気持ちは痛いほど分かる。ただ、助かる命の裏側にあるドナーや、家族のケアについて論議が尽くされたのかと疑問に思う。<br /> 理佐さんは「『脳死は人の死』と法律で決められた時、帆花が社会的に死んでいるとみなされないか」と不安を募らせる。<br /> (北林晃治)</p> <p>◆「参院では迅速に」「審議が中途半端」 臓器移植法改正に賛否<br /> 臓器移植の時に限り、「脳死は人の死」とする臓器移植法の施行から12年。衆院で18日に可決された改正案のA案は、脳死での臓器提供の要件を緩めるものだ。参院の審議を控え、賛否の声があがった。<br /> 改正を求める患者団体や日本移植学会は18日、衆院議員会館内で会見し、「参議院でも採決し一刻も早く法改正を実現して欲しい」と訴えた。<br /> 臓器移植患者団体連絡会の大久保通方代表幹事は「うれしいことはうれしいが、何でこんなに時間がかかったのか。こんなにさっと出来るんだったら、もっと早く出来たのではないかという思いだ」と感想を述べた。「参議院では迅速に集中審議し、結論を出して欲しい」と語った。<br /> 米国で心臓移植を待つ間に1歳で亡くなった横浜市の中沢聡太郎ちゃんの父・啓一郎さんは「A案で決まった時は『決まったよ』と心の中で話しかけた。聡太郎はもういないが、他の子どもたちのためにも参議院でしっかりと答えを出して欲しい」と語った。<br /> 一方、「脳死を人の死」とすることに反対する市民団体も相次いで会見した。<br /> 人工呼吸器をつけた子を持つ親や障害者らは衆院議員会館で会見し、「脳死が人の死かという重要な問題が議論されていない」「議員はどれだけ(脳死や移植の)知識を持って投票したのか」と批判。生体肝移植に推進の立場をとってきた全国肝臓病患者連合会の西河内靖泰相談役も「正しい情報を元に慎重な議論をして欲しいのに今回は中途半端な審議で強引に通したとしか思えない」と指摘した。<br /> 生命倫理の学者や宗教家でつくる「生命倫理会議」(代表=小松美彦・東京海洋大教授)は、A案可決に抗議する緊急声明を発表。小松代表は「このままでは将来に多大な禍根を残す」として、参議院での徹底審議を求めている。</p> <p>【写真説明】<br /> 西村帆花ちゃん(手前)を見守る両親=12日、さいたま市、北林写す<br /> (38面に続く)</p> <p>生への道開けた 「やっとここまで来た」独で移植待つ松永さん 臓器移植法改正に賛否</p> <p>(39面から続く)</p> <p>福岡県出身の松永真和(まさと)さん(31)は今、ドイツで心臓移植を待っている。臓器移植法の改正A案が衆院で可決されたことをインターネットを通じて知った。「日本で移植を待つ間に亡くなった知人たちのことを思い、やっとここまで来たかと感動しました」と国際電話で話した。<br /> 松永さんが、心筋の異常で血液を体内に送り出せなくなる拡張型心筋症と診断されたのは00年。移植しか治療法がなく、日本臓器移植ネットワークに登録したが、待機患者100人以上に対して心臓移植が年10件程度で、移植を受けられる可能性は低かった。<br /> 海外での移植を勧められたが、断り続けた。渡航移植には高額な費用がかかる。「家族や友人、関係者の皆さんに経済的にも精神的にも負担をかける」と思うと、決断できなかった。病状が悪化し、医師から「もうぎりぎり」と告げられても悩んだ。「募金を集めてまで生きる価値が自分にあるのだろうか」<br /> 中学・高校時代の友人に、「価値は、生きて自分で作っていくもんだ」と言われ、渡航移植を決意した。<br /> 日大医学部の南和友教授(心臓血管外科)に紹介されたドイツの病院に入院したのは07年9月。直後に、移植に耐えられないほど容体が悪化。一時期は補助人工心臓が2台必要だった。数カ月間、生死のふちをさまよった。<br /> 付き添いの母とともに、移植の機会を待ち続け、ドイツ滞在は1年9カ月に及ぶ。<br /> 今年4月、治療費が底をつきかけた。渡航前に7千万円以上募金を集めてもらった支援団体「まさと君を助ける会」に再度、募金を頼まざるを得なかった。<br /> 日本で移植を受けたい。しかし、体内に埋め込まれた日本企業の開発した補助人工心臓が、医療機器の承認が遅い日本では認可されていないため使えず、帰国できない。<br /> いつ移植を受けられるか、見通しはつかない。「支援者や友人、家族、そしてドイツの患者さんに負担をかけ続けているのに、自分がこんなに元気に過ごしていていいのだろうか、と罪悪感を感じずにはいられません」<br /> 今国会での臓器移植法の改正案成立を望んでいる。「日本では移植を受ける機会がほとんどない。移植で『生きる』という選択は海外に行くという選択になり、負担をかける人たちに対して罪悪感が生まれます。罪悪感を持たずに、生きるという選択ができるように早くなって欲しい」<br /> (大岩ゆり)</p> <p>◆提供拒否守られる<br /> 寺岡慧・日本移植学会理事長の話 A案がこれほどの支持を集めるとは予想していなかった。多くの議員の方がぎりぎりまで悩んだ末に投票されたのだと思う。可決には敬意を表したい。<br /> いま、移植を受ければ助かるはずの人が心臓病だけで年間400~500人も亡くなっていて、9割以上は15歳以上。子どもを救わなければならないのは当然だが、A案でなければこうした大部分の人たちを助けられない。遺言などを残す習慣が根付かない日本では、現行法では提供意思をきちんとくみ上げることができない。A案は「脳死は人の死」という考えを一律に押しつけてはおらず、臓器提供をしたくないという意思は守られる。理解を深めてもらえるよう、さらに努力したい。</p> <p>◆納得の基準が必要<br /> 日本弁護士連合会人権擁護委員会前医療部会長の増子孝徳弁護士の話 国会では、法が改正されたらどうなるのかをもっと具体的に丁寧に議論して欲しい。たとえば臓器提供を拒否する権利。A案の提出者は拒否権は担保されていると説明する。しかし、将来、摘出した後に日記に拒否したいと書いてあったのを家族が見つけた、という事態になる可能性もある。<br /> 脳死判定や臓器摘出に携わる医師や家族は後から拒否の意思が見つかるのを恐れて萎縮(いしゅく)し、臓器移植にブレーキがかかるかもしれない。<br /> もっと大勢が納得できる脳死判定基準も必要。今の基準が信じられない人が多いから提供者が増えない。成人で脳死移植が定着してから、小児に範囲を拡大すべきだ。</p> <p>◆家族に無用の混乱<br /> 井手政子・全国交通事故遺族の会理事の話 もう少し国会議員には常識があると思っていたが、違っていた。心臓が止まってからでも助けて欲しいと思うのに、脳死になった段階で死を宣告する医療になるんじゃないかと不安だ。<br /> 突然身内が脳死になった家族に臓器提供の打診があれば、悲嘆にくれる家族に無用の混乱を与える。うっかり承諾し、後悔する人が出るかもしれない。高校生の娘を亡くした身として、そう思う。<br /> 救急医療現場への影響も心配だ。人手不足なのに臓器提供に人を取られ、無関係の患者が治療を受ける権利が奪われないか。そもそも動いている心臓を取るという考え方が嫌だ。移植は人が亡くなるのを待つ医療という側面がある。それが耐えられない。</p> <p>【写真説明】<br /> ドイツで心臓移植を待つ松永真和さん。埋め込み型補助人工心臓のバッテリーを入れたバッグは家の中でも手放せない。ネット上で日記を公開している=松永さん提供</p> <p>前の記事 | 次の記事 |</p> 2012-08-26T14:24:53+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/JH9UT7VkJf0 tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/JH9UT7VkJf0#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/JH9UT7VkJf0 自己責任の投票「緊張感」 党議拘束なし、評価 臓器移植法改正のA案可決(2009年06月19日) <p>004352009年06月19日朝刊政治00403524文字事前の予想を覆し、臓器移植法改正案のA案が衆院本会議で可決されたのは、共産党を除く全政党が「個人の死生観」にかかわるとして、党議拘束を外して投票したからだ。普段は与党の意見がそのまま通る「予定調和型」の国会が、18日は開票まで結果が読めないスリリングな展開となり、与野党双方から「緊張感があった」と前向きな感想が聞かれた。(園田耕司)</p> <p>公明党幹部は「党議拘束をゆるやかにするのはいいことだ。一人ひとりが自己責任で判断する。今日の議場はかなり緊張感があった」と振り返った。A案に反対した民主党の前原誠司副代表も「それぞれしっかり勉強し、悩んで行ったこと。自分の意には沿わなかったが、採決したこと自体は反対ではない」と語った。<br /> 予測が難しかった最大の要因は「党議拘束」をかけず、議員一人ひとりが自分の判断で結論を出したことにある。自民党が党議拘束を外したのは97年の臓器移植法の採決以来だ。<br /> 河野洋平衆院議長は「米国をはじめ、党議拘束をゆるめ議員一人ひとりが自分の信念、見識に基づいて投票する国もたくさんある。何より自分で一つずつを決めないといけないことになると、勉強も研究もしないといけない」と評価。自民党の小坂憲次議院運営委員長も「非常に意義があった。各党幹部でも議決が分かれ、棄権者も多くなかった」と語った。<br /> 日本の政党は欧米と比べて党議拘束が厳しいと言われる。自民党は総務会で法案が了承されると、各議員は賛成が義務づけられ、造反すれば処分される。民主党も党議拘束をかけるのが原則だ。国会審議を円滑に進める効果がある一方、議員個人の裁量は狭められる。議員は自らの投票行動を「党の決定だから」と言い訳し、有権者への説明責任がおろそかになりがちだ。<br /> 07年参院選で「ねじれ国会」になった後、新しい国会のあり方を探る動きが芽生え、自民、民主両党の若手は昨年2月、個人の良心や価値観が問われる法案は党議拘束を外すことを提案した。民主党内で長年、党議拘束を外すよう訴えてきた河村たかし名古屋市長は「党議拘束がなくなれば、政治家の投票行動に対する有権者の目は厳しくなり、理念なき議員は淘汰(とうた)される」といい、見直し機運が高まることを期待している。</p> <p>●自民7割賛成/民主反対上回る<br /> A案の衆院通過は、約300議席を占める自民党議員の7割近い202人が賛成したことが決め手となった。民主、公明両党では、反対が賛成を上回った。阿部知子政審会長が脳死の定義を厳格化するC案提出者である社民党は、7人全員が反対にまわった。<br /> 採決前は、投票態度を決めかねた議員の大量棄権の可能性も取りざたされたが、実際は、欠席や本会議に出席した上での棄権は計47人にとどまった。16日に衆院本会議で2度目の討論が行われてから採決まで2日間あったため、熟慮の末に態度決定をした議員が多かったとの見方が多い。<br /> 共産党は本会議に出席したが、「拙速な採決には反対」として、9人全員が採決に加わらなかった。</p> <p>○河野議長が「敬意」<br /> 臓器移植の経験者で、今回の改正案審議を水面下で後押ししていた河野洋平衆院議長は18日、「(今期限りで引退する)私とすれば最後の国会で、何らかの決着をつけてほしいと思っていた。結論が出たことを大変喜んでいる」と記者団に語った。<br /> 河野氏は02年、C型肝炎による肝硬変の治療のため、長男の河野太郎衆院議員から生体肝移植を受けた。河野氏は「ちょうど7年前、手術を受けて退院した」と当時を振り返りつつ、「議員一人ひとりが真剣に考えた結果、A案が過半数をとった。皆さんに敬意を表したい」と語った。<br /> 一方、A案提出者でもある太郎氏は「参院が残っている。成立したわけではないから、喜ぶ段階ではない」と慎重な姿勢を崩さなかった。</p> <p>□賛成 危機意識共有・世界水準でできる<br /> ◆中山太郎・元外相<br /> 13年前、(脳死を人の死として臓器移植を認める)最初の法案(中山案)を出した時は、参院の修正が、日本では移植ができなくなる原因になった。この状況の打破のため、新しい法案を出した。(現行法では)国内での提供もなく、海外渡航もなくならない。(衆院通過は)感無量だ。ようやく日本も世界水準で移植ができる、安心できる国家になる。</p> <p>◆山内康一・自民党衆院議員<br /> 自民党はかなりA案でかたまっていた。(意外な賛成者は民主党前代表の)小沢さん。つい頭を下げてしまった。民主党の上のほうが入れてくれた。(参院では)本質的に譲れないところを残してくれれば、多少の修正は国会対策上仕方ない。譲れない部分は、家族の同意、子供への移植の道を開くことだ。</p> <p>◆細田博之・自民党幹事長<br /> 移植を待っている人の数が非常に多い中で、実例が80例しかないこと、国際的な規制の動きもあることを考えれば、命を助ける見地が大切であるという意見の人が多数を占めた。解散になると廃案になる。また振り出しに戻ってしまう。望ましくない。</p> <p>◆岡田克也・民主党幹事長<br /> この法律が出来て以来、なかなか臓器移植が進まない現状がある。可決は、その危機意識が国会議員に共有されていたということ。参院で国会会期の中で、きちんと答えを出してもらいたい。A案がすんなり可決されるのは難しいと思っていたので、その場合はD案でも賛成しようと考えてきた。A案ですんなり決まったのは予想を超えるものがあったが、すっきりした答えが出たのは喜ばしい。</p> <p>◆笹川尭・自民党総務会長<br /> 外国に行って何億もかけて臓器移植をするのは、まさにこれこそ、やってはいけないこと。日本人の命は日本人が守る。倫理委員会をしっかりやって、幼児虐待はノーだ。両親の賛成がなければできない。鍵はしっかりかかっている。参院でどういう法案が出てくるか分からないが、実際の臓器移植が可能になる範囲だったら話し合いをするべきだ。</p> <p>□反対 内容知って賛成か・D案良かった<br /> ◆阿部知子・社民党政審会長<br /> どれほどの議員がA案の内容を知って賛成したか疑問が残る。こんなに簡単に改正されていいのか。脳死臨調のように、国民に聴くという作業がないままに、「脳死が人の死」ということを含んだ法律を決めていいのか。国会議員は国民からそこまで負託を受けていない。</p> <p>◆鴨下一郎・前環境相<br /> 私の予想から比べると、(A案賛成票は)100票多かった。悩んでいた人たちが、最終的に小児に臓器移植の道を開こうということを最優先したのだろう。これから小児の脳死の診断基準などを専門家がきちんとした形で結論を出さないと、法として動き始めない。成案を得た後に、診療現場の混乱をどういう風にハンドリングするかを考えないといけないのではないか。</p> <p>◆麻生首相<br /> 臓器移植を望んでいる方々にとって立法府としての結論を出したのは良かった。私はD案に入れるつもりにしていた。臓器移植という話と、人の死をどう考えるかと言うので悩まれた方が多いと思うが、臓器移植の道を開くかたわら、脳死についてはまだ世の中の意見がきっちり固まっていないのではないかと思っていた。(衆院解散時期への影響は)ないと思う。</p> <p>◆鳩山由紀夫・民主党代表<br /> 法律が厳しく日本で臓器移植が進まないなかで道が開かれたことはよかったが、私はD案が良かった。倫理観の問題だ。私は、脳死を人の死と決めなくてもできる道を考えていきたいと思っていた。</p> <p>◆漆原良夫・公明党国対委員長<br /> A案が一発で過半数を取ったのは、それはそれで衆院の意思が表明されたということで評価している。最後の最後まで皆さん悩まれたと思う。総選挙が近いという点もあったかもしれない。自分の選挙区の中でも陳情をたくさんの方から受けている。もう一方では、提供した側の命も十分に考えないといけないという気持ちもある。</p> <p>◆志位和夫・共産党委員長<br /> どの案も医学的知見、国民的合意の観点から問題点を抱えるので、(共産党議員は)全案に棄権で臨んだ。A案は脳死を人の死と規定しているが、(幅広い国民的)合意がない。家族の同意で移植を可能としている点も、大きく国民の中で意見が分かれる。子供の脳死判定は医学的知見のうえで様々な議論がある。合意形成の努力がされないまま採決されたのは大変遺憾だ。</p> <p>■各会派の賛否の内訳<br /> 賛成 反対 欠席・棄権<br /> 自民 202 77 24<br /> 民主・無所属クラブ 41 65 6<br /> 公明 12 18 1<br /> 共産 0 0 9<br /> 社民・市民連合 0 7 0<br /> 国民新・大地・無所属の会 2 0 5<br /> 無所属 6 0 2</p> 2012-08-26T14:24:01+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/f17206Vq9wI tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/f17206Vq9wI#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/f17206Vq9wI 臓器移植法改正案、全議員の賛否 衆院(2009年06月19日) <p>004372009年06月19日朝刊東特集A03507682文字《表の見方》<br /> 一覧表に記載された「○」は「脳死は人の死」との前提に立ち臓器提供の年齢制限をなくすA案に賛成、「×」は反対、「-」は採決を棄権または本会議を欠席したことを指す。