【ドイツ】7年ぶりに新規国債を発行。(総額18兆円。借金ゼロは封印)
(2020年03月23日)ドイツのメルケル政権は23日、
新型コロナウイルスの感染拡大を受けた
経済対策を発表した。
財政黒字を維持して
新規国債発行をゼロにする
財政健全路線を封印し、
1560億ユーロ(約18兆円)の国債を発行して
零細企業や個人事業主への支援などを進める。
さらに経済安定ファンドを通じて
最大6000億ユーロの企業の債務保証、
出資などを実施する。
ドイツが新規に国債を発行するのは7年ぶり。
ドイツでは
基本法(憲法)で
均衡財政が義務付けられ、
新規の国債発行は国内総生産(GDP)の
0.35%までに制限している。
メルケル政権は
2019年までの6年間、
新規の国債発行をゼロに抑え、
この原則を守り続けてきた。
そんなドイツが
方針を大きく転換するのは、
新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、
経済が崩壊の瀬戸際に追い込まれているためだ。
ドイツは
感染拡大を防ぐために
食料品などを除く商店を閉鎖にし、
22日には
飲食店や理髪店などの営業停止も決めた。
需要が蒸発したことで、
経済の屋台骨であるフォルクスワーゲンやBMWなどの
自動車産業も工場の操業停止を決定。
航空大手のルフトハンザが
政府に支援を求めるなど、
企業の大小を問わずに不安が広がっていた。
基本法が定める均衡財政ルールには
例外規定がある。
自然災害や
国の財政を揺るがすような異常な緊急事態が起きた場合に、
連邦議会(下院)の同意を条件に
上限を超えて
国債を発行することができる。
メルケル首相は
「必要なことは何でもやる」
と明言しており、
今回はこの規定を用いて
大規模な補正予算を編成する。
国債発行で調達する1560億ユーロのうち、
335億ユーロは
減少する税収の穴埋めにあてる。
残りの1225億ユーロが
補正予算の規模となる。
具体的には
零細企業や個人事業主への資金援助を進める。
さらに
2008年の金融危機後に活用したファンドを
「経済安定ファンド」に模様替えして、
最大4000億ユーロの企業債務を保証する。
1000億ユーロを企業への出資に、
さらに1000億ユーロを
緊急融資を進めるドイツ復興金融公庫に融資する。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57113150T20C20A3FF1000/
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