反米派の翻訳家が、「オーバーシュート」は、日本の造語ではないかと指摘。
(2020年03月20日)「オーバーシュート overshoot」なる用語について
(この用語で
「爆発的な感染拡大」を言う英語の実例が
ほとんど確認できない件)
3月17日(日本時間では18日早朝)の
アイルランドでの首相の
素晴らしいスピーチの余韻も冷めやらぬ中、
今度は日本で、3月19日の夜、
政府の専門家会議が
新型コロナウイルス感染症について検討した結果を、
記者会見で広く一般に伝える、
ということが行われた。
ネットで生中継されていたので
私も何となくつけていたが、
アイルランドに「言葉の力」をこれでもか、
これでもかと見せられたあとで、
日本では
標準的なものではあるが、
言葉に全然力のない、
間延びした物言いを聞き続けているのは、
正直、非常につらかった。
それでも
そこで語られていることは重要なことで、
ちゃんと聞いておかないと
……と思ってはいたのだが、
英文法の本を読みながら聞いていて
(全然ちゃんと聞いてない)、
途中でトイレに行きたくなって、
ついでにお茶を入れるなどしていたので、
結局、ろくに聞かずに終わってしまった。
しばらく経ってから、
会見の内容をまとめた記事が
そろそろ出ているのではないかと
Yahoo! Japanのトップページを見てみると、
Twitterで話題になっている語句を表示する
「リアルタイム検索で話題のキーワード」の欄に、
「オーバーシュート」という語が出ていた。
この語と一緒に
「つぶやかれているワード」から
専門家会議の会見での言葉だ
ということはすぐにわかった。
私にはなじみのない言葉だが、
会見で出てきていたか。
どういう文脈で出てきてたんだっけ?
リアルタイム検索を見ると、
「アウトブレイク、パンデミック、クラスター、などなど、
カタカナ語ばかりでいやになる」
という主旨の発言が並んでいた。
「キャプテン翼か」みたいな発言もいっぱいあった
(「それはオーバーヘッドシュートだろう」と突っ込むべし)。
そういう中に、
私が自民党の国会議員だと認識できる名前の方
(どなただったかは覚えてない)が
「オーバーシュート(爆発的感染拡大)」
と記載しているツイートがあった。
この記述は
「オーバーシュートという専門用語があって、
それは『爆発的感染拡大』という意味だ」
ということを含意する記述である。
「オーバーシュート」ってovershootでしょ。
「飛行機が着陸地点を通り越して飛んでいく
(そして、場合によっては
本来の着地点とは外れたところに
着陸してしまう)」
ことに使う語だが、
「爆発的感染拡大」なんていう語義あったっけ?
……というのが最初の反応。
次にすることは、
とりあえずネットで簡易的に
辞書を引くことだ。
はい、コリンズ:
https://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/overshoot
オクスフォード:
https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/english/overshoot?q=overshoot
どちらもだいたい同じ。
「自分が止まろうとしていた地点よりも
遠くに行ってしまうこと」(先述の飛行機の例)、
また
「最初に考えていたよりも
多くのお金を使ってしまうこと」。
もう少しかみ砕いて考えると、
「何かを物理的に飛び越してしまうこと」
(overした状態にまでshootする)と、
その意味を比喩的に展開して
「何かを超過すること」。
どちらも動詞だが、
名詞としての用法もある。
(リンク先に続きあり)
https://nofrills.seesaa.net/article/the-unbearable-lightness-of-the-way-they-treat-the-words.html
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