河野洋平議長は投票していない。<br /> 議員の所属は、政党ではなく会派別とした。氏名に続く〈自〉は自民党、〈民〉は民主党・無所属クラブ、〈公〉は公明党、〈共〉は共産党、〈社〉は社民党・市民連合、〈国〉は国民新党・大地・無所属の会、〈無〉は無所属を意味する。敬称略。</p> <p>◆小選挙区選出<br /> 《北海道》<br /> 1区 横路孝弘 〈無〉 ―<br /> 2区 三井辨雄 〈民〉 ×<br /> 3区 石崎岳 〈自〉 ○<br /> 4区 鉢呂吉雄 〈民〉 ―<br /> 5区 町村信孝 〈自〉 ○<br /> 6区 佐々木隆博 〈民〉 ×<br /> 7区 仲野博子 〈民〉 ―<br /> 8区 金田誠一 〈民〉 ×<br /> 9区 鳩山由紀夫 〈民〉 ×<br /> 10区 小平忠正 〈民〉 ○<br /> 11区 中川昭一 〈自〉 ―<br /> 12区 武部勤 〈自〉 ―<br /> 《青森》<br /> 1区 津島雄二 〈自〉 ○<br /> 2区 江渡聡徳 〈自〉 ×<br /> 3区 大島理森 〈自〉 ×<br /> 4区 木村太郎 〈自〉 ○<br /> 《岩手》<br /> 1区 階猛 〈民〉 ×<br /> 2区 鈴木俊一 〈自〉 ○<br /> 3区 黄川田徹 〈民〉 ○<br /> 4区 小沢一郎 〈民〉 ○<br /> 《宮城》<br /> 1区 土井亨 〈自〉 ○<br /> 2区 秋葉賢也 〈自〉 ×<br /> 3区 西村明宏 〈自〉 ×<br /> 4区 伊藤信太郎 〈自〉 ×<br /> 5区 安住淳 〈民〉 ○<br /> 6区 小野寺五典 〈自〉 ×<br /> 《秋田》<br /> 1区 寺田学 〈民〉 ×<br /> 2区 野呂田芳成 〈国〉 ○<br /> 3区 御法川信英 〈自〉 ○<br /> 《山形》<br /> 1区 遠藤利明 〈自〉 ×<br /> 2区 遠藤武彦 〈自〉 ×<br /> 3区 加藤紘一 〈自〉 ○<br /> 《福島》<br /> 1区 亀岡偉民 〈自〉 ○<br /> 2区 根本匠 〈自〉 ×<br /> 3区 玄葉光一郎 〈民〉 ×<br /> 4区 渡部恒三 〈民〉 ○<br /> 5区 吉野正芳 〈自〉 ○<br /> 《茨城》<br /> 1区 赤城徳彦 〈自〉 ○<br /> 2区 額賀福志郎 〈自〉 ○<br /> 3区 葉梨康弘 〈自〉 ×<br /> 4区 梶山弘志 〈自〉 ×<br /> 5区 大畠章宏 〈民〉 ○<br /> 6区 丹羽雄哉 〈自〉 ×<br /> 7区 中村喜四郎 〈無〉 ○<br /> 《栃木》<br /> 1区 船田元 〈自〉 ○<br /> 2区 森山真弓 〈自〉 ○<br /> 3区 渡辺喜美 〈無〉 ○<br /> 4区 佐藤勉 〈自〉 ○<br /> 5区 茂木敏充 〈自〉 ○<br /> 《群馬》<br /> 1区 佐田玄一郎 〈自〉 ○<br /> 2区 笹川堯 〈自〉 ○<br /> 3区 谷津義男 〈自〉 ○<br /> 4区 福田康夫 〈自〉 ○<br /> 5区 小渕優子 〈自〉 ○<br /> 《埼玉》<br /> 1区 武正公一 〈民〉 ×<br /> 2区 新藤義孝 〈自〉 ○<br /> 3区 今井宏 〈自〉 ―<br /> 4区 早川忠孝 〈自〉 ×<br /> 5区 枝野幸男 〈民〉 ×<br /> 6区 大島敦 〈民〉 ×<br /> 7区 中野清 〈自〉 ×<br /> 8区 柴山昌彦 〈自〉 ○<br /> 9区 大野松茂 〈自〉 ―<br /> 10区 山口泰明 〈自〉 ○<br /> 11区 新井悦二 〈自〉 ×<br /> 12区 小島敏男 〈自〉 ○<br /> 13区 土屋品子 〈自〉 ○<br /> 14区 三ツ林隆志 〈自〉 ○<br /> 15区 田中良生 〈自〉 ○<br /> 《千葉》<br /> 1区 臼井日出男 〈自〉 ○<br /> 2区 山中あき子 〈自〉 ×<br /> 3区 松野博一 〈自〉 ×<br /> 4区 野田佳彦 〈民〉 ×<br /> 5区 薗浦健太郎 〈自〉 ×<br /> 6区 渡辺博道 〈自〉 ×<br /> 7区 太田和美 〈民〉 ○<br /> 8区 桜田義孝 〈自〉 ○<br /> 9区 水野賢一 〈自〉 ―<br /> 10区 林幹雄 〈自〉 ○<br /> 11区 森英介 〈自〉 ○<br /> 12区 浜田靖一 〈自〉 ○<br /> 13区 実川幸夫 〈自〉 ×<br /> 《神奈川》<br /> 1区 松本純 〈自〉 ○<br /> 2区 菅義偉 〈自〉 ○<br /> 3区 小此木八郎 〈自〉 ○<br /> 4区 林潤 〈自〉 ×<br /> 5区 坂井学 〈自〉 ○<br /> 6区 上田勇 〈公〉 ―<br /> 7区 鈴木恒夫 〈自〉 ○<br /> 8区 江田憲司 〈無〉 ○<br /> 9区 山内康一 〈自〉 ○<br /> 10区 田中和徳 〈自〉 ○<br /> 11区 小泉純一郎 〈自〉 ○<br /> 12区 桜井郁三 〈自〉 ○<br /> 13区 甘利明 〈自〉 ○<br /> 14区 赤間二郎 〈自〉 ○<br /> 15区 河野太郎 〈自〉 ○<br /> 16区 亀井善太郎 〈自〉 ○<br /> 17区 河野洋平 〈無〉 ―<br /> 18区 山際大志郎 〈自〉 ○<br /> 《山梨》<br /> 1区 小沢鋭仁 〈民〉 ×<br /> 2区 堀内光雄 〈自〉 ×<br /> 《東京》<br /> 1区 与謝野馨 〈自〉 ―<br /> 2区 深谷隆司 〈自〉 ○<br /> 3区 石原宏高 〈自〉 ×<br /> 4区 平将明 〈自〉 ○<br /> 5区 小杉隆 〈自〉 ○<br /> 6区 越智隆雄 〈自〉 ○<br /> 7区 松本文明 〈自〉 ○<br /> 8区 石原伸晃 〈自〉 ―<br /> 9区 菅原一秀 〈自〉 ○<br /> 10区 小池百合子 〈自〉 ○<br /> 11区 下村博文 〈自〉 ×<br /> 12区 太田昭宏 〈公〉 ×<br /> 13区 鴨下一郎 〈自〉 ×<br /> 14区 松島みどり 〈自〉 ×<br /> 15区 木村勉 〈自〉 ○<br /> 16区 島村宜伸 〈自〉 ○<br /> 17区 平沢勝栄 〈自〉 ―<br /> 18区 菅直人 〈民〉 ○<br /> 19区 松本洋平 〈自〉 ×<br /> 20区 木原誠二 〈自〉 ×<br /> 21区 小川友一 〈自〉 ○<br /> 22区 伊藤達也 〈自〉 ○<br /> 23区 伊藤公介 〈自〉 ○<br /> 24区 萩生田光一 〈自〉 ○<br /> 25区 井上信治 〈自〉 ○<br /> 《新潟》<br /> 1区 西村智奈美 〈民〉 ×<br /> 2区 近藤基彦 〈自〉 ○<br /> 3区 稲葉大和 〈自〉 ○<br /> 4区 菊田真紀子 〈民〉 ×<br /> 5区 田中真紀子 〈民〉 ×<br /> 6区 筒井信隆 〈民〉 ×<br /> 《富山》<br /> 1区 長勢甚遠 〈自〉 ○<br /> 2区 宮腰光寛 〈自〉 ○<br /> 3区 綿貫民輔 〈国〉 ―<br /> 《石川》<br /> 1区 馳浩 〈自〉 ○<br /> 2区 森喜朗 〈自〉 ○<br /> 3区 北村茂男 〈自〉 ○<br /> 《福井》<br /> 1区 稲田朋美 〈自〉 ×<br /> 2区 山本拓 〈自〉 ○<br /> 3区 高木毅 〈自〉 ―<br /> 《長野》<br /> 1区 小坂憲次 〈自〉 ○<br /> 2区 下条みつ 〈民〉 ○<br /> 3区 羽田孜 〈民〉 ○<br /> 4区 後藤茂之 〈自〉 ×<br /> 5区 宮下一郎 〈自〉 ×<br /> 《岐阜》<br /> 1区 野田聖子 〈自〉 ○<br /> 2区 棚橋泰文 〈自〉 ×<br /> 3区 武藤容治 〈自〉 ○<br /> 4区 金子一義 〈自〉 ○<br /> 5区 古屋圭司 〈自〉 ○<br /> 《静岡》<br /> 1区 上川陽子 〈自〉 ×<br /> 2区 原田令嗣 〈自〉 ○<br /> 3区 柳沢伯夫 〈自〉 ○<br /> 4区 望月義夫 〈自〉 ×<br /> 5区 細野豪志 〈民〉 ×<br /> 6区 渡辺周 〈民〉 ×<br /> 7区 片山さつき 〈自〉 ○<br /> 8区 塩谷立 〈自〉 ×<br /> 《愛知》<br /> 2区 古川元久 〈民〉 ―<br /> 3区 近藤昭一 〈民〉 ×<br /> 4区 牧義夫 〈民〉 ○<br /> 5区 木村隆秀 〈自〉 ○<br /> 6区 丹羽秀樹 〈自〉 ×<br /> 7区 鈴木淳司 〈自〉 ○<br /> 8区 伊藤忠彦 〈自〉 ○<br /> 9区 海部俊樹 〈自〉 ○<br /> 10区 江崎鉄磨 〈自〉 ○<br /> 11区 古本伸一郎 〈民〉 ×<br /> 12区 杉浦正健 〈自〉 ○<br /> 13区 大村秀章 〈自〉 ○<br /> 14区 鈴木克昌 〈民〉 ×<br /> 15区 山本明彦 〈自〉 ○<br /> 《三重》<br /> 1区 川崎二郎 〈自〉 ○<br /> 2区 中川正春 〈民〉 ○<br /> 3区 岡田克也 〈民〉 ○<br /> 4区 田村憲久 〈自〉 ○<br /> 5区 三ツ矢憲生 〈自〉 ×<br /> 《滋賀》<br /> 1区 上野賢一郎 〈自〉 ○<br /> 2区 田島一成 〈民〉 ×<br /> 3区 三日月大造 〈民〉 ×<br /> 4区 岩永峯一 〈自〉 ○<br /> 《京都》<br /> 1区 伊吹文明 〈自〉 ×<br /> 2区 前原誠司 〈民〉 ×<br /> 3区 泉健太 〈民〉 ×<br /> 4区 中川泰宏 〈自〉 ○<br /> 5区 谷垣禎一 〈自〉 ×<br /> 6区 山井和則 〈民〉 ×<br /> 《大阪》<br /> 1区 中馬弘毅 〈自〉 ○<br /> 2区 川条志嘉 〈自〉 ―<br /> 3区 田端正広 〈公〉 ×<br /> 4区 中山泰秀 〈自〉 ×<br /> 5区 谷口隆義 〈公〉 ○<br /> 6区 福島豊 〈公〉 ○<br /> 7区 渡嘉敷奈緒美〈自〉 ○<br /> 8区 大塚高司 〈自〉 ○<br /> 9区 原田憲治 〈自〉 ○<br /> 10区 松浪健太 〈自〉 ○<br /> 11区 平野博文 〈民〉 ―<br /> 12区 北川知克 〈自〉 ○<br /> 13区 西野あきら 〈自〉 ×<br /> 14区 谷畑孝 〈自〉 ×<br /> 15区 竹本直一 〈自〉 ○<br /> 16区 北側一雄 〈公〉 ○<br /> 17区 岡下信子 〈自〉 ○<br /> 18区 中山太郎 〈自〉 ○<br /> 19区 長安豊 〈民〉 ○<br /> 《兵庫》<br /> 1区 盛山正仁 〈自〉 ○<br /> 2区 赤羽一嘉 〈公〉 ○<br /> 3区 関芳弘 〈自〉 ×<br /> 4区 井上喜一 〈自〉 ○<br /> 5区 谷公一 〈自〉 ○<br /> 6区 木挽司 〈自〉 ○<br /> 7区 大前繁雄 〈自〉 ○<br /> 8区 冬柴鉄三 〈公〉 ○<br /> 9区 西村康稔 〈自〉 ○<br /> 10区 渡海紀三朗 〈自〉 ○<br /> 11区 戸井田徹 〈自〉 ○<br /> 12区 河本三郎 〈自〉 ○<br /> 《奈良》<br /> 1区 馬淵澄夫 〈民〉 ○<br /> 2区 高市早苗 〈自〉 ○<br /> 3区 奥野信亮 〈自〉 ○<br /> 4区 田野瀬良太郎〈自〉 ○<br /> 《和歌山》<br /> 1区 谷本龍哉 〈自〉 ○<br /> 2区 石田真敏 〈自〉 ○<br /> 3区 二階俊博 〈自〉 ○<br /> 《鳥取》<br /> 1区 石破茂 〈自〉 ×<br /> 2区 赤沢亮正 〈自〉 ○<br /> 《島根》<br /> 1区 細田博之 〈自〉 ○<br /> 2区 竹下亘 〈自〉 ―<br /> 《岡山》<br /> 1区 逢沢一郎 〈自〉 ○<br /> 2区 津村啓介 〈民〉 ○<br /> 3区 平沼赳夫 〈無〉 ―<br /> 4区 柚木道義 〈民〉 ○<br /> 5区 村田吉隆 〈自〉 ○<br /> 《広島》<br /> 1区 岸田文雄 〈自〉 ○<br /> 2区 平口洋 〈自〉 ×<br /> 3区 河井克行 〈自〉 ○<br /> 4区 中川秀直 〈自〉 ○<br /> 5区 寺田稔 〈自〉 ×<br /> 6区 亀井静香 〈国〉 ―<br /> 7区 宮沢洋一 〈自〉 ○<br /> 《山口》<br /> 1区 高村正彦 〈自〉 ○<br /> 2区 平岡秀夫 〈民〉 ×<br /> 3区 河村建夫 〈自〉 ○<br /> 4区 安倍晋三 〈自〉 ―<br /> 《徳島》<br /> 1区 仙谷由人 〈民〉 ○<br /> 2区 山口俊一 〈自〉 ○<br /> 3区 後藤田正純 〈自〉 ―<br /> 《香川》<br /> 1区 平井卓也 〈自〉 ○<br /> 2区 木村義雄 〈自〉 ○<br /> 3区 大野功統 〈自〉 ○<br /> 《愛媛》<br /> 1区 塩崎恭久 〈自〉 ○<br /> 2区 村上誠一郎 〈自〉 ×<br /> 3区 小野晋也 〈自〉 ○<br /> 4区 山本公一 〈自〉 ×<br /> 《高知》<br /> 1区 福井照 〈自〉 ×<br /> 2区 中谷元 〈自〉 ○<br /> 3区 山本有二 〈自〉 ×<br /> 《福岡》<br /> 1区 松本龍 〈民〉 ○<br /> 2区 山崎拓 〈自〉 ―<br /> 3区 太田誠一 〈自〉 ×<br /> 4区 渡辺具能 〈自〉 ○<br /> 5区 原田義昭 〈自〉 ○<br /> 6区 鳩山邦夫 〈自〉 ○<br /> 7区 古賀誠 〈自〉 ―<br /> 8区 麻生太郎 〈自〉 ×<br /> 9区 三原朝彦 〈自〉 ○<br /> 10区 西川京子 〈自〉 ×<br /> 11区 武田良太 〈自〉 ―<br /> 《佐賀》<br /> 1区 福岡資麿 〈自〉 ○<br /> 2区 今村雅弘 〈自〉 ×<br /> 3区 保利耕輔 〈自〉 ―<br /> 《長崎》<br /> 1区 高木義明 〈民〉 ×<br /> 2区 久間章生 〈自〉 ○<br /> 3区 谷川弥一 〈自〉 ○<br /> 4区 北村誠吾 〈自〉 ×<br /> 《熊本》<br /> 1区 松野頼久 〈民〉 ○<br /> 2区 野田毅 〈自〉 ○<br /> 3区 坂本哲志 〈自〉 ○<br /> 4区 園田博之 〈自〉 ○<br /> 5区 金子恭之 〈自〉 ○<br /> 《大分》<br /> 1区 吉良州司 〈民〉 ○<br /> 2区 衛藤征士郎 〈自〉 ○<br /> 3区 岩屋毅 〈自〉 ○<br /> 《宮崎》<br /> 1区 中山成彬 〈自〉 ―<br /> 2区 江藤拓 〈自〉 ×<br /> 3区 古川禎久 〈自〉 ○<br /> 《鹿児島》<br /> 1区 保岡興治 〈自〉 ○<br /> 2区 徳田毅 〈自〉 ○<br /> 3区 宮路和明 〈自〉 ×<br /> 4区 小里泰弘 〈自〉 ×<br /> 5区 森山裕 〈自〉 ○<br /> 《沖縄》<br /> 1区 下地幹郎 〈国〉 ―<br /> 2区 照屋寛徳 〈社〉 ×<br /> 3区 嘉数知賢 〈自〉 ×<br /> 4区 西銘恒三郎 〈自〉 ○</p> <p>◆比例区選出<br /> 《北海道》<br /> 飯島夕雁 〈自〉 ○<br /> 今津寛 〈自〉 ○<br /> 吉川貴盛 〈自〉 ○<br /> 石川知裕 〈民〉 ○<br /> 逢坂誠二 〈民〉 ○<br /> 松木謙公 〈民〉 ×<br /> 丸谷佳織 〈公〉 ×<br /> 鈴木宗男 〈国〉 ○<br /> 《東北》<br /> 坂本剛二 〈自〉 ×<br /> 佐藤剛男 〈自〉 ×<br /> 玉沢徳一郎 〈自〉 ○<br /> 中野正志 〈自〉 ○<br /> 二田孝治 〈自〉 ×<br /> 渡部篤 〈自〉 ○<br /> 郡和子 〈民〉 ×<br /> 近藤洋介 〈民〉 ○<br /> 田名部匡代 〈民〉 ×<br /> 横山北斗 〈民〉 ―<br /> 吉田泉 〈民〉 ×<br /> 井上義久 〈公〉 ×<br /> 高橋千鶴子 〈共〉 ―<br /> 菅野哲雄 〈社〉 ×<br /> 《北関東》<br /> 大高松男 〈自〉 ○<br /> 岡部英明 〈自〉 ×<br /> 尾身幸次 〈自〉 ○<br /> 金子善次郎 〈自〉 ○<br /> 永岡桂子 〈自〉 ○<br /> 中根一幸 〈自〉 ―<br /> 並木正芳 〈自〉 ―<br /> 西川公也 〈自〉 ×<br /> 牧原秀樹 〈自〉 ○<br /> 石関貴史 〈民〉 ○<br /> 小宮山泰子 〈民〉 ×<br /> 神風英男 〈民〉 ○<br /> 高山智司 〈民〉 ○<br /> 福田昭夫 〈民〉 ×<br /> 細川律夫 〈民〉 ×<br /> 山岡賢次 〈民〉 ○<br /> 石井啓一 〈公〉 ×<br /> 遠藤乙彦 〈公〉 ×<br /> 塩川鉄也 〈共〉 ―<br /> 日森文尋 〈社〉 ×<br /> 《南関東》<br /> 赤池誠章 〈自〉 ―<br /> 浮島敏男 〈自〉 ○<br /> 江崎洋一郎 〈自〉 ○<br /> 近江屋信広 〈自〉 ○<br /> 小野次郎 〈自〉 ○<br /> 杉村太蔵 〈自〉 ○<br /> 鈴木馨祐 〈自〉 ×<br /> 長崎幸太郎 〈自〉 ○<br /> 福田峰之 〈自〉 ○<br /> 藤田幹雄 〈自〉 ○<br /> 池田元久 〈民〉 ×<br /> 