ポール・コス「融ける氷の音」

(1970年)

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サンフランシスコで、キュレーターでありアーティストであるトム・マリオーニが大げさに「コンセプチュアル・アート美術館」と銘打って開いたオルターナティブ・スペースのオープニングで、ポール・コスは(融ける氷の音)という作品を展示した。11kgの氷の固まりを2個おき、そのまわりに8個のマイクを配置して、音を増幅、録音した(1969年の展示ではコスは、リッチモンド・アート・センターの入口に3080kgの氷塊を置いて封鎖し、来場者に斧を渡して氷を割って美術館に入るよう要請した)1970年の作品では見当もつかない質問が発せられた。融けるとき、氷はどんな音を出すか。だが、トム・マリオーニが並行して展示した作品とともに、この作品も、どこか「フルクサス」的なイベントだった。マリオーニは梯子を昇り、下のバケツに放尿して、観客を仰天させた。