【WHO】上級顧問「十分な集団免疫を持たない限り、終息することはない。」
(2020年04月02日)世界中で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、
今後の見通しについて、
公衆衛生や感染症対策の第一人者で、
WHO事務局長上級顧問の
渋谷健司氏が緊急寄稿した。
■集団免疫を持たない限り終息はない
十分な集団免疫を持たない限り
新型コロナウイルスが終息することはない。
一度封じ込めたとしても、
パンデミックである限り
世界のどこからでも国内に入り込み、
再流行する可能性がある。
封じ込めに成功した中国やシンガポール、香港なども
第2波、第3波の流行を警戒している。
必要があれば、
再度の都市封鎖も検討しなければならない。
十分な集団免疫を獲得するには
ワクチン
あるいは自然感染で
人口の70%程度が感染して
抗体を持つ必要がある。
ワクチンは
既にいくつかの候補が臨床試験へと進んでいるが、
実用化には
最低でも18カ月以上かかると考えられる。
また、
アフリカなどの開発途上国への蔓延の可能性、
そして、
自然感染による集団免疫の獲得にも
数年かかると考えられるために、
新型コロナウイルスの終息には
相当の時間がかかる。
仮に今年の冬に世界で再流行し、
来年春まで感染が拡大していれば、
東京五輪の中止の可能性もありうる。
英国では
初期対応の遅れを取り戻すべく、
社会的隔離、
そして、都市封鎖と
立て続けに強力な施策を行っている。
日本では
3月24日には五輪延期が決定。
その直後、
東京をはじめとした大都市における感染者数の急増に伴い、
3月25日夜には
小池都知事が「感染爆発の重大局面」と言及。
26日には
政府の専門家会議が
「まん延のおそれが高い」
とする報告書を了承した。
いよいよ日本でも
感染フェーズが変わったことが示された。
その後、
緊急事態宣言をするかどうかで
東京都と官邸の間に方
針の違いが露呈しているようだ。
日本は
強制力のある大胆な施策が取れないで
問題を先延ばしにしているようにも見える。
しかし、
英国のここ2週間の出来事は、
今回のコロナウイルスの恐ろしさと
迅速かつ大胆な対応の必要性を
十分に伝えている。
日本も
今こそ対応を急ぐ時だ。
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