岩國哲人 〈民〉 ×<br /> 内山晃 〈民〉 ○<br /> 後藤斎 〈民〉 ×<br /> 田嶋要 〈民〉 ○<br /> 藤井裕久 〈民〉 ×<br /> 笠浩史 〈民〉 ×<br /> 谷口和史 〈公〉 ○<br /> 富田茂之 〈公〉 ×<br /> 古屋範子 〈公〉 ×<br /> 志位和夫 〈共〉 ―<br /> 阿部知子 〈社〉 ×<br /> 《東京》<br /> 愛知和男 〈自〉 ○<br /> 猪口邦子 〈自〉 ○<br /> 大塚拓 〈自〉 ○<br /> 清水清一朗 〈自〉 ○<br /> 土屋正忠 〈自〉 ×<br /> 安井潤一郎 〈自〉 ○<br /> 若宮健嗣 〈自〉 ×<br /> 加藤公一 〈民〉 ×<br /> 小宮山洋子 〈民〉 ○<br /> 末松義規 〈民〉 ×<br /> 長島昭久 〈民〉 ○<br /> 長妻昭 〈民〉 ×<br /> 松原仁 〈民〉 ○<br /> 高木美智代 〈公〉 ×<br /> 高木陽介 〈公〉 ×<br /> 笠井亮 〈共〉 ―<br /> 保坂展人 〈社〉 ×<br /> 《北陸信越》<br /> 瓦力 〈自〉 ○<br /> 高鳥修一 〈自〉 ×<br /> 長島忠美 〈自〉 ○<br /> 萩山教厳 〈自〉 ○<br /> 吉田六左エ門〈自〉 ○<br /> 笹木竜三 〈民〉 ×<br /> 篠原孝 〈民〉 ×<br /> 村井宗明 〈民〉 ○<br /> 鷲尾英一郎 〈民〉 ―<br /> 漆原良夫 〈公〉 ×<br /> 糸川正晃 〈国〉 ―<br /> 《東海》<br /> 倉田雅年 〈自〉 ○<br /> 斉藤斗志二 〈自〉 ―<br /> 佐藤ゆかり 〈自〉 ○<br /> 篠田陽介 〈自〉 ○<br /> 杉田元司 〈自〉 ○<br /> 土井真樹 〈自〉 ×<br /> 平田耕一 〈自〉 ×<br /> 藤野真紀子 〈自〉 ○<br /> 馬渡龍治 〈自〉 ○<br /> 赤松広隆 〈民〉 ○<br /> 岡本充功 〈民〉 ×<br /> 園田康博 〈民〉 ×<br /> 田村謙治 〈民〉 ○<br /> 中井洽 〈民〉 ○<br /> 伴野豊 〈民〉 ×<br /> 森本哲生 〈民〉 ×<br /> 伊藤渉 〈公〉 ○<br /> 大口善徳 〈公〉 ×<br /> 坂口力 〈公〉 ○<br /> 佐々木憲昭 〈共〉 ―<br /> 前田雄吉 〈無〉 ○<br /> 《近畿》<br /> 井沢京子 〈自〉 ×<br /> 泉原保二 〈自〉 ○<br /> 井脇ノブ子 〈自〉 ○<br /> 宇野治 〈自〉 ○<br /> 近藤三津枝 〈自〉 ○<br /> 清水鴻一郎 〈自〉 ○<br /> 藤井勇治 〈自〉 ○<br /> 松浪健四郎 〈自〉 ○<br /> 柳本卓治 〈自〉 ○<br /> 矢野隆司 〈自〉 ○<br /> 山本朋広 〈自〉 ―<br /> 市村浩一郎 〈民〉 ○<br /> 奥村展三 〈民〉 ×<br /> 川端達夫 〈民〉 ○<br /> 北神圭朗 〈民〉 ×<br /> 土肥隆一 〈民〉 ○<br /> 藤村修 〈民〉 ×<br /> 松本剛明 〈民〉 ×<br /> 山口壮 〈民〉 ○<br /> 赤松正雄 〈公〉 ×<br /> 池坊保子 〈公〉 ○<br /> 佐藤茂樹 〈公〉 ×<br /> 西博義 〈公〉 ×<br /> 石井郁子 〈共〉 ―<br /> 穀田恵二 〈共〉 ―<br /> 吉井英勝 〈共〉 ―<br /> 辻元清美 〈社〉 ×<br /> 滝実 〈無〉 ○<br /> 西村真悟 〈無〉 ○<br /> 《中国》<br /> 阿部俊子 〈自〉 ×<br /> 加藤勝信 〈自〉 ○<br /> 萩原誠司 〈自〉 ×<br /> 橋本岳 〈自〉 ○<br /> 増原義剛 〈自〉 ―<br /> 松本大輔 〈民〉 ×<br /> 三谷光男 〈民〉 ×<br /> 和田隆志 〈民〉 ×<br /> 斉藤鉄夫 〈公〉 ×<br /> 桝屋敬悟 〈公〉 ○<br /> 亀井久興 〈国〉 ―<br /> 《四国》<br /> 岡本芳郎 〈自〉 ○<br /> 七条明 〈自〉 ×<br /> 西本勝子 〈自〉 ○<br /> 小川淳也 〈民〉 ×<br /> 高井美穂 〈民〉 ×<br /> 石田祝稔 〈公〉 ○<br /> 《九州》<br /> 安次富修 〈自〉 ○<br /> 遠藤宣彦 〈自〉 ○<br /> 木原稔 〈自〉 ○<br /> 佐藤錬 〈自〉 ○<br /> 冨岡勉 〈自〉 ○<br /> 仲村正治 〈自〉 ○<br /> 林田彪 〈自〉 ×<br /> 広津素子 〈自〉 ×<br /> 山本幸三 〈自〉 ×<br /> 大串博志 〈民〉 ×<br /> 川内博史 〈民〉 ×<br /> 楠田大蔵 〈民〉 ×<br /> 古賀一成 〈民〉 ×<br /> 原口一博 〈民〉 ×<br /> 山田正彦 〈民〉 ×<br /> 横光克彦 〈民〉 ×<br /> 江田康幸 〈公〉 ○<br /> 神崎武法 〈公〉 ×<br /> 東順治 〈公〉 ×<br /> 赤嶺政賢 〈共〉 ―<br /> 重野安正 〈社〉 ×</p> 2012-08-26T14:23:20+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/voHATkeGfar tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/voHATkeGfar#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/voHATkeGfar 公明・太田代表「濃密に論議を」 臓器移植法改正案(2009年06月19日) <p>004382009年06月19日夕刊2総合01200170文字公明党の太田代表は19日の記者会見で、衆院通過した臓器移植法改正案について「会期末まで時間がある。できるだけ濃密に論議して国民の期待に応えることが大事だ」と述べ、7月28日までの今国会での成立を強く主張した。公明党は衆院解散を東京都議選(7月12日投開票)以降に先送りするよう求めており、参院審議に十分時間を割くことに期待を示した発言だ。</p> 2012-08-26T14:22:40+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/Vd0GutZUz1k tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/Vd0GutZUz1k#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/Vd0GutZUz1k 改正移植法審議、参院で来週から(2009年06月19日) <p>004392009年06月19日夕刊2総合01200295文字臓器移植法改正案が来週、参院で審議入りする見通しとなった。民主党幹部が、19日の参院議員総会で明らかにした。衆院で可決された臓器提供を増やすため「脳死は人の死」とする案(A案)と、臓器移植に慎重な参院の有志議員らの独自案が並行して審議されるとみられる。両案は24日か26日の参院本会議で趣旨説明の予定。民主党の輿石東参院議員会長は19日の議員総会で「きちんと議論し一つの方向性を出さなければいけない」と述べた。<br /> 独自案は民主、社民両党の議員が中心になって検討。A案は臓器提供者の年齢制限を撤廃するが、独自案では子どもからの提供の可否を有識者が検討する「こども脳死臨調」の設置を盛る方向だ。</p> 2012-08-26T14:22:02+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/LVfKAMPs4yg tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/LVfKAMPs4yg#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/LVfKAMPs4yg 臓器移植法改正4案、きょう採決(2009年06月18日) <p>004402009年06月18日朝刊政策総合00601101臓器移植法の4改正案が18日の衆院本会議で採決される。臓器提供拡大に道を開く「脳死を人の死」とする抜本改正案には慎重論も根強い。多くの政党が「個人の死生観にかかわる」として党議拘束をかけない。いずれの案も可決のめどは立っておらず、否決、廃案となる可能性もある。<br /> 衆院議院運営委員会は17日の理事会で、臓器移植法改正4案の採決について、「A→B→C→D」案の提出順で行うことを決めた。ただ、否決後に廃案にするかどうかの取り扱いは結論が出ず、18日の採決ぎりぎりまで調整することになった。<br /> 有効投票総数の過半数の賛成を得た案が出ると、残りの案は採決せず、廃案になる。逆にA~C案が否決されれば、残りのD案が有利になるとの批判もA案提出者などから出ている。<br /> 衆院議運委では、衆院規則147条を根拠に、全案が否決された場合に「廃案にしない」と議決し、厚生労働委に差し戻して審議を続ける案を検討している。厚労委で新たな案を作り直す可能性もあるが、調整は難航しそうだ。</p> <p>●参院で独自案 提出の動きも<br /> 臓器移植法改正をめぐり、参院の民主、社民両党を中心とした有志議員が17日、衆院で改正4案のいずれかが可決されて参院に送られた場合、参院独自の案を提出する考えを明らかにした。<br /> 独自案の提出予定者は、民主党の円より子、森ゆうこ両氏ら移植医療の要件緩和に慎重なC案支持の議員。C案の一部を修正し、子どもからの臓器提供のあり方を有識者で検討する「こども脳死臨調」の設置を求める内容を盛り込む方針。</p> <p>◆各案提出者それぞれの訴え<br /> 採決を前に各案の提出者の主張を聞いた。<br /> 脳死を一律に人の死とするA案の山内康一氏(自民)は「A案では、提供の意思を記したカードがない時も家族の承諾で提供でき、臓器提供は増える。現在は移植が必要な患者は毎年、数千人亡くなっている」と訴えた。<br /> 提供できる年齢を15歳以上から12歳以上に引き下げるB案の石井啓一氏(公明)は「脳死は人の死でなく、臓器提供は本人の自己決定が必要だ」。虐待対策や小児の脳死判定基準の検証などを進める必要性を指摘した。<br /> C案は脳死の定義を厳格化する。阿部知子氏(社民)は「臓器提供数が少ないから法改正というのはおかしい。国民の意見を聞く場を設けるべきだ。C案は脳死の原因疾患の確定や治療を尽くすことを脳死判定の要件に加えた」と強調した。<br /> 根本匠氏(自民)は15歳未満の人から家族の同意などで提供できるようにするD案を出した。「基本は本人意思を尊重する現行法の精神。子どもは意思を示す能力がなく、人格形成に責任と義務を持つ親が判断する」。大人からの提供を増やすことも目指す。</p> 2012-08-26T14:21:32+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/DgPoegmkDc9 tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/DgPoegmkDc9#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/DgPoegmkDc9 臓器移植法改正、見えぬ機運 「今国会で」全体の2割(2009年06月03日) <p>004602009年06月03日朝刊2社会03000966文字衆参両院の全議員を対象とした朝日新聞のアンケートでは、今国会で臓器移植法を改正すべきだと答えた議員は回答者の64%に上った。その6割以上がA案を支持する議員たち。だが、今国会で改正すべきだとの立場を明確にした議員は全議員の中では21%にとどまる。改正への機運の盛り上がりは読み取れない。=1面参照<br /> 改正が必要な理由(複数回答)としては、「15歳未満の子どもから脳死下の提供ができない」(44%)、「提供者が少ない」(40%)を選んだ議員が多く、国内で移植が広がらない現状を問題とみている人が多い。海外で移植を受けようとすることに「国際的な批判がある」ということを理由に挙げる人も35%いた。<br /> 今国会で改正すべきでないと答えたのは11%。その7割弱はC案を支持した。<br /> アンケートでは、各案への賛否のほかに、大きな論点になっている脳死の問題や本人の意思表示が必要かどうかについても尋ねた。<br /> 「脳死は人の死と改めるべきだ」と答えたのは27%にとどまった。「脳死は一律に死」を掲げるA案の賛成者でみると、「脳死は人の死」を選んだ人が60%いたが、「現行法通り臓器提供の場合に限り人の死」を選んだ人が23%いた。A案とD案(15歳未満)の提供条件になっている「家族の同意があれば、本人の意思表示は不要」は賛成32%だった。<br /> A~C案に賛同できない人を取り込もうと衆院厚生労働委員会の理事らが作った折衷案、D案の支持は27%と伸び悩んでいる。</p> <p>■各案支持者の意見<br /> A案(44%) B案(5%) C案(13%) D案(27%) 回答者全体<br /> 今国会中に改正を<br /> 92% 100% 23% 86% 64%<br /> 改正が必要なのは提供者が少ないから<br /> 68% 50% 0% 57% 40%<br /> 改正が必要なのは脳死に疑問が生じているから<br /> 5% 8% 37% 5% 8%<br /> 「脳死は人の死」とすべきだ<br /> 60% 8% 0% 29% 27%<br /> 0歳から提供できるようにすべきだ<br /> 78% 17% 3% 84% 45%<br /> (かっこ内は回答者の割合。支持者は、各案を「最も支持する」「賛成する可能性がある」と答えた議員の合計)</p> 2012-08-26T14:20:51+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/O3R11KMlUrx tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/O3R11KMlUrx#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/O3R11KMlUrx 賛否不明が7割、支持最多はA案 臓器移植、国会議員アンケート(2009年06月03日) <p>004592009年06月03日朝刊1総合00100509文字臓器移植法の四つの改正案をめぐり、朝日新聞は衆参両院の全議員を対象にアンケートをした。回答を寄せた3割超の議員のうちでは、脳死を「一律に人の死」として提供者の増加を目指すA案が最も多い支持を集めた。だが、全議員の7割近くが回答せず、回答者の中でも「わからない・検討中」が2割超を占めたため、全体では4人に3人の賛否が不明だ。採決になればこうした議員らの動向が結果を左右しそうだ。=30面に関係記事<br /> 全議員720人に5月に書面で質問。衆院170人、参院60人の計230人(32%)が回答した。衆院本会議の採決に向け、複数の案に投票できる方式が検討されており、「最も支持する案」と「賛成する可能性のある案」を尋ねた。<br /> 「最も支持」と「賛成する可能性」を合わせ、A案を選んだのは44%。現行法では、本人が提供に同意する意思をあらかじめ記した書面が必要だが、A案は本人が拒んでいなければ家族の同意で提供できる。<br /> D案は現在は提供できない15歳未満の子から親の同意で提供できるようにする。27%の支持を集めた。脳死の条件を厳しくするC案は13%、提供できる年齢を12歳以上に下げるB案は5%。どれも支持しない人は4%だった。</p> 2012-08-26T14:20:17+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/nmcztKNTsLP tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/nmcztKNTsLP#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/nmcztKNTsLP 臓器移植法改正、9日に中間報告(2009年06月04日) <p>004582009年06月04日夕刊2総合01200182文字与野党は4日の衆院議院運営委員会理事会で衆院厚生労働委員会で審議中の四つの臓器移植法改正案について、9日の衆院本会議で中間報告を行うことで合意した。4案についての審議状況を報告することで国会議員の関心を高める狙いがある。与党は一定の期間を置いた後、月内の採決をめざす。ただ、ほとんどの政党が党議拘束をかけない上、A~Dの4案はいずれも過半数のめどは立っていない。</p> 2012-08-26T14:19:41+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/PrC3ZKprAea tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/PrC3ZKprAea#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/PrC3ZKprAea 臓器移植法改正案、衆院で中間報告(2009年06月09日) <p>004532009年06月09日夕刊2総合00800422衆院は9日午後の本会議で、四つの案が提出されている臓器移植法改正案について、衆院厚生労働委員会での審議の中間報告をした。