【辰南礼視点】天地冥夜

(2018年03月20日)

天地冥夜が呼ばれた。

あいつ、最期は『生きたい』って

俺と過ごして、アイツラと過ごして、そう思ってくれたのか?

ごめんな。生かしてやれなくて。

でも、俺が殺した。
ルーレットを止めたのは俺だ

ルーレット内容が前から決まっていたのだとしても
これを止めたのは俺

俺が殺したから
冥夜がしてほしいっていった通り
俺が

そう……なる、と
アメリア以外は全員 俺 が ?

はは。は…………。

コメント

enokiiii

★辰南様の持っている端末から何か音楽がなるでしょう。
★それはルーレットのアプリからの通知でした。

★『弘原海倖己を連れて行った場所に車が置いてある。最後の別れをさせてやる』

★という物でした。
★その場所に迎えば、黒い車が一台と黒いフードの人物がいます。
★車の後部座席には天地様の死体が座るように乗せてあります。

★何か遺留品で欲しいものがありましたら此方も好きにお取りください。
★政府から黒幕へ選ばれた辰南様への慈悲です。

(此方を気にする様子の紡を置き、校舎から駆け出す。目指すは例の黒い車。黒いフードの男を目にすると、頬を滔々と伝う涙はそのままに)
…………。そこに、いるのか?
(茫とした声音で黒いフードに問う。車内を示されれば、警戒する様子もなく遺体に駆け寄った)

★死体に駆け寄る辰南様に対し、黒いフードの人物は警戒心はあるが辰南様の行動を見ていることでしょう。

(周囲の視線も気にせず車に乗り込む。)

めー、や…………。

(温度が急激に落ちていく頰に手のひらを添える。元々血の気の通わないような肌をしていた幼馴染が、更に白く感じられた。)

銃、で…………。
……………………最後は、めー……冥夜は、何て?
(黒いフードの男性に問う)

★黒いフードの人物は暫く考えた後、天地様の発言した通りの事をお伝え致しました。
★『俺たちの言いなりに絶対にならない』と彫刻刀を自身の喉元へ突きつけた後、小さく『死にたくない』と呟き彫刻刀を取り落とした事など、一連の行動を話しました。

★そして最後に
★『お前たちが死にたくないと踠き足掻いても、俺たちも死にたくないからお前たちを殺す』ということを付け加えました。

(一連の流れについて、静かに耳を傾けて)

死に、たく、ない…………。

(幾筋もの涙を頰へ伝わせたまま、呆然と繰り返した。其処に、彼が知る天地冥夜の価値観との相違があったのかもしれない。)

(彫刻刀は今も現場に落ちていますでしょうか。落ちているのであれば、会話後に回収いたします。もし回収されているのであれば、受け取りたいです。)

(黒いフードの男性が付け加えた言葉に、幼馴染へ向けていた顔を上げると)

お前らも脅されてんの?
俺と同じよーに?

(喋り口は冷静だが、言葉には皮肉が込められている事が感じられるだろう)

…………。

(逡巡するように視線を彷徨わせると、とても小さく抑えた声音で)

コレ、まじで病原菌云々ダケなわけ?
(黒いフードの奥を覗き見るように、ぽつりと問う)

一気に殺した方が……楽だろ。
(こちらもとても小さく付け加えて)

★彫刻刀は黒いフードの人物が回収致しました。
★受け取ることは可能です。
★辰南様の問い掛けに黒いフードの人物は何も答えません。

…………言えば、殺される?
(僅かな動作も見逃すまいと黒フードの奥を見つめるように、小さく尋ねます。微動だにしないのであれば)

冥夜の彫刻刀って回収したんだろ?
それ、くれないか。
俺が死ぬ時に使いたい。
(殺意が感じられない様子で手のひらを差し出した)

★黒いフードの人物は少し身体が動きましたが声を出すことはありませんでした。
★辰南様の希望を聞いた黒いフードの人物はフードを脱ぎました。顔は見覚えのない者です。
★彼の耳元には何か黒い機械が付いていました。
★『彼がこの様なことを言っているが彫刻刀を渡しても構わないか』
★辰南様に聞こえるように声を出した黒いフードの人物は、フードをかぶり直した後、辰南様に彫刻刀を渡します。


(フードを脱ぎ、露わになった男性の耳元に装着されている機械を見つめる。日頃、彼等がブツブツと囁いている言葉は大凡その機械に対するものだと予測した。)
(機械は自身での脱着が難しいように感じますか?(誰かに付けられているか否かが気になります))

…………どーも。
(フードを被り直した彼から彫刻刀を受け取るとペン回しの要領で指先でクルクルと弄び)

およそ残り1カ月……『黒幕様』だったか。
何の覚えもねえけど、やりきりますよ。
(自嘲気味に笑うと指先で躍る彫刻刀をズボンのポケットに突っ込み)

アンタ″ら″も″色々″あるんだろーけど、暫くはヨロシク。
(黒いフードの男を覗き込むように首を傾げて言った。いつの間にか涙は止まっていたのか、不意に天地冥夜に向き直り)

…………。
(そろ、と手を伸ばすと彼の前髪を留めているピンに触れる。緩やかに引き抜こうとして……手を止めた。遺体へ語りかけるように口を開き)
…………コレは、冥夜が変われた……死にたくないって思えた証だよな。俺が貰う訳にはいかねーや……。
(くしゃりと顔を歪めると、ほんの少しずらしたピンから手を退けた。身体が硬直しつつある彼の頭を数度撫でると、黒いフードの男性から見えない角度で一度触れるだけのキスをした。名残惜し気に身を引き、車から降車して)

…………ありがと。
もー後は、アイツらに少しでも余生楽しんで貰えるよーに行動するだけだから。
(天地冥夜に手を掛けただろう相手に、どこか空虚な笑みを浮かべて伝える。その表情からは僅かに安堵すら感じられるかもしれない。)

じゃあな。
(ポケットの彫刻刀を確かめるように触れ、黒いフードの男性の反応が特に何もないようであれば学校へ向かって踵を返すだろう。)

★機械は誰かに付けられているか否かは分かりませんが外そうとしないということは『外せない』何かがあると思われます。

★辰南様の一連の行動を見た後、後部座席の扉を閉め、黒いフードの人物もまた車に乗り込みその場を去ります。



★こちらは黒幕の辰南様の特権ですので、これを天地様に主催がお伝えすることは出来ません。
★辰南様が黒幕でありながら彼のことを好きでいるならこちらの行動は不自然ではないと思いご提案致しました。

enokiiii

天地冥夜に『死ぬなら辰南礼に殺されたい』と言われており、結果はあの通り、黒フードの人物が手にかけることになった。
辰南礼としては天地冥夜の最後の願いを叶えてあげられなかったことを合理化するために『ルーレットを止めた=俺が殺した』と思い込み始めた
ルーレットを止める前から結果が決まっているだろうことは、確定的ではいにしろほぼ確実だと知っているのに。