【フォーブス】「渡航制限」はコロナ拡大防止に悪影響、専門家が相次ぎ指摘。

(2020年02月17日)

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新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により、
世界経済が被る経済的損失は
2000億ドル(約22兆円)に達すると、
金融リスク管理会社ムーディーズ・アナリティクスは試算した。

損失の大半は、
中国での厳しい移動制限や、
隔離によるものだ。

しかし、問題は
このような対策でも感染拡大が防げず、
さらなる事態の悪化を招いてしまうことだ。

米国のジョンズ・ホプキンス健康安全センターの
上級研究員、
ジェニファー・ヌッゾは

「感染拡大を食い止めるために
強行措置が取られた結果、
逆効果となってしまった例はいくつもある」

と話す。

最も厳格な措置がとられた中国の武漢では、
周辺の都市との行き来が完全に遮断された。

それに伴い
60カ国が中国への渡航を制限した。

民間航空会社も中国便の運航を停止し、
バルセロナで開催予定だった見本市
「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」が中止になるなど、
大規模カンファレンスの中止も相次いでいる。

ムーディーズは
これらの感染拡大防止措置により、
世界のGDP成長率が
最大0.3%引き下げられ、
被害額は2000億ドルを突破すると予測した。

これまでの対策で
被害の拡大が防止できるとすれば、
ありがたいことだ。

しかし、問題は
それほど単純ではない。

ヌッゾによると
武漢で実施された都市の閉鎖により、
状況はむしろ悪化したという。

なぜなら
ウイルスに感染した人々を閉じ込めることで、
感染拡大が進んでしまったからだ。

正しい選択肢は、
隔離にフォーカスしたアプローチだったと
彼女は述べている。

医師への報告を正しく行い、
都市の衛生環境を高めるべきだったと
ヌッゾは指摘した。

クルーズ船のダイアモンドプリンセス号の事例でも、
同じことがいえる。

3700人を乗せたクルーズ船は
日本の保健当局によって、
2月初旬から横浜港で
完全に隔離された状況に置かれた。

通常の状況であれば、
乗客は検疫を受けた後、
感染していなければ下船を許される。

しかし、プリンセス号では
全員が船内に隔離されたままにされ、
200人以上の乗客や乗員に
感染が広がってしまったのだ。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200217-00032400-forbes-int

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