【森下安道】河村良彦と面談し、絵画ビジネスを吹き込む。
(1989年10月)河村が
平成元年十月中ごろ
アイチ会長森下安道と
伊藤寿永光が同席のうえ、
立川(株)の経営権譲渡をめぐる
秘密協定書調印のため面談した際、
森下から
絵画取引の収益性の高いことについて
相当煽られたようだ。
森下会長のアイチの本業は金融業で、
その傘下には
「ファクタリング・アイチ」
「ナフコファイナンス」
「サンライフ」等の関連会社をもち、
その総資産は五,四〇〇億円を越える発展ぶりである。
しかも森下は
昭和六十三年十一月
東京・青山に「アスカ・インターナショナル」という画廊を開設し、
絵画ビジネスに大々的に進出していった。
国内のみならず、
海外でも平成元年夏、
英国の美術競売会社で世界的に有名な
クリスティーズの株式七.三%を
約七十六億円で買収し、
一躍第二位の株主に躍り出た。
同国のデーリー・テレグラフ紙、
インデペンデント紙も
これを報道したぐらい
ニュース・バリューがあったようだ。
(日経新聞平成元年十月二十六日夕刊)
森下は若い時分から絵画が好きだったようで、
写楽の版画を一時払の金がないので、
月賦にしてもらってやっと買ったというエピソードを
雑誌かなにかで読んだ記憶がある。
個人に絵画に対する趣味と審美眼がないと、
やはり絵画事業の展開は無理ではないかと思われる。
森下個人もルノワール、モネ、ロートレック等
印象派中心のコレクションを相当数保有しているようだ。
http://angel.ap.teacup.com/gamenotatsujin/394.html
河村社長が伊藤萬所有の「立川」株式を
「アイチ」に譲渡することを約束し、
河村社長は後に謝礼10億円を得る。
https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/32026/1/46(1)_P72-86.pdf
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