夜行バスに若者次々 「東京出られなくなる」 週末控え、予定早め帰省
(2020年03月28日)首都圏の自治体などが
外出自粛を要請した週末を前日に控えた27日夜、
東京・新宿の高速バスターミナル「バスタ新宿」では、
荷物を抱えたマスク姿の若者らが
次々と夜行バスに乗り込んでいた。
「東京から出られなくなるかも」。
新型コロナウイルスの
都内での感染者が急増する中、
帰省の予定を早めた人もいた。
「東京から出られなくなるかと思った。
帰れそうでほっとした」。
就職試験のため上京した
専門学校1年の佐々木沙彩さん(19)=仙台市=は、
予定を2日早めて
盛岡市の実家に帰省するため、
ベンチで盛岡行きのバスを待っていた。
友人と会うつもりだったが、
小池百合子都知事の
「ロックダウン(都市封鎖)」発言を受け、
家族から早く帰るよう促されたという。
「東京では、
電車の中がすごく怖かった」
と振り返った。
大学を卒業したばかりの
吉田周篤さん(22)=奈良県大和高田市=も、
ファッションモデルのアルバイトを3日残し
帰宅することにした。
外出自粛の要請や
都内のスーパーで買いだめが起きるのを見て、
「早く帰った方がいいと思った」
という。
「東京にいる方が怖い」と話すのは、
名古屋に出張に向かう
単身赴任中の男性会社員(49)=東京都中野区=。
隣に人のいない座席を選び、
トイレの近くも避けたといい、
「バスがガラガラで安心した」と語った。
政府はテレワークを推奨するが、
「アナログの小さな会社で、
上司はイメージも湧いていない」
と、
諦め顔で夕刊紙に視線を戻した。
待合室は
キャリーケースを携えた若者らで
ごった返していたが、
案内係の男性は
「これでも
例年の春休み期間と比べたら
半分くらい」
と説明。
出発便を表示する電光掲示板も、
大半に空席のランプが光っていた。
大手バス会社
「ジェイアールバス関東」(東京)の担当者によると、
新型ウイルスの影響で
高速バスの利用客は
例年の半分以下。
都内と京阪神を結ぶ路線の落ち込みが顕著で、
8割減という。
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