【イタリア】高齢者施設などで"隠れ死者"が増加。
(2020年03月18日)新型コロナウイルスの感染拡大による
イタリア国内の死者数が
公式統計で2500人を超える一方、
イタリアの高齢者介護施設では
1日数十人が
ウィルス感染の検査を受けずに死亡している。
新型コロナによる実際の死者数は
公式発表の数を上回っている可能性をうかがわせる。
イタリアでは、
新型コロナウイルスの陽性確認件数が
公式データで3万人近くに達しており、
最初に感染が生じた中国を別とすれば
世界最多となっている。
だが検査については厳しい基準があり、
いわゆる「スワブ法」による検査を受けられるのは、
通常、入院した重症患者のみである。
詳細なデータは入手できないものの、
当局者、看護師、親族らによれば、
新型コロナウイルスが確認されて以来、
感染拡大が最も深刻な
イタリア北部の高齢者介護施設では
死者数が急増している。
だが、その状況は
新型コロナウイルス関連の統計には
反映されていない。
「亡くなった場所が
自宅や高齢者介護施設で、
ウィルス感染の検査を受けていないために、
感染による死亡と見なされていない例が
かなりの数に上っている」
と
ベルガモ市長の
ジョルジオ・ゴリ氏は言う。
<死者数が「不自然な」増加>
ゴリ市長によれば、
ベルガモでは
今年3月の最初の2週間で
164人の死者が発生し、
そのうち31人が
新型コロナウィルスによるものとされている。
これに対して、
昨年同時期の死者数は56人だ。
新型コロナウィルスによる31人を足したとしても、
昨年に比べて77人も死者が増えた計算になる。
ウィルスによる実際の死者は
公式に記録されているよりも
かなり多い可能性を示唆している。
イタリア北部の街クレモナにある
460人収容の高齢者介護施設
「クレモナ・ソリダーレ」の
エミリオ・タンツィ所長は、
高齢者介護施設は、
高齢者を中心に犠牲を生んでいる
今回の危機の最前線に置かれているが、
それにもかかわらず
十分な支援が得られていない、
と話す。
タンツィ氏は、
イタリア国内で
感染拡大が加速しはじめた3月2日頃から、
介護施設での死亡が
かなりの幅で
「不自然に」増えていたという。
だが、
これが新型コロナウィルスによる
疾病「COVID-19」によるものかどうかを
知る方法はなかった、
と同氏は言う。
タンツィ氏は
全体の数字については伏せているが、
同氏の施設では、
先週のある1日だけでも、
新型コロナウィルスに関連する症状である
呼吸困難を伴う患者18人が亡くなったという。
「検査が行われていないから、
新型コロナウィルスによる死者かどうかは分からない」
と彼は言う。
「しかし確かに、
高熱と呼吸困難は見られた」
「もし新型コロナだと分かっていれば、
こうした患者を適切に隔離して、
蔓延を防ぐことができただろう」
<介護施設は「見捨てられた」>
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-italy-homes-idJPKBN21619R
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