参考:(歴史と向き合う)エピローグ 未来を切り開くには (三浦俊章)【朝刊】

(2007年03月01日)

“ インタビュー編で登場したナショナリズム研究者の小熊英二さんは、「被害」と「加害」の議論が不毛な二元論にとどまっていることを指摘した。平凡な日常から戦場に駆り立てられた被害者である兵隊が、その非人間的な環境ゆえに現地の人に加害者として振る舞うメカニズムがある。被害者であるがゆえに、加害者にもなる。昨今の議論は、その点を見落としているのではないか。
同じくインタビュー編で韓国の日本文学研究者朴裕河(パクユハ)さんは、加害者としての日本のナショナリズムを糾弾する韓国が、自らの被害者としてのナショナリズムに無批判だと疑問を投げかけた。国家の名の下に行われる非人間的な行為や暴力を克服すること。ナショナリズムを超えることでしか両国民の和解は達成できないという考えだ。”

“●単行本パート2は4月発売
この年間企画の前半は朝日選書「戦争責任と追悼 歴史と向き合う1」(定価1260円)として発売中。後半部分も、同選書から「『過去の克服』と愛国心 歴史と向き合う2」として4月に刊行予定です。”

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