委員会での審議を打ち切り、委員会採決を省略する手続きだ。大半の政党が党議拘束をかけない方向であることを踏まえ、本会議で各議員が態度を示すべきだ、などの理由からで、与党は16日にも衆院本会議で各案を採決する方針。だが、民主党はさらなる審議を求めている。9日の本会議では、厚労委の田村憲久委員長(自民)が審議の経過について報告をした後、「A案→B案→C案→D案」の順に各案提出者が意見を表明する。いずれも過半数を得る見通しは立っていない。<br /> 四つの案のうち、A案は、原則「脳死は人の死」と法で定め、臓器提供の年齢制限(現行法で15歳以上)を撤廃する▽B案は、臓器提供可能な年齢を12歳以上に引き下げる▽C案は、脳死判定の厳格化や生体移植のルール化を定める▽D案は、15歳未満は家族の承諾、第三者機関の確認で臓器提供を可能にする。</p> 2012-08-26T14:19:09+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/PtnRS7YylpH tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/PtnRS7YylpH#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/PtnRS7YylpH 虐待児の脳死、どう察知 チェック組織わずか 臓器移植法改正審議(2009年06月10日) <p>004522009年06月10日朝刊3総合00301168文字臓器移植法改正審議で、親の虐待を受けて脳死になった子どもや配偶者から暴力を受けた人から、きちんとした犯罪捜査がないまま臓器が摘出されることをどう防ぐかが論点となっている。臓器提供を増やし、事実上道が閉ざされている小児の脳死移植も実現するため、遺族の承諾だけで摘出できるようにする改正案が提出されているからだ。(編集委員・出河雅彦)</p> <p>子どもを虐待した親はうそをつくことが多く、医療機関が見抜くのは簡単ではない。<br /> 日本小児科学会が04年に学会認定施設などを対象に行った調査では、身体的虐待が疑われた子どものうち、脳死または重度の障害を残したのは129人。うち19例は虐待の確定に7日以上かかった。<br /> 杏林大の佐藤喜宣教授(法医学)が今年、法医学、歯科法医学教室がある85大学に尋ねたところ、答えた59大学のうち、虐待に対応する委員会が付属病院にあるのは8カ所だけだった。佐藤教授は「診療報酬でカバーするなどしないと、仕組みを整える医療機関は増えない」と指摘する。<br /> 犯罪捜査に重要な死因究明制度の整備も遅れている。<br /> 08年までの提供者76人のうち病気での脳死(内因死)は50人、頭部外傷などによる脳死(外因死)は26人だった。<br /> 外因死には(1)明らかな犯罪死(2)犯罪死の疑いのある変死体(3)明らかな非犯罪死の三つがある。臓器提供のケースでは、警察は法的脳死判定後に実況見分<(1)>や検視<(2)>、死体見分<(3)>をする。警察庁の資料によると、05年以降、実況見分3件(交通事故)、検視17件、死体見分3件が行われた。検視は6~61分とばらつきがあり、平均約29分。死体見分は同約15分、実況見分は同約24分だった。<br /> 臓器移植法によれば、犯罪捜査手続きが必要な場合は、それが終わらないと臓器を摘出できない。司法解剖が必要なケースでは、移植のために心臓を摘出できないことになる。司法解剖は心停止後に行われるからだ。<br /> 警察庁は、97年の都道府県警への通知で、脳死からの臓器提供が予定されている人に検視などをする場合、解剖が必要かどうかの判断を「迅速かつ的確に行う」よう求めている。教育を受けた検視官が検視を担当するが、検視には死因究明の点で限界がある。法医学者らの間には「死因が不明な事例は、臓器摘出後でも解剖を行えるようにすべきだ」との意見がくすぶる。<br /> 厚生労働省の検証会議は、救命治療や脳死判定が適正に行われたかチェックしているが、臓器摘出を控えて、検視などがおろそかになっていないかまでは検証していない。<br /> 日本では、解剖率が低いため、事件・事故の被害者が病死と判断されることがある。死因の誤りは被害者の尊厳を揺るがし、事故などの再発防止を妨げる。移植法と合わせて死因究明制度の整備を議論すべきだろう。</p> <p>【図】<br /> 臓器提供に至る手続きの例</p> 2012-08-26T14:18:35+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/YF6Ibrzig9c tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/YF6Ibrzig9c#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/YF6Ibrzig9c 本会議否決なら差し戻しも 臓器移植法改正、廃案回避を検討(2009年06月10日) <p>004512009年06月10日朝刊政策総合00600330文字衆院議院運営委員会(小坂憲次委員長)は9日、理事会を開き、与党が改めて16日の衆院本会議で四つの臓器移植法改正案を採決することを求めたが、民主党は「野党の中には『議決は時期尚早』との意見がある。ただちに決めるわけにいかない」と慎重な姿勢を示した。<br /> 与党は、「A案→B案→C案→D案」の提出順に採決する方向で調整。ただ、現段階では、有力なA案、D案も含め4案のいずれも過半数の賛成に達しない公算が大きい。<br /> このため議運委では、すべての案が本会議で否決されても「廃案にしない」と議決し、厚生労働委に差し戻して審議を続けさせる案を検討。小坂氏は根拠となる衆院規則を理事会で説明、「(差し戻し)案をもし使う場合は、本会議で議決する段取りをしないといけない」と述べた。</p> 2012-08-26T14:17:54+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/bG8ml3jLmSN tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/bG8ml3jLmSN#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/bG8ml3jLmSN (私の視点)臓器移植法改正 人道的精神問い直す条文に 朝倉あさみ(2009年06月11日) <p>004502009年06月11日朝刊オピニオン101901138文字臓器移植法の改正4法案が、今国会の衆院本会議で採決されようとしている。改正の焦点は15歳未満からの臓器提供の可否だが、この論議のほかに、1958年の角膜移植法成立以来、全く触れられてこなかった問題について提起します。<br /> 19年前、当時10歳の長男が交通事故で脳死宣告を受け、心停止後、本人の意思でなく角膜を提供した。この7年後、アイバンク支援活動に携わる中で、臓器移植法の「基本的理念」を掲げた第2条の3項に疑念を抱くようになった。<br /> 条文には「臓器の移植は、移植術に使用されるための臓器が人道的精神に基づいて提供されるものであることにかんがみ、移植術を必要とする者に対して適切に行われなければならない」とあるが、人道的精神は提供者のみに存在し求められるものなのだろうか。<br /> 40年以上も、厳しい財政難の中、アイバンク活動を支えてきた方たちの「角膜移植を待つ方たちのために」の熱意も、人道的精神に基づくものではないのだろうか。<br /> また、私は提供を受けた方たちの感謝の声や、その後の人生観などを聴き、胸熱く涙したが、この方たちの精神もまた人道的精神といえないだろうか。<br /> その一方で、移植数を増すことにのみ熱心で生命倫理観の疑わしい関係者や、「提供を受けるのは当然のこと」と思う人にも会い、深く考えこんでしまった。そんな中、梅原猛編「『脳死』と臓器移植」(朝日文庫)に収められた藤井正雄氏の「生活仏教の立場から」によって、こうした人のありさまは、臓器移植がモノとモノとのやりとりとなっている状況を示すものであり、それらは人の尊厳、善意を損なうものだと気づかされた。<br /> さらに、自身の人道的精神を問えば、どなたかのお役に立つように、の願いとともに、親のエゴイズムもあったことを、曽野綾子氏の次の一文で思い知らされた。<br /> 「臓器提供者の中に自分の愛する者の命の『断片』なりを誰かの体を借りて生かしておきたい、という思想のあることもわかった。(中略)こういう利用法は非礼である」(「新潮45」91年9月号「夜明けの新聞の匂(にお)い」)<br /> 本当の善意、人道的精神とは本人の意思を家族が尊重し、提供されることだ、という思いに至った。<br /> 臓器移植法の基本的理念に「臓器の移植は臓器提供者、臓器の提供を受ける者、それらを仲介する者、この三者の人道的精神に基づいて行われるものである」と明記されれば、臓器移植についての理解が進み、尊重されるのではないだろうか。<br /> 臓器移植は尊厳ある個人と個人のやりとりだと思う。どの立場に立とうとも、法制度への信頼ができる選択をしたい。<br /> そのためにも、すべての人の内にある人道的精神の解釈が、次の国会において深く審議されることを希望します。<br /> (あさくらあさみ 自営業、パート)</p> 2012-08-26T14:17:18+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/iAOPKhUA7YF tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/iAOPKhUA7YF#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/iAOPKhUA7YF 政策ウオッチ)臓器移植法改正 放置9年、速く…だが熟慮を(2009年06月11日) <p>004492009年06月11日朝刊政策総合00700447文字朝日新聞が5月に実施した臓器移植法改正を巡る国会議員アンケートの回答率は32%と低かった。議員会館を回ったら、ある議員は質問用紙を手にうなった。「考えている。もう少し待てないか」<br /> 低い回答率は悩む議員の多さの裏返しだろう。党議拘束をかけず議員個人が賛否に責任を負う特殊な議題。「脳死は人の死か」との重い哲学的判断まで要求される。<br /> 国内で移植を受けられず死亡する人は心臓病だけで年に数百人。どの国も提供が少ない。日本人が海外で移植を受ければその分、移植でしか助からない現地の患者の機会を奪う。世界保健機関(WHO)幹部がくれたメモには「他国での移植はすべて(撲滅すべき)移植ツーリズム」とあった。<br /> 「脳死は一律に死」という考え方に立てば、臓器提供できる人の範囲は増す。ただ、脳死は、体も温かい、見慣れぬ「死」だ。それとの向き合い方を提示する四つの法改正案に、悩むのは当然だ。<br /> 97年施行の現行法にある3年後の見直し規定は、放置されもう9年。速やかに、だが熟慮して、結論を出すべきだ。(長野剛)</p> 2012-08-26T14:11:02+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/8YlF6960hmJ tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/8YlF6960hmJ#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/8YlF6960hmJ 移植法改正に日医慎重(2009年06月12日) <p>004482009年06月12日朝刊3社会03700207文字日本医師会(日医)は11日、自民党が開いた臓器移植法の勉強会で「『脳死を人の死と定義して良いのか』など、国民的にも十分議論を尽くしていない重要な課題が多い」として、拙速な法改正は慎むべきだとの見解を明らかにした。<br /> 日医は07年5月、「本人が意思表示をしていない場合は、年齢にかかわらず遺族の書面による承諾で臓器提供が可能になるような法の改正を要望する」として、国会に提出されている改正A案に近い見解を出していた。</p> 2012-08-26T14:10:28+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/062AyMzKluZ tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/062AyMzKluZ#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/062AyMzKluZ 見切り採決に「訳あり」 「不作為」回避、決断迫る 臓器移植法案(2009年06月13日) <p>004462009年06月13日朝刊政治00401709文字臓器移植法改正案をめぐる四つの法案について、与党は18日にも衆院本会議で採決に踏み切る。生命や倫理にかかわる重要法案なのに国会での合意形成はなおざりで、どの案も過半数を得るめどが立っていない。それにもかかわらず見切り発車しようとするのはなぜか。(園田耕司、南彰)</p> <p>「私たちはいずれかの案に投票しないといけない。どの案に投票すればよいのか教えて欲しい」。11日、自民党本部で開かれた臓器移植に関する勉強会。ある閣僚経験者は日本医師会や日弁連など関係団体を前にこう訴えた。<br /> 朝日新聞が実施した国会議員アンケートで7割近くが無回答。回答者でも2割超が「わからない・検討中」だった。党執行部は「どの案がいいと決められる状況を作る」(細田博之幹事長)ために勉強会を企画したが、この日最後まで残った議員は10人程度だった。<br /> 臓器移植問題は、国会議員一人ひとりの死生観が問われる。議論が未成熟なのに、与党はなぜ採決を急ぐのか。<br /> 採決を後押しするのは「国会の不作為」(大島理森国対委員長)論だ。現行法には3年めどの見直し規定があるが、97年の施行以来一度も見直しされていない。世界保健機関(WHO)が5月に渡航移植を規制する方針を決議する動きが出たことで改正の動きが出てきた。多少強引と言われても採決日の線を引き、議員に「結論を出さなければいけない」という心理状況を作りだし、決断を促そうとしたわけだ。<br /> 衆院厚生労働委員会での審議はほとんどの政党が党議拘束をかけず、各国会議員が政党の枠を超えて討論するのは、新たな議会活性化のモデルになるとも見られていた。だが法制定時の97年には26時間の審議を積み重ねたが、今回は8時間で打ち切られた。<br /> 「選挙後にはたくさん法案が出て、2、3年先になってしまう」(A案提出の冨岡勉衆院議員)と提出者は焦る。自民党国対幹部は「採決は中間報告から間を置かない方がよい。地元に帰る回数が増えれば意見を言われて判断が揺らぎ、棄権が増える」と「見切り採決」の本音を漏らした。</p> <p>●解散圧力封じる材料?<br /> 「A案が否決になったら国会を批判するべきだ。その際はすべてを廃案にするのが正しい」。A案提出者の河野太郎衆院議員は12日付のメルマガでぶちまけた。死生観が絡むだけに、妥協は難しい。<br /> 自民党国会対策委は当初、A案とC案を一つにまとめるための折衷案としてD案作成を後押ししたが、結果的に選択肢は3案から4案に増えただけ。妥協のめどは立たず、採決しても、有力なA案、D案ですら過半数の賛成を得る見通しは立っていない。<br /> 改正の機運を後押ししたWHOの渡航移植規制は5月に延期が決まった。にもかかわらず、今国会での採決を急ぐ背景には、引退を表明している河野洋平衆院議長の存在がある。河野氏は自ら生体肝移植を受けた経験があり、水面下で与党幹部に「立法府の責任としてぜひやってくれ」と働きかけてきた。与党側も、唯一首相になれなかった「元自民党総裁」へのはなむけにしたいとの思惑がにじむ。<br /> 政局的な思惑も見え隠れする。7月末までの延長国会で野党が審議に協力し重要法案が早期に成立すれば、「政治空白」が生まれ、党内外からの首相への解散圧力が強まりかねない。臓器移植法改正案の採決に踏み切れば終盤国会のテーマにでき、解散の選択肢も広がるというわけだ。<br /> 採決方法も定まらない。10日の与党幹部会合で、自民党の保利耕輔政調会長が4案を採決にかけて最下位の案を順々に落とす「五輪候補地の選考方式」を主張。ただ決選投票的な方針はなじまないため「A→B→C→D」と提出順に採決する方法が有力だ。<br /> 衆院議運委では、全案が否決されても「廃案にしない」と議決し、厚生労働委に差し戻して審議を続ける案を検討している。だが「戦後は一度もない」(衆院事務局)という手法を用いることには与党内にも抵抗感がある。<br /> 与党はすべてが廃案になることも覚悟し本会議での採決に突っ込む構え。ある自民党幹部は語る。「成立できなければそれが今の日本の民主主義のあり様だ。選挙後の国会で成立を目指していけばいい」</p> <p>【図】<br /> 4つの臓器移植法改正案の考え方の違いと主な賛成者</p> 2012-08-26T14:09:51+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/hC2sv28PWMm tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/hC2sv28PWMm#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/hC2sv28PWMm 改正移植法案、18日採決 共産は棄権へ(2009年06月16日) <p>004452009年06月16日朝刊政治政策00400251文字 自民、民主両党の国会対策委員長は15日の会談で、臓器移植法改正案について、18日の衆院本会議で採決することで合意した。