三菱重工業、7MW 商用量産

(2015年)

三菱重工業、7MWの巨大洋上風力発電機開発のタイムテーブルを発表

三菱重工業は、アムステルダムで開催されている(11/29-12/1)欧州最大の洋上風車展示会EWEA OFFSHORE 2011で、開発中の7MWの巨大洋上風力発電機を展示し、その開発のタイムテーブルを発表したということです。
このローターの直径が165mを超える大型風力発電機は、ギアドライブに代えて、世界で初めて風車用油圧トランスミッションを採用、発電機はブラシレス同期発電機。2012年に計画する日本での国内検証の後、2013年に欧州において実証試験を行い、2015年からの商用量産を予定しているとのことです。

この欧州最大の洋上風車に関するカンファレンスを受けて、主催者のEuropean Wind Energy Association(EWEA)は「Wind In Our Sails - the coming of Europe's offshore wind energy industry」というリポートを発表、現在建設中の洋上風車の見積もりが現行の設備容量4GWの実に4倍以上の17GWに達し、それらが稼動した段階では、ヨーロッパの電気の消費量の実に13%を稼ぐことになるという驚くべき数字をあげているということです。

・Report Details Europe's Offshore Wind Ambition-----Renewable Energy World,2011/11/29

厳しい経済状況や経済危機の中にあり、業界はその有効性と未来の姿を懸命に訴えています。業界の望むように、洋上風車が発展を遂げるなら、おそらく三菱重工業の7MW機にも商機がありそうです。海外の報道によるとこの風車には、すでに名前がついています。SeaAngelだそうです。ヨーロッパと考えると、エンゼルフィッシュというより”海の天使”という語感です。

プレスリリース / 三菱重工業、2011年11月28日
・油圧ドライブトレインを採用した世界初の洋上風力発電設備概要を展示 欧州最大の洋上風車展示会EWEA OFFSHORE 2011で

-----image(”三菱重工の洋上風力発電設備イメージ図”) : 同リリースより
" 三菱重工業は、欧州原動機事業統括会社であるMitsubishi Power Systems Europe, Ltd.(MPSE)とともに、開発中の洋上風力発電設備の概要を欧州の展示会で発表・展示する。これまでのギアドライブに代えて、洋上風車用油圧ドライブトレインを導入した最新鋭の洋上設備で、油圧ドライブトレインを採用した大型の洋上風力発電設備は世界で初めてとなる。
【三菱重工の洋上風力発電設備イメージ図】
新型洋上風力発電設備の概要を展示するのは、29日から12月1日までの3日間、オランダの首都アムステルダムで開催される欧州最大の洋上風車展示会EWEA OFFSHORE 2011(European Wind Energy Association)。当社が開発中の洋上設備の概要を発表・展示するのは、この展示会が初めて。

展示する洋上風力発電設備は出力7,000kWクラス。ドライブトレインに油圧トランスミッションを採用したのが特徴で、ローター径は165m超。

当社とMPSEは2010年11月、英国の開発ベンチャーであるアルテミス社(Artemis Intelligent Power, Ltd.)を買収、同社の保有する優れた油圧トランスミッション技術を駆使して洋上風車用油圧ドライブトレインの開発に取り組むとともに、翼を含めた新型設備を現在開発中。
今後、2012年に計画する国内検証の後、2013年に欧州において実証試験を行い、2015年からの商用量産を予定している。

EWEA OFFSHORE 2011には、洋上風車関連の事業者、電力会社、製造者、工事・輸送など関係者多数の出席が見込まれているが、当社とMPSEはこの場を利用して開発中の洋上設備の優れた特徴を広く訴え、英国を含む欧州での今後の商談に繋げていく方針。

-----image(”油圧ドライブトレインのイメージ図”) : 同リリースより

新型洋上風力発電設備の主な仕様

出力 7,000kWクラス
ローター径 165m超
Wind class IEC-Class S
ドライブシステム 油圧トランスミッション
発電機 ブラシレス同期発電機
インバーター 不要
.......... "

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