【スペイン政府】カタルーニャ州の自治権停止を決定。(憲法155条)

(2017年10月27日)

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スペイン北東部カタルーニャ州の州議会による一方的な独立宣言を受けて、
スペイン政府は自治権を停止するという初めての措置に踏み切りました。

州首相を更迭するなど、州政府を事実上、
中央政府の管理下に置くことになり、
地元住民がさらに反発を強める事態も予想されます。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171028/k10011201411000.html?utm_int=detail_contents_news-related_001
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憲法155条に基づく州政府の自治権剥奪は
これまで前例がなく、その後の展開が読みにくい。

同条を抄訳すると、

(第1項)
自治州が憲法やその他の法律上の義務を履行しない場合、
またはスペインの国益を著しく損なう行為に着手する場合、
中央政府は当該自治州の首相に通告し、
回答が得られない場合、議会の絶対過半数の支持の下、
当該自治州に対してその義務に従うことや、
前述したスペインの国益を守ることを強制する手段を採ることができる。

(第2項)
前項の手段を実行するにあたって、中央政府は
自治州の全ての機関に命令を下すことができる。

http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/pdf/macro/2017/tanaka170927spain.pdf
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わずか「3時間」の独立

その間もマドリードの上院はまだ審議中で、
それからほぼ2時間が経過して可決。

その後、直ぐに閣僚会議に入り、
カタルーニャで独立宣言がされたあと3時間ほど経過して、
ラホイ首相が記者会見に臨んだ。

そして、閣議で決定された以下のことを伝えた。

◎ ソラヤ・サエス・サンタアリア副首相が
カタルーニャ自治州の暫定州知事に就任。

彼女は国家弁護士で、
ラホイ首相が野党党首の時から右腕として活躍。

優れた参謀役を発揮している。

◎ プッチェモン州知事とジュンケラス副州知事を始め閣僚全員の解任。

◎ 自治州警察はトラペロ警視総監を解任し、
スペイン政府内務省の管理下に置く。

◎ 自治州の各省には
スペイン政府の該当する省から人材を派遣して指揮する。

その中でも一番重要な財務省には
スペイン政府のモントロ財務相と
デ・ギンドス経済相の管理下に置く。

◎ カタルーニャ州外務省の閉鎖。

スペインの各自治州で唯一存在しないのは外務省である。
それはスペイン中央政府が担うからである。

しかし、カタルーニャ州政府はそれを無視し、
しかも憲法裁判所でも違法であるされているのも無視して、
ヨーロッパ地域を中心に11か国に
「カタルーニャ大使館」を設けていたのである。

今年の予算は3960万ユーロ(51億4800万円)だという。

これも勿論、公的資金を使っていた。

近い将来50か国に「カタルーニャ大使館」を設けるとしていた。

これも独立の為に
外国でカタルーニャのことをより知ってもらうための広報機関だった。
(参照:「El Confidencial」)

◎ 12月21日を州議会選挙日とする。

https://hbol.jp/153525/2
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