与党は当初、16日の本会議での討論と合わせて採決することを要求していたが、民主党が19日採決を要求。最終的に「しゃにむに突っ込むテーマではない」(自民党国対幹部)として、18日の採決で合意した。採決方法は、A案→B案→C案→D案の提出順とする方向で調整している。<br /> 一方、共産党は15日の衆院議院運営委員会理事会で、「今国会での採決は時期尚早」と主張し、棄権する方針を明らかにした。</p> 2012-08-26T14:08:42+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/IWwT7wxiBXr tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/IWwT7wxiBXr#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/IWwT7wxiBXr 臓器移植法改正巡り、作家・渡辺淳一さんら議論 東京でシンポジウム(2009年06月17日) <p>004442009年06月17日朝刊生活102700519臓器移植法の改正案の採決を前に、脳死や死を法律でどう扱うかをめぐるシンポジウム(東京財団主催)が国会内で開かれた。作家の渡辺淳一氏ら4人のパネリストが国会議員を前に議論した。<br /> 渡辺氏は札幌医大を卒業し、整形外科医として勤務していた1968年、同大教授による国内初の心臓移植、いわゆる和田移植に遭遇した。教授は殺人容疑で刑事告発され、不起訴処分となった。<br /> 渡辺氏は「画期的な手術で素晴らしいと思っていたが、いろいろ話を聞くうちに脳死判定が甘かったのではと疑問を持った」と振り返った。学内で批判したため、「主任教授にしかられ、大学にいづらくなった」という。<br /> 脳死になった人からの臓器移植について定めた臓器移植法の改正について、渡辺氏は、現行法では15歳未満からの臓器提供が認められず、「移植を受けられずに亡くなる子どもがたくさんいるのを救いたい。法律を変えるべきだ」とし、今国会での改正を訴えた。<br /> その上で、「私は脳死を死だと思うが、医学はどこまで進歩するか分からないから、脳死を法律上の死とはっきり決める必要はない」と述べた。</p> <p>【写真説明】<br /> 東京財団が国会議員らを対象にして開いた臓器移植法改正案の勉強会=東京都千代田区永田町、小林正明撮影</p> 2012-08-26T14:08:09+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/dOwVBv4nMNh tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/dOwVBv4nMNh#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/dOwVBv4nMNh A、B、C、D案順で採決方針 臓器移植法改正、あすの衆院本会議で(2009年06月17日) <p>004432009年06月17日朝刊政策総合00500818 臓器移植法改正をめぐり、衆院は16日の本会議で、A~Dの4案について再び討論を行った。いずれの案も可決の見通しが立っていないが、衆院議院運営委員会は同日の理事会で、臓器移植法改正案を18日の本会議で採決することを正式に決めた。採決方法は「A→B→C→D」案の提出順とする方針だ。<br /> 原則「脳死を人の死」と位置づけ、臓器提供要件を大幅に緩和するA案について、三原朝彦氏(自民)は「一人一人が患者の立場に立って改正の是非を論じることこそ、忠恕(ちゅうじょ)の精神にのっとるものだ」と訴えた。<br /> 臓器提供者の本人意思を重視するB案をめぐっては、佐藤茂樹氏(公明)が「自己決定権は基本的人権の一つ」と主張。提供可能年齢を12歳以上に限って引き下げた点について「段階的に着実に進めることで、小児医療の混乱を避け、長い目で見たときには提供を増やす」と述べた。<br /> 厳格な脳死判定を求めるC案に関連し、郡和子氏(民主)は、小児からの臓器提供解禁について、「脳死臨調を設置し、幅広く合意を得ることが回り道のように見えて近道」と慎重な議論を求めた。<br /> A~Cの折衷案として、15歳未満は家族の同意などで臓器提供を可能にするD案に対しては、野田佳彦氏(民主)が「脳死が人の死と社会的に受容されているかは戸惑いがある。一足飛びではかえって不透明感、不信感を高める。第一歩を目指し改正すべきだ」と訴えた。<br /> 採決方法は、仮にA案が否決された場合、B、C、D案と一本ずつ提出順に採決していく。衆院議運委では、全案が否決された場合、「廃案にしない」と議決し、厚生労働委に差し戻して審議を続ける案を検討しているが、実現するかどうかは不透明だ。</p> <p>●党議拘束かけず 社民<br /> 社民党は16日、衆院本会議で18日に臓器移植法改正案を採決する際、党議拘束をかけないことを決めた。理由について党幹部は「審議時間が少ないうえに人命にかかわる話で、議員の意思統一は適当ではない」と説明している。</p> 2012-08-26T14:07:29+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/oKNoTyQXrdb tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/oKNoTyQXrdb#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/oKNoTyQXrdb (政策ウオッチ)臓器移植法改正 試される立法府の決定力(2009年06月17日) <p>004422009年06月17日朝刊政策総合00500418文字 臓器移植法改正4法案の衆院採決が目前に迫っている。臓器移植をめぐり、脳死の位置づけや提供者の年齢制限をめぐって意見が分かれ、多くの政党が党議拘束をかけない方針だ。採決は記名投票となる見込みで、各議員が難しい判断を迫られている。<br /> 議論が熟さないままの採決に戸惑う声は多い。加えて、個人の倫理観、支援団体との関係、提出者の言動に対する反発などが複雑に絡み合って、議員の判断を難しくしている。そのため、いずれの案も過半数票の見通しは立っていない。このままいくとすべての案の否決もあり得る。<br /> 臓器移植法の問題点は、以前から指摘されていた。生命にかかわる重要法案を、会期末を控えた時期に駆け込みで議論し、採決するのが適切だったのか。もっと早く取り組むべきではなかったのだろうか。<br /> 法案の改正を待ち望んでいる人がいる。そのことを忘れずに、国民の代表としてできるだけ早期に解決策を見いだしてほしい。立法府としての決定力が問われている。(山尾有紀恵)</p> 2012-08-26T14:06:48+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/0mPmruAaw81 tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/0mPmruAaw81#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/0mPmruAaw81 「脳死は人の死」可決 0歳から移植容認 臓器法改正、A案が衆院通過(2009年06月18日) <p>004412009年06月18日夕刊1総合00101750衆院は18日午後の本会議で、臓器移植法改正案を採決し、原則「脳死は人の死」とし、臓器提供の拡大をめざすA案を賛成多数で可決した。残りのB、C、D各案は採決されないまま、廃案となった。ただ、参院では、多数を占める民主党内に臓器移植の要件緩和に慎重な議員が多く、独自案提出の動きもある。A案がそのまま成立するかどうかは不透明な情勢だ。</p> <p>衆院議員は現在、欠員を除き478人。採決は記名投票で行われ、欠席・棄権を除いたA案の投票総数は430(過半数216)、賛成263、反対167だった。共産党は「採決は時期尚早」として本会議には出席するが採決は棄権する方針を決定。自民、民主など他の主要政党は「個人の死生観」にかかわるとして党議拘束をかけずに採決に臨んだ。97年に成立した現行法の改正案が採決されたのは初めて。<br /> 本人の意思が不明な場合でも家族が同意すれば臓器提供できるとするA案では、小児を含むすべての年齢で臓器提供が可能となる。移植学会や患者団体も推しており、最も多くの支持を集めているとみられていたが、原則「脳死は人の死」とすることなどに抵抗感も根強く、過半数確保のメドは立っていないとされていた。<br /> 朝日新聞が5月に衆参両院の全議員を対象に行ったアンケートでも、7割近くが回答せず、回答者のなかでも「わからない・検討中」が2割超を占めるなど、多くの議員が態度を決めかねている様子が浮き彫りになった。A案が可決された背景には、今国会で改正が実現しなければ、当分、改正の機運が遠のくとの議員心理が働いた可能性もある。<br /> 採決は国会提出順に、A、B、C、D各案の順で行われ、いずれかの案が投票総数の過半数の賛成を得た時点で、残りの案は採決されずに廃案になるルールだった。より広範な支持を集めようと、折衷案としてつくられたD案も、採決されないまま廃案となった。</p> <p>●家族の承諾で可能に<br /> 臓器移植法の改正A案は06年、脳死になった人からの臓器提供を増やすことを目指す自民党の中山太郎衆院議員らが提出した。最大の特徴は、脳死を人の死とすることだ。そうすることで、脳死になった時に臓器を提供しようと考えていたかどうかがはっきりしない人からも、家族の承諾で提供できるようにする。<br /> 現行法では、本人があらかじめ提供の意思を書面に示していなければ、脳死になったとしても、家族も医療機関も、提供の手続きを進められない。つまり、人が脳死になっても、臓器提供の時以外は死んだことにならないよう整理している。本人の意思が書面という確かな形で残されているかどうかがポイントだ。<br /> 現在の制度は、脳死をめぐる様々な立場の人たちが議論を重ねて一致点を見いだし、97年に制定された。それだけ高いハードルを設けてある。A案は、提供を拒む権利を認めるものの、死を巡る基本的な立ち位置を変える。<br /> これまで脳死での臓器提供は年に10件前後だった。本人の意思を確かめる手立てとして用意された意思表示カードが思うように普及せず、臓器提供が大きく増えなかったとされている。<br /> A案が参院でも支持を集めて成立すれば、カードがなくても臓器提供できるようになるので、提供件数が増えると、移植にかかわる医師らはみている。ただ、衆院で「脳死を死とすることに社会的合意がない」といった反対意見が相次いだように、参院でも厳しい議論が予想される。</p> <p>■現行の臓器移植法と各改正案の違い<br /> (1)脳死の位置づけ<br /> (2)臓器提供の条件<br /> (3)子どもからの臓器提供</p> <p>【現行法】<br /> (1)本人に臓器提供の意思がある場合のみ「人の死」<br /> (2)本人が書面であらかじめ意思表示し、家族が同意<br /> (3)15歳以上<br /> --------------------------<br /> 【A案】<br /> (1)一律に「人の死」。判定拒否権は認める<br /> (2)本人に拒否の意思がなく、家族が同意<br /> (3)0歳から可能<br /> 【B案】<br /> (1)現行法と同じ<br /> (2)現行法と同じ<br /> (3)12歳以上<br /> 【C案】<br /> (1)現行法と同じ。脳死の定義を厳格化<br /> (2)現行法と同じ<br /> (3)現行法と同じ<br /> 【D案】<br /> (1)現行法と同じ。15歳未満は本人意思を家族が代行<br /> (2)15歳以上は現行法と同じ。15歳未満は、家族の同意、第三者機関の確認<br /> (3)0歳から可能</p> 2012-08-26T14:06:14+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/ol8D3BTIPXL tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/ol8D3BTIPXL#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/ol8D3BTIPXL 臓器移植法改正「国会で筋道を」 舛添厚労相・細田自民幹事長(2009年05月08日) <p>004802009年05月08日夕刊2総合01000378文字世界保健機関(WHO)が5月に予定していた臓器の渡航移植を規制する決議の採択を先送りしたことについて、舛添厚生労働相は8日の閣議後会見で「WHOは新型インフルエンザの対応で精いっぱいなので、やむを得ないかなと思う。ただ、日本の国会は国会できちんと審議すべきだ」と述べ、臓器移植法の改正論議を先送りすべきではないとの考えを示した。さらに「一国会議員の立場」と断ったうえで「一日も早く議員のみんなで議論をして、臓器移植の手法などについて、国民のコンセンサスを得るということが重要だ」と話した。<br /> 一方、自民党の細田博之幹事長は8日の記者会見で、臓器移植法改正について「今国会で方向・筋道をきちんとつけて、日本人が海外からの臓器移植に過大に頼ることを避ける措置をとっておく必要がある」と語り、WHOの決定にかかわらず、改正案の成立を目指すべきだとの考えを示した。</p> 2012-08-26T14:05:13+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/zNlZUuDVoGM tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/zNlZUuDVoGM#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/zNlZUuDVoGM (声)乳幼児の臓器移植、親には希望(2009年05月08日) <p>004792009年05月08日朝刊オピニオン201400403文字主婦 服部和子(埼玉県朝霞市 46)<br /> 15年前、次女が誕生して1カ月後の検診で、胸に聴診器を当てた医師が私に言った。<br /> 「このままでは3歳まで生きられません」「手術が受けられればいいのですが、もし手術が出来なかったら、心臓移植しか道はありません」「心臓移植は日本では行われていないので、海外で受けるしかありません」。私は目の前が真っ暗になった。<br /> 幸い娘は手術を受け、その後は元気に成長しているが、その時の私に「この子の天寿」などといって、治療をあきらめることなど、とても出来なかった。たとえ1%でも生きられる可能性が残されているならば、親としてそれに賭けてみたいと考えていた。<br /> 我が子の死を天寿として、謙虚に受けとめる親もあっていいと思う。しかし一方で、最後まで助かる希望を持ち続ける親も、あっていいと思う。乳幼児の臓器移植において、移植を受ける、受けないの選択肢が設けられて、しかるべきではないだろうか。</p> 2012-08-26T14:04:40+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/Pw8WzKU4k2H tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/Pw8WzKU4k2H#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/Pw8WzKU4k2H WHO、規制決議を延期 海外渡航して臓器移植(2009年05月08日) <p>004782009年05月08日朝刊1総合00100519文字【ジュネーブ=井田香奈子】世界保健機関(WHO)は7日、ジュネーブで18日から開く総会で予定されていた、海外に渡り臓器移植を受けることを規制する決議の採択を先送りすることを決めた。来年の総会以降にずれ込む見通しだ。=4面に関係記事<br /> 出席する加盟国の保健担当相や高官らは、各国で新型の豚インフルエンザ対策を担当する責任者でもあり、ジュネーブに長期間留め置けないとの判断から、総会期間を予定の10日間から5日間に短縮することにしたため。<br /> 同日、WHOのマーガレット・チャン事務局長と各国代表部が協議し、合意した。<br /> 日本では、海外に渡って移植を受けることがWHOの決議でいっそう難しくなるとの見通しが強まり、今春から、現行の臓器移植法を改正する論議が国会で本格化した。国会に提出されている三つの改正案のほか、新たな案の検討を急ぐ議員らもいる。衆院厚生労働委員会は小委員会での議論を終え、11日以降、厚労委での審議に入る予定。<br /> 厚労委の理事の一人は「渡航移植に依存する状況は好ましくない」として、海外の動きにかかわらず今国会で結論を出すべきだと主張するが、もともと慎重な論議を訴える議員も少なくない。WHOの動向は国会審議にも影響を与えそうだ。