【アメリカ】ホワイトハウスの医師が、食品店や薬局にも行かないよう呼びかける。
(2020年04月04日)「この2週間が肝心。買い物にも行かないで」
4月4日夕、
ホワイトハウス定例会見の中継で、
新型コロナ対策チームの
デボラ・バークス医師がこう発言した。
「この2週間が肝心です。
今こそが、
食品店にも薬局にも行かず、
家族と友人を守るために
あらゆる手を尽くすべきです」
「爆発的感染」の最中にあるニューヨーク州をはじめ、
事実上の外出禁止令を出している多くの州で、
感染カーブがピークにさしかかっている。
これ以上の感染を防ぐには、
今こそ最大の行動制限を、
と呼びかけた。
それでも耳を疑った。
食品店やスーパー、薬局の営業を禁止するわけではないが、
ホワイトハウスの医師が「行くな」と言っている。
店舗は密閉空間でもあり、
多くの人が出入りすることで、
ウイルスに接触する可能性が増すからだろう。
翌々6日、
意を決して
配達してもらえない日本食スーパーに
朝一番で出かけた。
2週間は買い物に行かないことを決め、
感染ピークが過ぎるまでの最後の買い出しだ。
住んでいるクイーンズからマンハッタンまで地下鉄に乗る。
地下鉄に乗るのも19日ぶりでドキドキしたが、
1車両に2、3人しかいない状況だ。
店内も空いていたが、
レジに行くと、生の人間と話をしたくて、
思いつきで会話を始めた。
黒い丈夫なマスクをした女性店員だ。
「マスクはありますか?」
「すみません、ないんですよ。
病院に先に行ってしまって。
いつ入荷することやら」
「いえ、作ればいいんですけど、
使い捨てが少なくなると不安になって」
「私も
間にペーパータオルを挟んで
何回も使っています」
どうということもない会話だが、
オンラインではなく
人と話をしたことに
少し明るい気持ちになった。
スーパーではカゴにも触らない
ところが、クイーンズに戻り、
近所の大型スーパーに行くと、
様相はガラリと変わり、殺気立っていた。
明らかに、
自宅待機に入る前の3月上旬に続き、
第2の「買いだめ」が起きている。
多くの人がマスクと手術用手袋をまとい、
特に若者は人が触れるカゴやカートを避け、
布製のマイバッグに直接商品を入れている。
誰も目を合わせようともしない。
政府から指示されている180センチの「社会的距離」を確保するため、
すれ違う時に立ち止まったり、
棚に張り付いたりビクビクしている。
ここには1週間前にも来たが、
商品棚も一変している。
1週間前に空だったのは
トイレットペーパー、
石鹸、パンなどだけ。
今は、ガラガラの棚が目立つ。
トイレットペーパーだけでなく、
キッチンペーパー、
食事の紙ナプキンまでない。
すぐに必要とは思えないラップや
調味料の棚までスカスカだ。
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