ロバートモリスの創造性

(1962年)

ロバート・モリスによるパフォーマンス。幕が上がると高さ2・4M、幅0・6Mの灰色に塗られた木の柱が現れて、3分半たつと柱は倒れる(モリスが陰で倒す仕組みであったが怪我のため、代わりに綱を引いて倒した)、そして3分半後幕は下りた。これはこのままなんの手もかけずに(柱)と題し、翌年アートとして画廊で展示する予定になっていた
また間もなく開いた最初の個展で異なる2つの作品を展示した。ひとつはデュシャン風の(製作過程の音付きの箱)で、23CMの四角い箱にそれを制作中の金づちや鋸の音の録音テープレコーダーが入っている(この作品の制作指示メモが(アンソロジー)に寄稿される予定だった)このタイプのもう一つは(カード・ファイル)という図書館用のカード・ファイルで一枚一枚のプラスティックの索引ラベルにこれを作る基礎になった抽象観念操作が記してある、これらは自己言及的な作品だ確かにこの作品はその同義反復的な質ゆえに、最初の本物のコンセプチュアルアート作品だとしばしば名指されてきた(バンジャマン・ビュックロー)などによって。
もう一つの作品(リタニーズ)は鍵穴のある小さな鉛張りの箱から27個の鍵がぶらさがっている。それぞれの鍵にはデュシャンが(大ガラス)のために書いた「リタニーズ・オヴ・ザ・チャリオット」というノートからとった単語の一つが1つ1つ彫りこまれていた。これを買った建築家フィリップ・ジョンソンの支払いが滞ったときモリスは同じ作品の複製品を作り、ジョンソン所有のオリジナルからはすべての芸術的内容は撤去されたという旨の鑑定書を添付した。