</p> 2012-08-26T14:04:03+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/YYfYsCqNpnB tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/YYfYsCqNpnB#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/YYfYsCqNpnB 移植法改正、冷めぬ国会 WHOは決議延期だが… 再来週にも4案審議、慎重論も(2009年05月09日) <p>004772009年05月09日朝刊政策総合00501335文字臓器の渡航移植が規制されるとして、臓器移植法改正の推進力になってきた世界保健機関(WHO)の決議が来年以降に延期されることになった。与党幹部らの間では「新型インフルエンザの影響であり、WHOが考え方を変えたわけではない」との受け止めが主流で、移植を待つ患者団体メンバーらも早期改正を訴えた。ただ、慎重派の議員らには国民的議論を求める声も根強く、国会審議に影響を与える可能性もある。(南彰、北林晃治、大岩ゆり)</p> <p>決議延期が一斉に伝えられた8日。舛添厚生労働相や自民党の細田博之幹事長らは記者会見で、臓器移植法の改正を先送りすべきではないとの考えを示した。移植推進派が推す改正案(A案)の提出者、山内康一衆院議員(自民)も「法ができて10年以上。今国会で改正案をあげなければいけないという現状は同じ」と話した。<br /> 審議の場となる衆院厚生労働委員会の鴨下一郎(自民)、藤村修(民主)の両筆頭理事も、今国会での改正に向け審議を進める考えをそれぞれ表明。提出済みのA~Cの3案の要素を採り入れ、子どもからの臓器提供を解禁する第4の案(D案)の要綱を8日発表した。15日にも自民・民主両党の7人が衆院に提出、早ければその翌週に4案の審議を始めたい考えだ。<br /> 日本では現行法などで15歳未満の臓器提供が禁止されているため、重い心臓病などで移植が必要とされる子どもたちは、海外で移植を受けることに望みをつないできた。<br /> しかし、WHOが予定していた新決議は、患者が外国に渡って移植を受けるのを規制する内容。患者団体などは移植を受ける道が狭まるとして不安を募らせ、国会議員の間にも「立法府の不作為が問われる」と危機感が広がり、改正論議を後押ししてきた。<br /> 半面、WHOの決議が遠のいたことによって、再び慎重論が広がる可能性もある。<br /> B案の元提出者で、子どもからの臓器提供に慎重な斉藤環境相(公明)は8日の閣議後の会見で「脳死を人の死とすることに国民的なコンセンサスが得られるところまできていない。(WHOが)1年先送りした状況も踏まえ、時間を設けて議論を進めることも選択肢の一つ」。<br /> C案提出者の阿部知子衆院議員(社民)も「脳死臨調を設け、もう一度国民の間で議論し、じっくり進めるべきだ」と今国会で結論を急ぐべきでないとの考えを示した。</p> <p>●待ち望む患者団体<br /> A案を支持する臓器移植患者団体連絡会は8日、都内で記者会見を開いた。心臓移植を待つ患者らが「WHOの決議採択延期にかかわらず、早期に臓器移植法を改正し、国内で移植を受けられるようにして欲しい」と訴えた。<br /> 群馬県の会社員、小暮直樹さん(37)は3年前、拡張型心筋症と診断された。埋め込み型の補助人工心臓を着け、移植を待つ。<br /> 「一刻も早く移植法を改正し、提供者の年齢制限をなくし、家族の同意で提供できるようにして欲しい」と訴えた。<br /> 一方、この日都内で開かれた移植学会の会合に個人として参加した横田俊平・日本小児科学会会長は、小児救急体制が整った地域が少なく、水死の子が4~5時間かかって大学病院に運ばれ脳死になっている実態があると説明。「小児を助ける段階の基盤整備ができていない」と訴え、移植医療だけでなく、小児救急医療の体制整備を求めた。</p> 2012-08-26T14:03:25+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/DYR6GjKyJBr tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/DYR6GjKyJBr#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/DYR6GjKyJBr 移植法改正反対の声明 生命倫理学者68人(2009年05月13日) <p>004732009年05月13日朝刊3社会02500265文字国会で審議中の臓器移植法の改正に反対する生命倫理学者68人が12日、「人の生死の問題を多数決で決めるべきでない」との声明を発表した。衆参両院の厚生労働委員会に声明文を届ける。「脳死は人の死だと科学的に立証されていない」と主張している。<br /> 法改正論議の背景に、日本人などが外国で移植を受けることで現地患者の移植の機会が奪われるという国際的な批判がある。代表者の小松美彦・東京海洋大教授は「(臓器提供の)義務を果たしていないから、(外国で移植を受ける)権利もない、とはすべきでない」と述べ、日本人の国外での移植を容認する立場を示した。</p> 2012-08-26T14:01:44+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/y00o9jbJceT tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/y00o9jbJceT#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/y00o9jbJceT (臓器移植インタビュー)年齢引き下げ、徐々に B案を提案・石井啓一氏(2009年05月14日) <p>004722009年05月14日朝刊政治00400998文字石井啓一氏(公明)</p> <p>――現行法をどう評価しますか。<br /> 「脳死からの臓器移植に道を開いた意味では評価されるべきだ。現行法は、生前に本人が文書で意思表示し、自己決定してある場合に、脳死を人の死と認めている。ある意味で知恵だ。脳死を一律に人の死とする考えに社会的な合意がない中、法律上、脳死を人の死と定義づけるのに躊躇(ちゅうちょ)があった。状況は今も変わっていない。自己決定がある場合に限り、脳死を人の死とする点は崩したくない。ただ、ドナーカードを持っている人も少なく、啓発活動もまだまだと感じている」<br /> ――B案を提案した理由は何でしょうか。<br /> 「中学生なら実質的に自己決定ができると考え、臓器提供の意思を表示できる年齢を12歳以上に引き下げる。学校教育での普及活動や、運転免許証の裏面、健康保険証などを活用して意思表示できるようにし、移植を進めたい」<br /> ――小児からの臓器提供についてどう考えますか。<br /> 「小児の脳死判定は非常に難しい。従来は、脳死の診断から数日で心臓死にいたると言われていたが、小児の場合は、数十日、数年生き延びる例もある。小児の脳死基準はじっくり検討すべきだ。また、虐待を受けた子を見分けるのも難しい。どうチェックするか。そうした基盤整備をせずに一気に年齢を下げては医療現場が混乱する。まず年齢を下げた後、徐々に広げていくのが現実的ではないか」<br /> ――今国会で改正案の採決を求める声が強まっている。どのような審議が必要でしょうか。<br /> 「いつまでにと期限を決めるのではなく、じっくりと各案の特徴や課題を国会議員、国民に理解してもらい、議論を深めるのが大事だ」<br /> ――新たにD案が提出される見込みですが、修正協議の余地はあるのでしょうか。<br /> 「臓器提供への自己決定を残せる案かどうかが、歩み寄れるかのポイントになる」<br /> (北林晃治)</p> <p>■現行の臓器移植法と各改正案<br /> 臓器提供の条件 子どもからの臓器提供<br /> 現行法 本人の書面による意思表示と家族の同意 15歳未満は不可<br /> A案 本人に拒否の意思がなく、家族が同意 0歳から可能<br /> B案 現行法と同じ 12歳以上に限定<br /> C案 現行法と同じ 現行法と同じ(今後の検討事項)<br /> D案 15歳以上は現行法と同じ。 0歳から可能<br /> 15歳未満は家族の同意と第三者機関の確認が必要</p> 2012-08-26T14:01:10+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/a0RiqszE9jF tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/a0RiqszE9jF#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/a0RiqszE9jF D案きょう提出 臓器移植法改正巡り(2009年05月15日) <p>004702009年05月15日朝刊政治00400356文字臓器移植法の改正をめぐり自民、民主両党の有志が作成してきた第4の案(D案)の条文が14日、自民党の会合で示された。現行法の死の定義を変えず、15歳未満の臓器提供に道を開くのが特徴。有志らは15日に衆院に提出する。B案提出者にも支持を広げているが、A案を推す議員らは「ドナー数が増えない」などと反発を強めている。<br /> D案の条文は、提供の意思を書面で表示できる年齢を「15歳以上」と明記。15歳以上は現行法と同じく本人が書面で意思表示をしている人に限り対象にするため、意思表示を運転免許証や保険証に記載ができるようにする条文を盛り込んだ。法的に有効な意思表示ができない15歳未満については、家族の書面による承諾と、医療機関が「家族による虐待」や「不適切な説明」がないことなどを確認すれば臓器提供できるとした。(南彰)</p> 2012-08-26T14:00:30+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/BiuWXPX5uJ2 tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/BiuWXPX5uJ2#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/BiuWXPX5uJ2 移植法改正D案を提出 自民・民主両党の有志議員(2009年05月16日) <p>004692009年05月16日朝刊政治00400246自民・民主両党の有志議員が15日、新たな臓器移植法改正案(D案)を衆議院に提出した。提出者は自民党の根本匠、民主党の笠浩史の両衆院議員ら7人。衆院厚生労働委員会の自民党筆頭理事の鴨下一郎氏、民主党筆頭理事の藤村修氏ら自公民の衆院議員26人が賛成者に名を連ねた。<br /> D案は、脳死になった15歳以上の人からの臓器提供については、現行法と同様、本人が書面で提供の意思を示してある場合に可能とし、現在は認められていない15歳未満は、家族の承諾と第三者によるチェックを条件に可能とする。改正案は四つめ。</p> 2012-08-26T13:59:57+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/EcNA2EWcE8i tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/EcNA2EWcE8i#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/EcNA2EWcE8i (臓器移植インタビュー)脳死、厳密な定義必要 C案を提案・阿部知子氏(2009年05月19日) <p>004682009年05月19日朝刊政治政策00400732文字阿部知子氏(社民)</p> <p>――現行法をどのように評価していますか。<br /> 「脳死が人の死であるか否かの判断は国民に委ね、臓器の摘出には書面による本人同意を求める形に落ち着けた。国内での臓器移植の基盤整備をするときに国会がとった英知だと思う」<br /> ――臓器の提供数が増えないとの指摘があります。<br /> 「本人同意の要件をなくせば増えるという主張があるが誤りだ。提供する側が納得して出せるようにしないと、移植は増えない」<br /> ――なぜC案での改正を主張されるのか。<br /> 「『臓器移植制限法案』みたいに言われるが、施行から12年たち、長期の脳死生存例が知られるようになった。『脳死と言われ、医者はもう見放している』と治療の早期打ち切りを懸念する声も寄せられている。脳死の定義をもう一度確認し、厳密化しないといけない。また、ガイドラインに委ねられている生体移植も含めて、全部法律でルール化する」<br /> ――国内でも子どもの臓器提供を解禁すべきだとの声が出ていますが。<br /> 「小児科学会でも結論が出ていない。子どもの臓器提供はあくまで親の代諾になるので、これを支える仕組みを論議する子ども脳死臨調をやるべきだ」<br /> 「『移植が必要』と言われる子どもを減らすことの方が本質的に大事だ。日本は特に1~4歳の急性期の小児医療が貧弱。拡張型心筋症になる前に治療介入するなど、本当のよりよい治療をすれば、移植を求める子どもの数は大幅に減ると思う」<br /> ――今国会で改正案の採決を求める声が強まっている。どのような点の審議が必要でしょうか。<br /> 「救急医療体制も含めた問題点を明らかにして、国民の選択が反映できるような法体系を考えていくべきだ。死は国会議員の専権事項ではなく、解散総選挙の行きがけの駄賃みたいにやるべきではない」(南彰)</p> 2012-08-26T13:59:27+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/Fpz6OGgc7ez tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/Fpz6OGgc7ez#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/Fpz6OGgc7ez 臓器移植法改正D案も審議入り 衆院厚労委(2009年05月22日) <p>004672009年05月22日夕刊2総合01000344臓器移植法改正案を審議している衆院厚生労働委員会は22日、同委の与野党筆頭理事らが作成した第4の案(D案)の趣旨説明を行った。早ければ27日からA~Dの4案を一括して審議する。<br /> D案はA~C案の折衷案。脳死になった15歳以上の人からの臓器提供は、現行法と同様、本人が書面で提供の意思を示している場合に限って可能とし、現在認められていない15歳未満は、家族の承諾と第三者の確認を条件に可能とする。<br /> ほとんどの政党が党議拘束をかけない見通しで、同委は希望する委員が基本的に全員質問する形で4案の質疑を行う予定。その後、委員会の採決をしないで本会議で中間報告を行い、一定の期間をおいてから各案ごとに採決する方向で調整が進んでいる。ただ、過半数を超える案がなければ、4案とも廃案になる。(南彰)</p> 2012-08-26T13:58:34+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/Ilvezx0mBRK tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/Ilvezx0mBRK#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/Ilvezx0mBRK A案対D案の構図に 提供条件めぐり応酬 臓器移植法案、審議入り(2009年05月27日) <p>004652009年05月27日夕刊2総合01000846文字臓器移植法改正をめぐり、A~D案の本格審議が27日、衆院厚生労働委員会で始まった。移植を待つ患者団体は臓器提供の条件を大幅に緩和するA案での改正を求めるが、「脳死は人の死」と法律で一律に規定することに反対論も根強い。審議では、ともに15歳未満の臓器提供に道を開くA案とD案を比べる質問が目立った。多くの政党が党議拘束をかけない見通しで、議員それぞれが「人の死」と向き合う。<br /> (南彰)</p> <p>改正案の実質審議は、A、B両案が06年3月に衆院に提出されて以来初めて。渡航移植への国際的な批判の高まりを受け、法改正の機運が盛り上がったためだ。委員会では16人の議員が4案の提案者らに質問。答弁者席には4案の提案者が超党派で座った。<br /> A案提案者の河野太郎氏(自民)は、原則「脳死は人の死」とすることに「世論調査でも理解は広まっている。法的脳死判定を拒否する権利も認めている」と主張した。<br /> しかし、臓器の提供側に回る可能性がある交通事故被害者らの間には、救命医療がおろそかになることへの警戒感がある。D案提案者の根本匠氏(自民)は「脳死を人の死と法律で規定するだけの社会的な合意はない」と指摘。現行法の死の定義を維持するよう求めた。<br /> 提供者本人の意思確認も争点になった。とくに本人の意思が不明な場合でも家族の承諾で臓器提供をできるようにするA案には、「拒否の意思が(臓器提供)後にわかったら、殺人罪も起こりうる」との質問も出た。河野氏は「拒否の意思表示を事前登録できるようにする」と答えるにとどまった。<br /> 本人が法的に有効な意思表示ができない15歳未満は家族の代諾とするD案については「子どもにも意思決定権はある。親が気持ちを忖度(そんたく)し、意思を示す」(自民・上川陽子氏)との説明があった。<br /> 一方、B、C両案の提案者は、提供者本人の意思確認や脳死判定の厳密化などの重要性を強調。