【日刊ゲンダイ】また偽装発覚…安倍首相が施政方針演説で巧みな“錯覚工作”
(2019年03月17日)施政方針演説のトリックが発覚――。
15日の衆院文部科学委員会で
川内博史議員(立憲民主)が問題にしたのは、
今年1月28日に行われた
安倍首相の施政方針演説の次のくだりだ。
「児童扶養手当の増額、
給付型奨学金の創設を進める中で、
ひとり親家庭の大学進学率は
24%から42%に上昇し、
悪化を続けてきた子どもの相対的貧困率も、
初めて減少に転じ、大幅に改善しました」
誰もが、安倍政権の政策が
奏功していると思ってしまうが、デタラメだ。
ひとり親家庭の大学進学率42%の調査は、
16年11月に行われた。
一方、児童扶養手当の増額は16年12月、
給付型奨学金は17年4月から
それぞれ実施されている。
つまり、両政策とも、
進学率の向上に貢献しようがないのである。
川内議員に突っ込まれた
厚労省子ども家庭局の藤原朋子児童虐待防止等総合対策室長は、
「一連の施策の例示を述べたもの」とかわそうとしたが、
最後は「直接の因果関係はない」と認めざるを得なかった。
「進める中で」という微妙な表現でつないでいるところを見ると、
国民の錯覚を誘う“確信犯”であることは間違いない。
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