利発そうな小学生、転校生と仲良くなる

(2009年05月)

親の転勤とやらでやってきた転校生は内向的な子どもだった。
中休みも昼休みも皆の輪に入ることはなく、遠巻きで一人で校庭の砂を弄っているような子どもだ。
自己紹介の時の名前も忘れてしまった頃に、一人の子どもが声を掛ける。
「そんなとこにいてたのしい?」
「えっ……あ、うん……」
「ふーん、こっちのが楽しいよ!こいよ!みんなー、今日からこいつもひみつ結社のメンバー!」
「あっ……」
「なんだよ、いやなの?ひみつ結社はうちらにえらばれた男しか入れないんだぞ」
「う、ううん。いやじゃ、ない!オレもなかまに入りたい!」
「じゃあまずはテストをうけてもらうからな!みんないくぞ!あ、おまえ名前は?」
「あ……たか、はし!とうごです!」
「とうごな!おれのことはエージェント・かねみつと呼べ!行くぞ!」

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