「臓器移植を定着させていこうと思えば、さらに厳密な脳死判定を行っていくのが時代の流れだ」(社民・阿部知子氏)などと答弁した。</p> 2012-08-26T13:57:56+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/tyFXDchg9YE tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/tyFXDchg9YE#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/tyFXDchg9YE 脳死論議、遺族に響かず 提供のための死ではない 臓器移植法改正案審議(2009年05月28日) <p>004642009年05月28日朝刊3社会02901965文字 臓器移植法の改正を巡って27日に開かれた衆院厚生労働委員会では、この問題で初めて、議員同士が意見を戦わせた。しかし、肉親の臓器提供を経験した遺族らの中には、改正論議と遺族らの思いとの隔たりを感じている人も多い。(長野剛、北林晃治)</p> <p>人は、心臓が完全に止まった時に、亡くなったことになる。生前、本人がどう考えていたかは関係ない。臓器移植法では、脳死になったら臓器を提供したいと、本人があらかじめ書面に残していた場合だけが死となる。衆院に提出された改正4案のうち、B、C、D案と呼ばれる3案も、原則的にこの考え方を踏襲する。A案だけは脳死は一律に人の死という考え方に立つ。<br /> 27日の厚労委で質問に立った自民党の林潤議員が「脳死判定後も心臓は動き、ぬくもりはある。死とされることに不条理を感じる」と語ったように、法施行から約12年たった今も、何をもって死とするか、多様な考え方がある。<br /> 北陸地方に住む川島文子さん(50)は数年前の夏、夫の行雄さん(当時47)の脳死からの臓器提供に同意した。行雄さんの「脳死での死」を了承したことになる。<br /> 新聞販売所に勤務していた行雄さんは、仕事先で脳内出血に倒れ、入院。4日後に急変し、医師に「脳が死んだ」と告げられた。人工呼吸器につながれ、肌つやも衰えた行雄さんに付き添う川島さんは、もう夫がそこにいない気がして、息子に言った。「お父さん、死んじゃったね」<br /> 時がたち、脳死は臓器提供の時だけ死になる、と知った。「脳死を心臓死と違うと決めた人は、夫が本当は死んでいなかったとでも言うのだろうか。私は夫が亡くなったから、提供に応じたのに」。違和感がぬぐえない。<br /> 昨年、脳死になった夫(当時57)の臓器提供を経験した愛知県の女性(55)は「心こそすべて。脳が死んで心が全く消えたら、生きているとは思わない」と思う。でも、そんな人が必ずしも多数派ではないと感じる。<br /> 女性が夫の死を受け入れた後、病院は臓器提供の話を切り出してきた。だから、素直に応じられた。「病院が家族の心情に寄り添うことが大事だと思う。脳死や臓器提供の話はその後のことだ」。それが、脳死を死と受け入れられない家族たちも救われる道だと考えている。</p> <p>●生前の意思考える方策を<br /> 愛知県の呉服商、河原克彦さん(48)は97年、2歳の次女の実加ちゃんを交通事故で亡くし、心停止後の臓器提供に同意した。体の一部でもこの世に残っていて欲しい、という思いからだった。<br /> 時がたち、それは親の一方的な思いだったのかも、と思うようになった。つらくて車の運転中に涙があふれた。提供時、「娘ならどう思うか」と考えられなかったことへの後悔だった。「娘は提供を望んだのか」と悩み続けた。<br /> 心停止後の臓器提供は、本人の意思が不明でも家族の同意だけでできる。改正A案とD案の15歳未満の提供規定は、脳死でも家族の同意での提供を可能にする。河原さんは「家族が必ず、本人の生前の意思を考えるよう促して欲しい」と願うが、A、D案はそれを明記していない。<br /> 委員会審議では家族らの悩みは取り上げられなかった。</p> <p>○「死」いつから 衆院委で応酬<br /> 27日の衆院厚生労働委員会で、原則「脳死は人の死」と位置づける臓器移植法改正A案が施行された場合に、どの段階から「死体」となり、臓器を摘出するのに本人の意思を問う必要がなくなるのかを巡って、激しいやりとりがあった。<br /> A案提案者の河野太郎議員(自民)は「死」の始まりを「法的脳死判定で脳死と判定された場合」とし、医療行為の一部として行われる臨床的脳死診断については、「人の生死に関係ない」と答えた。<br /> この答弁に対し、阿部知子議員(社民)が「無呼吸テストを含む法的脳死判定は、死を早める危険性がある。(まだ生きている)本人が意思を明確にしていないのに、なぜ家族の意思だけでやっていいのか」と追及。河野議員らが理由を明確に答えられない場面もあった。いつをもって「死」と位置づけるかという問題は審議の行方に微妙な影響を与えそうだ。(南彰)</p> <p>■現行の臓器移植法と各改正案<br /> ・脳死の位置付け<br /> <現行法>本人に脳死からの臓器提供の意思がある場合のみ「人の死」<br /> <A案>脳死は一律に「人の死」(判定拒否権は認める)<br /> <B案>現行法と同じ<br /> <C案>現行法と同じ。定義(判定条件)を厳格化<br /> <D案>15歳以上は現行法と同じ。未満は家族の同意</p> <p>・臓器提供の条件<br /> <現行法>本人の書面による意思表示と家族の同意。15歳以上<br /> <A案>本人に拒否の意思がなく、家族が同意した場合<br /> <B案>現行法と同じ。12歳以上<br /> <C案>現行法と同じ<br /> <D案>現行法と同じ。15歳未満は病院側の確認が必要</p> <p>【写真説明】<br /> 衆院厚生労働委員会で、臓器移植に関する質問に答える法案提出者たち=27日午前、河合博司撮影</p> 2012-08-26T13:56:30+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/c0TZpEQ7DaM tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/c0TZpEQ7DaM#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/c0TZpEQ7DaM 臓器移植に仏教の視点 是非論超え、当事者ケアを重視する動き(2009年05月29日) <p>004612009年05月29日朝刊3総合00301512文字臓器移植法の改定が論議されている。死のあり方にからむ問題だけに、仏教界にとっても臓器移植は大きなテーマ。90年代から各宗派は「容認」「反対」を論じてきた。しかし近年、「仏教は是非とは別の視点を提供すべきだ」との研究が進んでいる。<br /> 仏教から臓器提供を見ると、自分を犠牲にしてもだれかの役に立とうとする「布施」の行為と考えられる。それを否定する論拠も経典や教義から引き出せる。このため天台宗などは条件付き容認、真宗大谷派などは事実上の反対と分かれた=表。<br /> これに対して曹洞宗の僧侶で愛知学院大学准教授の木村文輝(ぶんき)氏は「生死(しょうじ)の仏教学」(法蔵館)で、仏教の役割は移植の是非を判断することではないと主張した。宗派の中には是非の一方を選ぶのは難しいと、いわば仕方なく結論を避けたところもあった。しかし木村氏が強調するのは「二者択一的な結論を積極的に排除する必要」である。<br /> 移植を認めなければ、それによってしか生きられない人を切り捨てることになる。認めると、臓器提供をしたくない人にまで提供を強いることになりかねない。二者択一的に論じることは、ある立場に同意できない人に苦しみを与える可能性がある。<br /> 仏教の存在意義は「人々の苦しみを取り除くことにある」と木村氏。そのためであれば、教義が当事者の立場に合うよう恣意(しい)的に用いられても構わない。なにより大切なのはそれぞれの苦しみに応じた処方箋(せん)という。<br /> 是非の判断ではなく、当事者に寄り添ったケア――。浄土真宗本願寺派の僧侶で、龍谷大学教授の鍋島直樹氏もほぼ同じ考えだ。「親鸞の生命観」(同)のなかで「もし第三者が原理主義的、律法的な態度で、生命操作の是非を裁くならば、その態度はかえって追い詰められた人々の苦悩を理解することにはならないだろう」と述べている。<br /> 臓器を提供する人の家族は十分な別れの時間を持つことができない。提供される人は「潜在的に他者の死を待ち望む」ことになり、罪の意識を背負いがちだ。鍋島氏は、双方の「痛み」のケアに宗教者が医療関係者らとともにかかわる可能性に触れている。<br /> さらに、当事者が望むならば心境を伝え合い、「豊かないのちの感覚」が生まれることに期待する。それは苦しみを超え、他のいのちへの共感が育つことを意味する。<br /> 欧米での臓器移植の理解には、キリスト教の霊肉二元論やデカルト以降の心身二元論の影響が指摘される。霊魂や心が消え去った肉体を役立てるのは合理的、かつ隣人愛でもある。心身を統合的にとらえようとする仏教が戸惑ったのは当然で、日本型生命倫理の成熟が求められている。<br /> 浄土宗総合研究所は昨年、宗派の僧侶向けにハンドブック「いのちの倫理」をつくった。移植に慎重な立場は変えていない。ただ「(子供が)渡航移植しか助かる方法がないと相談されたら、あなたはどうしますか」と問いかけた。「そのような親御さんに付き添って行くのも浄土宗教師の役割です」と柔軟な姿勢を勧めている点が注目される。(磯村健太郎)</p> <p>■臓器移植に対する仏教各宗派の見解<br /> ・天台宗<br /> 容認<br /> 「脳死者が自己の臓器を提供することは布施の行為」(95年)</p> <p>・日蓮宗<br /> 容認<br /> 「(臓器提供は)自己決定による場合、仏教の慈悲心にもかなう行為」(94年)</p> <p>・浄土宗<br /> 慎重<br /> 「(臓器を受ける側は)自然な命の営みに抗してながらえるものであることを自覚し(中略)その恩に報いる生き方をすることが望まれる」(92年)</p> <p>・真宗大谷派<br /> 原則反対<br /> 臓器移植法案の衆院可決に「遺憾の意」(97年)。初の移植を受け「脳死臓器移植という医療そのものが必要以上に美化されるべきではありません」(99年)</p> 2012-08-26T13:55:58+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/WSbOOki3EKG tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/WSbOOki3EKG#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/WSbOOki3EKG 成立危うい臓器移植改正法 議員ら、採決に逃げ腰(2009年05月29日) <p>004622009年05月29日朝刊政治00401824 四つの臓器移植法改正案をめぐる国会議員の意見集約が難航し、今国会での成立は難しいとの見方が出てきた。自民党内では4案すべてが否決されるのを防ぐため、提出順に一本ずつ採決し、最後に「本命案」を回す苦肉の策が浮上。だが、衆院解散前の「駆け込み採決」には慎重論もある。<br /> (南彰、園田耕司)</p> <p>05年の郵政総選挙で選ばれた衆院議員には、脳死を原則「人の死」とするA案と、現行法にならって本人の意思を重視するB案の両改正案が06年に国会に提出された後、臓器移植問題を考える時間は十分あった。<br /> だが、07年に脳死の判定条件を厳しくするC案が提出され議論は拡散。与野党の衆院厚生労働委員会の理事らが今年5月、合意形成を目指してD案をまとめたが、国会全体の関心は低調なまま。報道各社の議員アンケートの回答率は2割台にとどまっている。<br /> そもそも改正論議を後押ししたのは、世界保健機関(WHO)が臓器の渡航移植を規制する決議を5月に出す見通しが高まったことだ。現行法は15歳未満の臓器提供を禁じており、国内では子どもの移植はできない。「立法府の不作為が問われる」(自民党の鴨下一郎衆院議員)との危機感が広がった。<br /> ところが、新型インフルエンザへの対応に追われるWHOが決議を来年以降に延期。小沢前代表の辞任による民主党の混乱も重なり、法案提出者らを除いて関心は広がらず、25日に4案提案者を招いた民主党の勉強会の出席議員は20人に満たなかった。<br /> A案の支持者が、D案を「親の判断で子どもを殺す法案」などと批判したことも影を落とす。自民党の村田吉隆・国会対策筆頭副委員長は20日の会見で「静かに議員が態度を決める環境作りが望ましい」とくぎを刺したが、議員の間では「あまりかかわりたくない」との本音も広がる。<br /> 医学界、患者団体、宗教団体の意見の隔たりも大きく、自民党幹部は「選挙区に帰れば『なぜ賛成したのか』と聞かれる。そういう法案を選挙前にやるべきでない」。</p> <p>●提出者にも食い違い<br /> 法案の提案者にも足並みの乱れが出始めた。<br /> 27日の衆院厚労委で始まった各案の実質審議。「脳死を人の死と定義したら医療現場は混乱しないのか」などの質問に、提案者が答えられなかったり、人によって内容が違ったりする場面が相次いだ。<br /> B案賛成者に名を連ねた自民党議員が「自分は同意した覚えがない」と脱退を申し出る騒動も起きた。提案者の中からさえ「総選挙前にあわただしく結論を出すべきでない」(社民党の阿部知子衆院議員)との声が出始めた。<br /> しかし、自民党の国会対策委では、生体肝移植を受けた河野洋平衆院議長が今期限りで政界を引退することを踏まえ、今国会成立を果たしたいという思いが強い。そこで浮上しているのが、4案を「A→B→C→D」の提出順に一本ずつ採決する方式だ。<br /> 子供への臓器移植の道を大きく開くのはA案とD案。自民党国対が本命視するのはD案で、15歳以上は現行通り本人の書面での意思表示を義務づける点がA案と違う。A案が過半数に満たない場合、A案賛成者が最後に採決されるD案に賛成して過半数に届くかも――との期待がある。<br /> だが、折衷案のD案は慎重派にも配慮したためA案賛成者は反発している。仮に最初のA案が可決されれば、残り3本の採決を見送る考え方もあるが、提案者の理解を得られるかは分からない。<br /> 衆院厚労委の与野党理事は、来月上旬に衆院本会議で中間報告をしたい考えだ。ほとんどの政党は個人の死生観にかかわるとして自主投票とする方針で、意見集約の糸口は見えてこない。</p> <p>■臓器移植法改正4案の主な内容と賛同者(敬称略)<br /> ◆A案 移植学会が主張(06年3月提出)<br /> 原則「脳死は人の死」と法律に定め、本人意思が不明な人からも臓器提供を可能にする<br /> 中山太郎、河野太郎(自民)、福島豊(公明)</p> <p>◆B案 小児科医が支持(06年3月提出)<br /> 本人の意思表示を前提に、臓器提供可能な年齢を15歳以上から12歳以上に引き下げ<br /> 斉藤鉄夫、石井啓一(公明)</p> <p>◆C案 「脳死は人の死」に反対(07年12月提出)<br /> 脳死判定の厳格化や生体移植のルール化、子どもからの臓器提供を検討する「脳死臨調」の設置<br /> 阿部知子(社民)、枝野幸男、金田誠一(民主)</p> <p>◆D案 A~Cの折衷案(09年5月提出)<br /> 15歳以上の臓器提供は現行法通り。15歳未満は家族の代諾と第三者の確認で提供可能にする<br /> 鴨下一郎、根本匠(自民)、藤村修(民主)</p> 2012-08-26T13:55:19+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/iGiTXUXwmI5 tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/iGiTXUXwmI5#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/iGiTXUXwmI5 (声)脳死移植に、なお消えぬ抵抗感(2009年04月23日) <p>005002009年04月23日朝刊オピニオン201600398 主婦 安藤一恵(愛知県江南市 44)<br /> 臓器移植法の改正に向けた論議が今国会で始まった。臓器提供を増やす方向も模索されるようだが、脳死移植についてはやはり抵抗感がある。斉藤環境相がコメントしているように、「脳死を人の死とすることについて、まだ社会が受容する段階にない」(15日朝刊)からだ。<br /> 脳死患者と聞くと、「すでに死んでいる人」と思いがちだが、私は「まだ生きている人」と答えたい。脳死患者の心臓は人工呼吸器の力を借りてリズミカルに動き、体は温かく、血圧も上昇する。脳死状態でも精いっぱい生きようとしているのを目にする家族は、奇跡が起きて欲しいと願っても、臓器を提供したいと思うだろうか。<br /> 今回の改正は子どもの移植に道をひらく狙いもあるようだ。親が虐待による脳死を隠匿するために臓器提供を申し出る懸念もある。移植を待ち望む命があるのは分かっているが、生死にかかわる問題だ。慎重に審議してほしい。</p> 2012-08-26T13:54:28+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/KBnV178KJ5A tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/KBnV178KJ5A#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/KBnV178KJ5A (政策ウォッチ)臓器移植法改正 患者のために奥の深い議論を(2009年04月23日) <p>004992009年04月23日朝刊政策総合00700440文字脳死下の子どもは汗をかくのか――。