【ブラジル】ボルソナロ大統領「私たちはみな、どうせ死ぬのだ」(都市封鎖はしない)

(2020年03月31日)

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<感染者が急増中の大国で、
科学を信じないリーダーのせいで
感染予防が行えない。

パンデミックの
次の震源地になるか>

ブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領は、

新型コロナウイルスは
「ちょっとした風邪」にすぎないと一蹴し、

国民に
働いて経済を動かし続けるよう
呼びかけている。

ロックダウン(都市封鎖)にも反対で、
自らの支持者に対してその理由をこう言った。

「私たちはみな、どうせ死ぬのだ」

アメリカのドナルド・トランプ大統領と
よく並べて語られるボルソナロは3月29日、
全国規模の隔離を命じるよう求める州知事たちとの
何週間にも及ぶ論争を跳ね返し、
パンデミック軽視の姿勢をますます鮮明にした。

ブラジル保健省の発表では、
同国における新型コロナウイルスの感染者数は4661人、
関連死者数は165人だ。

それでもボルソナロは、
3月15日に支持者たちと会った際、
握手で挨拶を交わしていた。

最近では、
他国で行われている外出制限等に触れ、
「大量監禁」だと批判した。

「ウイルスは存在する。

私たちはそれに立ち向かわなくてはならない。

男らしく戦おう。

子どものようにふるまうのはやめよう!」。

ボルソナロは3月29日、
大統領官邸前に集まった支持者に対して
そう語ったと、AP通信は伝える。

「私たちはみな、いずれは死ぬのだ」

<「ちょっとした風邪」>

ボルソナロは3月24日、
国民向けにテレビ演説を行い、
国内ニュースメディアは
ウイルス拡散を過度に騒ぎ立て過ぎだと非難した。

「派手に恐怖心を煽り、
イタリアでどんなに死者が出ているかを大きく報じる。

パニックを広げるために
メディアが使う常套手段だ」

ボルソナロのこうした主張は、
イースター(4月12日)までに
仕事に戻って
経済を回そうと言った
トランプの呼びかけとそっくりだ。

ボルソナロはテレビ演説で、

ウイルスへの感染リスクが高いのは60歳以上なのに、
なぜ学校を閉鎖しなければならないのか

と疑問を呈した。

新型コロナウイルスは
「ちょっとした風邪」だとも述べた。

米ワシントン・ポスト紙は
3月29日の意見記事で、
サンパウロ市内と
リオデジャネイロ市内のあちこちで
「ボルソナロは辞めろ」
という声が聞かれるようになっていると指摘。

ブラジルのコンサルタント会社
アトラス・ポリティコの報告によると、
人口の半分近くが
ボルソナロの解任を支持している。

ブラジルは南米最大の国で、
新型コロナウイルスの感染者数と死者数は
いずれも、同地域でもっとも多い。

外出奨励で投稿削除

ブラジルの保健大臣は3月21日、
国内の医療システムは
4月末までに崩壊し、
数百万人にも上る貧困層が
助けと食料を必要とするだろうと警告した。

感染拡大を受けて、
州知事や市長らは
「社会的な距離」政策を採用、
人が集まる教会やショッピングモールを閉鎖している。

新型コロナウイルスはすでに、
リオデジャネイロにある
ファベーラ(スラム街)にも
感染を広げている、という報道もある。

ところがワシントン・ポストによると、
ボルソナロは先日のテレビ演説で、

「新型コロナウイルスは
まもなく終息する」

と断言。

それと同時に、
小規模事業者は
営業を再開し、
貧困層が
仕事に戻れるようにしてほしい
と呼びかけた。

「私たちは
生活を続けていかなくてはならない。

雇用を維持すべきだ」

他にも

「60%から70%の国民が
感染することで
ブラジルに免疫がつく」

「特効薬ができるのももうすぐだ」

などの虚言を言いふらし、
自治体が住民に自主隔離を呼び掛ける中で
自ら群衆の中に入っていく動画を投稿。

外出を奨励し、
公衆衛生に反する内容だとして
ツイッター社に削除されたりしている。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200331-00010011-newsweek-int

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