プラダ 2016年春夏メンズコレクション - 70年代の「速度」に思いをはせて

(2022年11月14日)

プラダ(PRADA)の2016年春夏メンズコレクション。お洒落人の渋滞を抜けると70年代の異空間であった。というのは冗談だが、今回のプラダの会場は、ポリカーボネートの透明な波板や平板を天井から現代アートのように吊るしたチープシックな空間。なんとなく映画『007』のスクリーンの中に迷い込んだようなhttps://vogcopy.net/brand-49-c0.html プラダ コピー 通販 旧き良き時代のフューチャリスティックな匂いもある。

什器と同じポリカーボネート製のレターには「S/S16 Men and Women Show」と書かれている。言うまでもなく今はミラノ・メンズ・コレクションの期間中。私の記憶が確かなら、メンズの期間中にはっきりと「Women Show」と記載したブランドは初めてのような気がする。15年秋冬のプラダのコレクションは、今秋の最大のトレンドである“ジェンダーレス”の象徴のように捉えられているが、その評価に対する否定なのだろうか。「主題が一緒なら男女の雰囲気が似寄るのは当然のこと」というミウッチャの心の声がこの何げない一文に現れているような気がした。

コレクションに目を移してみよう。インスピレーションソースはhttps://www.prada.com/ プラダ 70年代の自動車レース「F1」と自転車レース「ジーロ・ディターリア」だろう。カーレースのモチーフは、超ファットタイヤとビッグウイングのF1カーを全面にちりばめたニット、当時のドライバーがかけていたティアドロップ型のサングラス、持ち手と本体をつなぐパーツをホイールとタイヤに見立てたハンドバッグ、映画『栄光のル・マン』でお馴染みのGULFカラーのライトブルーとオレンジのアイテム(とくに整備士のユニフォームを連想させるブルゾン)などで表現している。自転車のモチーフは、70年代のビンディングシューズ風のシューズ、サイクリングジャージをアレンジした半袖セーター、スポーツウェア風のタンクトップなどに反映。その他にもロケット、ウサギ、目のモチーフを多用しており、いつもより少しポップな印象を受ける。

また、2015春夏に提案した“目立つ縫い目”の表現が復活。といっても、今度のステッチは正反対の極細。縫い目の白がチョークで描かれたように浮かび上がったジャケットや、太ももを大胆に露出した丈の短いショートパンツなどに取り入れている。スタイリングの緻密さとラフさのバランス感覚は相変わらず絶妙で、ソックスの重ね履き、80年代に流行した“肩抜き”、袖口の重層的な表現などにチャレンジしている。カラーパレットは、ブラックとネイビーとグレーが主体。そこにワインレッド、ライトブルー、オレンジ、グリーン、イエロー、ブラウンを挿して、遊び心を加えている。

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