ウイルスの遺伝子情報から感染経路を追跡したレポートが公開。

(2020年03月15日)

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新型コロナウイルスに関しては、
いまだ不確定要素だらけで、
世界各国が
手探りで感染拡大防止に取り組んでいる状況だ。

こうしたなか
科学者らが、
5大陸で採取された新型コロナウイルスの遺伝子配列から
感染経路を追跡。

遺伝子情報の解析と視覚化ができるオープンソースツール
「Nextstrain」を利用して
レポートを公開している。

新型コロナウイルスのルーツ
およびどのように広がったかを知ることは、
次なる手を打つうえでも重要だろう。

・169もの遺伝子情報を解析

研究者らは
169もの遺伝子情報の解析から、
現在の新型コロナウイルスの系統をマッピング。

感染源や感染の時期などをビジュアライズした。

レポートでは、
動物からヒトへの感染が
中国武漢での一度だけであり、
あとはヒトからヒトに感染が広がったことが示されている。

そして、
現在のような広がりを見せているのは、
必ずしも中国渡航者からの
直接的な持ち込みとは限らないという。

・単一の感染源がクラスタを形成しエリアでの感染拡大に

例えば
イタリアでの感染拡大は、
ローマからのものと、
北イタリアのロンバルディアからのものと
2系統あるようだ。

そして
イタリアでの感染が元となって、
メキシコ、ドイツ、ブラジル、フィンランドなどで
クラスタを形成。

一方、ドイツでのクラスタは
中国由来の可能性が高いという。

また、
急増するアメリカの感染者についても
ルーツを説明してくれている。

まずシアトルエリアの感染源については、
中国由来の感染源が少なくとも2度持ち込んだか、
一定期間未検出の状態で感染拡大したか
……との2つの可能性が示されている。

一方ワシントンエリアのものは、
シアトルエリアから持ち込まれてクラスタを形成。

コミュニティ内で広がったようだ。

同レポートは
英語だけでなく
日本語でも読めるようになっているので、
ぜひ参照いただきたい。

https://techable.jp/archives/119021

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