四国電力、原発が再稼働できない際の電力確保へ長期停止中の火力再開工事開始
(2011年09月12日)2011年9月12日
四国電力、原発が再稼働できない際の電力確保へ長期停止中の火力再開工事開始
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四国電力は、長期計画停止中だった阿南火力発電所(徳島県阿南市)2号機の運転再開工事を始める。定期点検に入ったまま運転を停止している伊方原子力発電所(愛媛県伊方町)3号機が再稼働できない際の冬の電力確保の一環。12月上旬の運転を目指して点検と修繕を行う。冬は暖房用などの電力需要が高まり、原発を運転しないと供給不足に陥ることが懸念される。
阿南火力発電所2号機は22万kWの出力がある。2010年3月から、中長期的な需給状況、設備の経年劣化の状態や経済性などを踏まえ、一定期間運転を止める長期計画停止の状態になっていた。阿南火力発電所は現在、3号機と4号機が運転中で、出力はどちらも45万kW。1号機(出力12万5000kW)は2002年4月から長期計画停止している。
伊方原発3号機は、4月29日に定期点検を始めた。7月10日の送電再開を予定していたが、地元の理解が得られないと判断して見送った。その後、国からストレステスト(耐性評価)の一次評価を実施するよう指示があり、再稼働を目指して作業を進めている。89万kWの出力があり、冬までに再稼働できないケースも想定して、阿南火力発電所2号機を運転することにした。
伊方原発は1号機(出力56万6000kW)も9月4日に定期検査に入り、現在稼働しているのは2号機(出力同)だけとなった。1号機の送電開始は11月16日の予定だが、3号機が運転を始められないと、1号機の再稼働は事実上困難な状況。千葉昭社長は、8月30日の会見で「運転再開遅延の長期化の備えとして、あらゆる観点から供給力対策の検討を進める」と話している。(日経BP環境経営フォーラム)
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