21日にあった衆院厚生労働委員会の臓器移植小委員会。参考人の小児科医が「脳死の基本的知識」として挙げたのがこの問いだ。小児科医によると、正解は「○」。だが、自信を持って答えられる人はどれだけいるだろう。<br /> 小委員会を傍聴して感じたのは、問題を先送りしてきたツケの大きさだ。97年施行の臓器移植法は3年後に見直すはずだった。だが実施されず、約12年で脳死下の臓器提供は81例。国会審議も進まず、小委員会では「脳死の定義は」「小児と大人の脳死判定の違いは」といった基本的な質疑が交わされた。国会議員だけでなく、社会全体として、法改正の議論に必要な知識の共有化が遅れているのが現状だ。<br /> 移植を待つ患者の法改正を望む声は痛切だ。だが、法の対象を14歳以下に広げた時、虐待を受けた子をどう見抜くか、改正で臓器提供はどれだけ増えるかなど、課題は多い。各党幹部あげての議論は歓迎したい。ぜひ、人の生死の問題にふさわしい、奥の深い議論を重ねて欲しい。(野瀬輝彦)</p> 2012-08-26T13:53:55+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/vVoFxRccIUy tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/vVoFxRccIUy#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/vVoFxRccIUy 臓器移植法、新案作り本格化 大型連休明け提出を目指す(2009年04月24日) <p>004972009年04月24日朝刊政治00400976文字臓器移植法の改正をめぐり、衆院厚生労働委員会の与野党筆頭理事らによる新案づくりが23日始まった。移植慎重派のB、C両案の提出者もそれぞれ勉強会を開き、今国会中の採決をにらんだ多数派づくりが本格化している。<br /> 新案づくりの初会合には、鴨下一郎(自民)、藤村修(民主)両筆頭理事を中心に自民、民主の8議員が参加した。大型連休明けまでに法案提出を目指す考えだ。<br /> 国会に提出された3案中、子どもの心臓移植に道を開くのはA案のみ。ただA案は「脳死は人の死」と、死の定義を大きく変える。「本人が遺志を残していなければ、遺体の処理は家族が決めるしかない」(河野太郎衆院議員)ことや、親に虐待された子どもの臓器提供をその親が認めることへの懸念も強い。<br /> 新案を目指す参加者には、渡航移植を規制する世界保健機関(WHO)の決議を控え、子どもへの移植を可能にするA案以外の選択肢が必要だという問題意識がある。<br /> このため、性急な移植拡大への慎重論に配慮。親族の同意を第三者がチェックする仕組みを法律に盛り込む方向で検討する。<br /> 一方、B、C案の提案者も支持拡大に必死だ。<br /> 臓器提供の対象を15歳以上から12歳以上に緩和するB案の会合には、公明党の太田代表ら自民・公明の議員が出席。提案者の石井啓一衆院議員(公明)が「小児の脳死判定は相当難しい」と訴えた。<br /> 脳死の判定基準を厳格化するC案の会合には、民主・社民両党の議員が出席。阿部知子衆院議員(社民)は「(A案が臓器提供の要件から外した)本人の意思は医療で尊重すべきもの。性急な改正を危惧(きぐ)する」と述べた。<br /> (南彰、野瀬輝彦、北林晃治)</p> <p>■A~C案・新案の提出者と主な賛同者<br /> 【A案】<br /> 提出者:中山太郎、津島雄二、河野太郎、山内康一、冨岡勉(自民)、福島豊(公明)<br /> 賛成者:笹川尭、坂口力、三原朝彦、坂本剛二、水野賢一ら(自民20人、公明1人)<br /> 【B案】<br /> 提出者:石井啓一(公明)、阿部俊子(自民)<br /> 賛成者:神崎武法、池坊保子、東順治、高木陽介、稲田朋美ら(公明15人、自民8人)<br /> 【C案】<br /> 提出者:金田誠一、枝野幸男(民主)、阿部知子(社民)<br /> 賛成者:前原誠司、古川元久、細川律夫、古賀一成、辻元清美ら(民主17人、社民3人)<br /> 【新案(検討中)】<br /> 鴨下一郎、上川陽子、西川京子(自民)、藤村修、三井辨雄(民主)ら※敬称略</p> 2012-08-26T13:53:18+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/4V8KcZaix55 tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/4V8KcZaix55#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/4V8KcZaix55 「脳死とは」再び 臓器移植法改正案(2009年04月25日) <p>004952009年04月25日朝刊3総合00303305脳死と判定された人からの臓器提供を可能とする法律が、97年の施行から12年を経て、改正議論のまっただ中にある。複数提出されている改正案を再編し、新たな案を提出する議員の動きも活発だ。そもそも脳死とは何か。臓器移植法はなぜ今の形になったのか。<br /> (小堀龍之、南彰、服部尚)</p> <p>●提供の場合のみ「人の死」と認定<br /> 死ぬといえば多くの人が思い浮かべるのは、肌がくすんで、体が冷たくなった姿だろう。一般的に「人の死」は、(1)呼吸が止まる(2)心臓が止まる(3)瞳孔が開いて反応がない――の三つが根拠になってきた。「息をひきとる」は(1)で「脈がない」は(2)。臓器移植法ができるまでは、この「死の3兆候」を医師が確認して死亡診断書を書くしか、「死」はなかった。<br /> だが、全脳の機能を失った状態である脳死はまったく違う。体は温かく、眠っているようにみえる。神経反射で体を動かすことさえある。<br /> 脳には呼吸や血液を全身に循環させる脳幹という部分がある。交通事故などで頭に大けがをしたり、心臓発作などで脳に酸素が届かなくなったりして、脳幹が損なわれれば、呼吸が止まって、すぐに死んでしまう。<br /> だが脳全体の機能が損なわれても、機器を使えば、ある程度の期間、呼吸や血液の循環を保つことができる。こうした生命維持装置の発達で、20世紀に「脳死」は現れた。<br /> ただ限界はあり、脳死状態から心停止までは、通常、数日から1週間程度という。<br /> 血が流れているので臓器も新鮮に保たれ、移植が可能になる。欧米では1960年代、脳死状態の人からの移植が始められた。<br /> よく誤解されるのは「植物状態」との違いだ。植物状態では、思考などに必要な大脳の機能は損なわれても脳幹の機能は残り、自発呼吸がある。脳幹が働いているのが、脳死との大きな違いだ。<br /> 日本では68年、札幌医大の和田寿郎教授(当時)が国内で初めて心臓移植をした。ところが、提供者の脳死判定をめぐって捜査当局が動くなど疑惑が生じたのを受け、脳死移植議論が滞った。<br /> その後、政府は、89年に設置法をつくり、脳死は人の死か、どう受け止めるべきかを政府が正面から議論した。「脳死臨調」は92年にまとめた報告書で、「脳死は人の死」とした。一方で、その考えに批判的な意見も少数派意見として盛り込んだ。<br /> 94年に議員立法で提出された法案は、脳死を人の死とした。だが、このままでは成立が難しいとして、本人意思が書面で表示された場合に限る修正案が出された。<br /> 97年に成立、施行された臓器移植法では、本人が生前に書面で提供の意思を示し、脳死判定された場合のみ脳死を人の死とする、「条件付きで脳死は人の死」とした。このため、提供を前提とした脳死判定以外では、脳死の位置づけはあいまいなままだ。</p> <p>●意思表示を重視 年齢制限設ける<br /> 臓器移植法に基づく脳死提供は、10年余で計81例にとどまる。一方、厚労省研究班調査では、海外に渡って心臓、肝臓、腎臓の移植を受けた人は計522人。心臓移植の103人のうち10歳未満の子は、33人と3割に上る。<br /> 幼い子が、日本で心臓移植を受けられる機会はほぼない。15歳未満は提供できない現行法では、病気の子の心臓と提供者の心臓のサイズがあわないためだ。<br /> では、現行法がなぜ15歳未満の子からの提供を認めなかったのか。「本人が生前に書面で意思を表明する」ことを前提としたためだ。<br /> 何歳に達すれば「自分の臓器を死後に提供したい」という意思を表明する能力があるのかについては、民法で有効と定める遺言の年齢を参考に15歳以上とした。<br /> 改正の動きの原動力は、幼い子が国内移植を受けられない状況を見過ごせない、という事実がある。だが幼い子からの提供が可能と改正されても、判定には課題がある。<br /> 6歳未満の脳死判定基準については、85年に旧厚生省研究班(主任研究者=竹内一夫・杏林大名誉教授)が作った基準をもとに99年度、別の研究班が作成した。<br /> その結果、検査項目は大人と同じでも十分だとしたが、「子どもの脳は回復力が強い」として、生後12週未満は判定から除外し、大人なら6時間とする2回の検査の間の観察時間を6歳未満は24時間以上にした。<br /> 判定の検査項目の中には、人工呼吸器を止めて自発呼吸が本当にないのか確かめる「無呼吸テスト」がある。<br /> だがこのテストに医師らの抵抗感が強い。脳死状態とされた子が、心停止するまで数カ月かかる症例も報告されている。熊本大の木下順弘教授(救急)は「無呼吸テストをきちんとしなければ正しく脳死判定できない」と指摘する。<br /> 年齢制限がなくなっても、提供が増えるかは不明だ。今でも心臓が停止した後の腎臓提供には年齢制限はなく、家族の同意だけで可能。だが95~08年で、0~5歳の提供は、10例にとどまっている。</p> <p>●迫るWHO規制 見直し議論加速<br /> 今月に入って衆議院厚生労働委員会の理事らが、提案済みの三つの改正案を再編して新案をつくっている。今国会で法改正をするため、大型連休明けの法案提出を目指す。<br /> 世界保健機関(WHO)が5月にも、渡航移植を規制する方針を総会で決議する見込みのためだ。<br /> 臓器提供増を目指した改正は、法成立時からの課題だ。法は付則で「施行3年後」の見直しを規定する。だが、いまのA、B案が提出されたのは06年。その前年にも案は提出されたが、議論は活発とはいえなかった。<br /> 停滞していたのはなぜか。「脳死を一律に人の死とする」A案と、現行法と同じく「提供時のみ、脳死を人の死とする」B、C案との隔たりが大きいためだ。<br /> A案は、臓器提供時に限らず脳死を死とし、本人の書面による意思表示という条件をなくす。家族の同意があれば年齢に限らず、臓器提供ができるようにする。移植推進派がつくった。<br /> 3兆候による、現在の「死」の定義の変更を意味し、成立すれば、様々な法律や仕組み、治療のあり方など、社会に大きな影響を与える。一方で、提供数が増えるという期待がある。<br /> B、C案は本人の意思表示が必要という点で現行法と同じ。B案は、提供の意思表示は12歳以上で可能とした。また、C案は脳死判定をより厳格にすることを求めている。判定に疑問を抱く議員らが提案した。<br /> 新案は、より多くの議員が賛同できることを目指す。<br /> 死の定義や15歳以上の臓器提供の条件については、現行法通りとする方向。本人の意思表示なしで15歳未満の臓器提供を可能にするが、親族の同意だけでなく、病院内の倫理委員会など第三者機関のチェックを条件にする。虐待などの有無を点検するためだ。<br /> 新案作りの中心メンバーは当初、15歳以上も脳死判定基準の厳格化を盛り込むと同時に書面確認をなくす考えだった。だが、本人意思の確認を求める声が強いことなどを受け、方針を修正した。<br /> 急に議論が進む国会状況に、90年代に脳死臨調の委員だった光石忠敬弁護士は懸念を示す。「脳死とどう向き合うかは人間の根幹にかかわる問題。急いで答えを出すべきではない。これまでほとんど議論してこなかった国会が、衆院解散の迫る今、短期間で結論を出そうとするのは、間違っている」と話す。</p> <p>■臓器移植をめぐる主な出来事<br /> 1967年 南アフリカで世界初の心臓移植<br /> 68年 札幌医大で日本初の心臓移植<br /> 85年 旧厚生省研究班が脳死判定基準を公表<br /> 92年 政府の脳死臨調が多数意見で脳死・臓器移植を承認する答申を首相に提出<br /> 94年 「脳死を人の死」とする臓器移植法案が議員立法で国会に提出<br /> 96年 本人意思が書面で残された場合に限り、臓器提供を認めるとする修正法案を提出。衆院解散で同案は廃案になったが、ほぼ同じ内容の法案が提出される<br /> 97年 臓器提供の場合に限って「脳死を人の死」とする臓器移植法が成立<br /> 99年 高知県で、法に基づく初めての脳死判定と移植<br /> 2006年 法改正を目指し、A案とB案が提出<br /> 07年 C案提出</p> <p>●臓器移植法にもとづく脳死と植物状態<br /> <機能喪失部分><br /> 脳死 大脳、小脳、脳幹を含む全脳の機能が喪失<br /> 植物状態 脳幹の機能が残った場合</p> 2012-08-26T13:52:06+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/h6TYtldTWS4 tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/h6TYtldTWS4#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/h6TYtldTWS4 (社説)臓器移植 幅広い視野から合意点を(2009年04月25日) <p>004942009年04月25日朝刊3総合00301050文字子どもの臓器移植の道を広げようと、臓器移植法を改正する動きが、国会でにわかに活発になってきた。<br /> 日本では法律上、子どもの心臓は移植できず、米国などに渡る例が続いてきた。しかし、世界保健機関(WHO)が来月、こうした外国での臓器移植を規制する見通しになったためだ。<br /> 臓器移植は、提供者の死を前提とする特殊な医療だ。私たち一人ひとりの死生観も絡む。幅広い観点から慎重に議論し、多くの人が納得できる答えを見つけてほしい。<br /> 脳死からの臓器移植を認めるこの法律は1997年にできた。政府の「脳死臨調」での激論も経て、脳死を一律に人の死と認める社会的な合意はまだないとして、臓器移植するときに限って人の死とする妥協が図られた。<br /> 臓器の摘出には本人の書面による意思表示を必要とし、民法上遺言が有効でない15歳未満からの臓器提供の道は閉ざされた。<br /> 与党議員が提出した改正案は、脳死を一律に人の死とし、本人の拒絶がない限り家族の承諾でよいとする案と、現行法のままで臓器提供できる年齢を12歳に下げる案の二つだ。<br /> 前者は子どもの臓器移植への道を開くが、現行法の枠組みを根本的に変えることへの抵抗は与党内にも強い。<br /> 野党議員は逆に、脳死の判定基準を厳しくする案を提出している。<br /> 別の案を作る動きもある。<br /> 現行法の基本を守りつつ、なんとか子どもの移植に道が開けないか、知恵を絞ってほしい。<br /> 21日に行われた衆議院の小委員会の議論は国会のホームページで見ることができる。<br /> 移植医は、日本の子どもが国内で移植を受けられないのは不公平という。小児科医は、子どもの場合、脳死の診断後に何カ月も生きたり脳の機能が回復したりする例もあり、判定は100%完全と言い切れないと述べる。親が子どもの突然の死を受け入れるには時間がかかることも強調した。<br /> そのことをうかがわせる数字がある。心臓停止後にしても16歳未満の臓器提供は昨年がゼロ、その前の2年も1件ずつ。04年の5件が近年では最高だ。子どもの臓器提供は簡単には増えそうにない。<br /> 一方、救急医は、脳死移植を認めつつ、救急現場の厳しい実情を訴えた。<br /> 納得して臓器を提供できるには、最後まで救命の手だてが尽くされることが大前提だ。大人についても同じことが言える。救急現場の疲弊が、ここにも影を落としかねない。<br /> 法の施行以来、脳死移植は81例にとどまる。世界的にもきわめて低い水準であることは間違いない。議論の盛り上がりは社会的合意づくりの好機である。真摯(しんし)な意見調整を注目したい。</p> 2012-08-26T13:51:30+0900 http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/7FkS2weAuj6 tttt http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/7FkS2weAuj6#comments http://pastport.jp/user/tttt/timeline/%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%87%93%E5%99%A8%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%B3%95/event/7FkS2weAuj6