【日刊ゲンダイ】「1世帯30万円給付」は8割が対象外。
(2020年04月07日)政府は7日、
1世帯あたり30万円の現金給付などを盛り込んだ
緊急経済対策を決定。
当初の「1人10万円」案から
“金額”だけは膨らませたが、
世帯当たり給付に後退した。
受け取れる条件も厳しく、
安倍政権のケチケチしたコロナ対策が
浮き彫りとなっている。
政府の原案によると、
給付対象は
世帯主の
2月以降の収入が
1月以前と比べて、
①減少した住民税非課税世帯
②半分以下に減少し、
収入が年収換算で
住民税非課税世帯の2倍以下に減った世帯
――に限られる。
例えば、
単身世帯では
年収100万円以下が
住民税非課税となるため、
月収8.3万円以下が給付要件だ。
条件が限られる上、
収入減少を自己申告しなければならないから、
受け取るためにはかなり面倒くさい。
労働問題に取り組むNPO「POSSE」の
渡辺寛人事務局長が
こう指摘する。
「対象となる非課税世帯は
かなり限定されています。
条件を満たすのは、
生活がもともと厳しい世帯でしょう。
加えて、
シングルマザーや障害者、高齢者などは、
収入減少を証明する書類をそろえるのが
そもそも大変です。
自己申告制が本来、
給付を受け取れる人を排除する恐れがある上、
所得制限を設けることによって
受け取れる人とそうでない人の
“分断”を生んでしまう可能性があります」
政府が給付対象としているのは、
5300万世帯のうち1300万世帯。
約8割の世帯が受け取れない。
欧米に比べて、
“やってる感”しかないのが現実だ。
■米国では大人1人13万円
米国では
年収7万5000ドル(約825万円)以下の
大人1人につき現金1200ドル(約13万円)、
子ども1人につき500ドル(約5万5000円)を支給。
英国は
休業せざるをえなくなった従業員の給与の8割、
1人あたり月額最大2500ポンド(約33万円)を
政府が負担するとしている。
「日本政府の
生活保護行政の運用のあり方が、
今回の現金給付をめぐる対応にも
反映されていると思います。
日本では
生活保護を受けられる人のうち、
実際に利用している人の割合(捕捉率)は
15~20%程度と言われています。
ヨーロッパ各国では
この捕捉率を上げることを目指していますが、
日本では逆。
『いかに制度を使わせないようにするか』
という発想で運用がなされてきました」(渡辺寛人氏)
ドイツは
コロナ対策の一環として、
収入と資産をチェックする生活保護制度の要件を緩和。
収入の申告のみで受け取れるようにしたという。
安倍首相も
「国民の生命と財産を守る」つもりなら、
少しは見習ったらどうか。
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