【WHO】一転して「緊急事態」を宣言。( 医療のぜい弱な国への感染拡大を懸念)

(2020年01月31日)

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新型コロナウイルス肺炎患者の拡大に伴い、
1月30日夜、
WHO(世界保健機関)は
再び緊急会議を開き、
テドロス事務局長は
緊急事態を宣言せざるを得ないところに追いやられた。

それでもなお、テドロス事務局長は
記者会見で
主として以下のように述べている。

1.WHOは新型肺炎の発生を制御する中国の能力に自信を持っている。

2.中国への渡航や交易を制限する理由は見当たらない。

3.しかし医療体制の整備が遅れている国への感染拡大防止を支援しなければならない。

一般に緊急事態宣言が出されれば、
WHOは
発生源となった国への渡航制限や
物流の規制を設けて
さらなる感染の拡大を防ごうとするものだ。

しかし今回は全く異なり、
体裁上「緊急事態宣言」をしたものの、
実質的には
中国への打撃を
最小限に食い止めたものに過ぎない。

(中略)

WHOのテドロス事務局長(エチオピア人)と
習近平国家主席とは
入魂(じっこん)の仲である。

テドロスは
2005年から2012年までは
エチオピアの保健大臣をしていたが、
2012年から2016年までは外務大臣を務め、
中国の王毅外相とも非常に仲が良い。

エチオピアは
「一帯一路」の要衝の一つで、
たとえば鉄道建設などにおいて
中国が最大の投資国(85%)となっている。

チャイナ・マネーなしでは
エチオピアの国家運営は成り立たない。

そのことを熟知している中国は、
それまでの香港のマーガレット・チャンWHO事務局長の後任選挙で
テドロスの後押しに走り回ったが、
2017年5月23日のWHO総会における選挙で
見事に成功している。

中国の狙い通りテドロスが当選し、
2017年7月1日に
事務局長に就任したわけだ。

前任のマーガレット・チャンに関しても
中国が水面下で動いていたが、
習近平政権になってからの
チャイナ・マネーの威力は尋常ではない。

テドロスは、
今年1月23日のWHO緊急会議で
新型コロナウイルス肺炎に関する
中国への緊急事態宣言を延期した後、
すぐさま中国を訪れ
「さらなる視察」をした。

しかし「視察先」として行くべき武漢には行かず、
北京の人民大会堂で
習近平国家主席と会談しているのである。

「中国の現状を詳細に理解するため」としているが、
何のことはない「習近平から中国が
如何に立派に予防措置をしているかを
刷り込まれるため」であったことは
誰の目にも明らかだろう。

事実、1月28日付の新華網は、
習近平と会談したテドロスが
概ね以下のように述べたと伝えている。

――中国政府が打ち出している政治的決心は尊敬に値する。

習近平自身が自ら率先して予防対策と治療に関する指揮を行い、
国を挙げて全力を注いでいるその姿は絶賛に値する。

中国人民を守るだけでなく
世界人民をも守ろうとするその姿勢に、
WHO事務局長として感謝する。

この日同時に、国連のグテーレス事務総長が
「ほぼ同じ言葉」を用いて、
中国を絶賛したのは注目に値する。

グテーレスはポルトガル人。

中国の特別行政区であるマカオを
かつて植民地支配していたのはポルトガルなので、
その関係を通して、「中国とグテーレス」は
非常に緊密な関係にあり、
2016年末で国連事務総長の任期が切れる
潘基文(パンギムン)に代わって
グテーレスを次期事務総長に押し上げるべく
水面下で活発に活動したのも習近平政権だ。

委員会のあと記者会見したテドロス事務局長は、
感染がほかの国でも拡大するおそれがあるとして

「国際的に懸念される
公衆衛生上の緊急事態」

だと宣言しました。

そして貿易や人の移動を制限することは
勧告しないとしたうえで、

医療態勢がぜい弱な国を支援すること、
ワクチンや治療法、
それに診断方法の開発の促進、
風評や誤った情報が拡散することへの対策、
データの共有などを行うべきだとしています。

https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20200131-00161213/

WHOは
今月22日と23日にも
緊急の委員会を開きましたが、
緊急事態にはあたらないと判断していました。

緊急事態の宣言は、
2009年の豚インフルエンザや
2014年のポリオ、
そして去年7月の
アフリカ中部でエボラ出血熱の感染が拡大した際など
これまでに5回出されています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200131/k10012266621000.html

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