トイレットペーパー買い占め騒動は、テレビによる報道が原因だった。

(2020年03月18日)

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新型コロナウイルスの流行で
買いだめが起き、
品切れが続くトイレットペーパー。

しかし、関谷直也・東京大准教授(災害社会学)らの調査では、
多めに買っている人は
ごく一部であることがわかりました。

なぜ購入に駆り立てられるのでしょうか。

報道の影響や、
山積みのトイレットペーパーの映像を見ると
かえって不安になる心理について、
関谷さんに聞きました。

――店頭のトイレットペーパーが消えたきっかけは
「トイレットペーパーが不足する」
というSNS上のうわさだと言われます。

「私たちがサーベイリサーチセンターと行った調査では、
そのうわさをSNSで知ったという人は10%にすぎません。

半数近くは
テレビでそのうわさの存在を知り、
また品切れの状況をテレビや直接見て知っています。

トイレットペーパーに限らず
買いだめは他国でも起きており、
一つのうわさが原因ではないのです」

――テレビは有力な情報源なのですね。

「コロナについて不安を持つ人が多いから、
新しい情報を求めていつも以上に、
必要以上に情報に敏感になっています。

ウイルスは肉眼で見えないので、
テレビで『画になる現場』として、
ドラッグストアの空の棚が
繰り返し報道されたのです」

――工場や大型店に
大量のトイレ紙がある様子も報道されました。

安心を呼んだのでしょうか。

「不安をあおるという意味では、
トイレ紙がたくさんあるシーンも
ないシーンと同じです。

消費者にとっては、
自分が実際に買える店に
商品がなければ意味がありません。

山積みの映像と
目の前の現実のギャップが、
不満と不安をかき立てます。

『あるところには
こんなにありますから
落ち着いてください』

というメッセージの出し方は、
逆効果です」

https://www.asahi.com/sp/articles/ASN3J64BKN3JUPQJ00S.html

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