【東京都】PCR検査は実施まで4日~1週間。専門家「容体急変が特徴。」
(2020年04月17日)新型コロナウイルスの
感染を確認するPCR検査について、
NHKが
東京23区の保健所に、
検査が必要と判断してから
実際に行うまでに
どのくらい時間がかかっているか
尋ねたところ、
長い場合には、
「4、5日程度」かかっている
という自治体が複数あり、
最長で1週間程度かかった
という自治体もあることがわかりました。
感染が拡大する中
速やかな検査体制の整備が
課題になっています。
PCR検査は
ウイルスに感染したかもしれないという人が
保健所やかかりつけ医に相談し、
必要と判断されれば
専用の外来を受診して
検体を採取する仕組みになっていますが、
感染者の増加に伴って、
検査がなかなか受けられない
という声が上がっています。
NHKが
東京23区の保健所に、
検査が必要だと判断された人の検査を行うまでに
どのくらい時間がかかっているか尋ねたところ、
回答があった区は
いずれも
「重い症状の人は
優先して
その日のうちなどに検査している」
としたうえで、
長い場合には、
▽葛飾区と練馬区が「5日程度」、
▽豊島区と荒川区が「4日程度」、
▽中野区が「3日程度」、
▽板橋区と文京区と大田区が「2日程度」
などと答えました。
さらに、
検査までに最長で
どのくらいの日数がかかったか
尋ねたところ、
▽墨田区が「1週間程度かかったケースがあった」
などと回答しました。
時間がかかる理由については
感染が疑われる人が増えていることに加え、
検査ができる専門の外来が少なく、
感染予防対策を
そのつど行う必要もあることなどから、
受け入れ人数に限りがある
という声が聞かれました。
■相談件数 1か月前に比べ4倍近くに増える
※省略
■東京都の検査の実情は
新型コロナウイルスに
感染したかどうかを確認するPCR検査について、
国は拡充する方針を示していますが、
検査が行われている現場では
要員の確保などが難しく
検査できる件数が
限界に近い状態になっています。
東京都内では、
17日までに
2796人の陽性者が確認され、
全国で最も多くなっています。
都のPCR検査は
新宿区にある
「東京都健康安全研究センター」
で行われています。
今回、
実際に検査が行われている現場に
NHKのカメラが初めて入りました。
センターによりますと、
検体は都内各地から持ち込まれ、
土日も含めて毎日、
検査をおこなっている
ということです。
本来、
1日に可能な検査は
240件だということですが、
今月に入ってからは
作業時間を延長して
1日平均で270件余りとなっていて、
今月3日には
これまでで最も多い
557件の検査をおこなった
ということです。
その結果、
ことし1月25日から
今月16日までに
8850件の検査が行われました。
センターでは、
検査依頼の増加にともなって
今月に入ってから
検査にあたる検査員を
10人から32人と、
それまでの3倍以上に増やした
ということです。
さらに、検査員のシフトを工夫したり、
検査で使う機器を
新たに5台増やしたりして
できるだけ多くの検査を実施しています。
また、
正確な検査をするためには
専門的な知識や技術が必要で、
1人前の検査員になるには
2年から3年の経験が求められる
ということです。
※中略
■専門家「容体急変が特徴 検査まで時間かかりすぎ」
感染症対策に詳しい
北海道医療大学の塚本容子教授は、
都内の自治体の一部で
PCR検査を行うまでに
時間がかかっている現状について
「新型コロナウイルスは、
容体が急変するのが特徴で、
検査までに4、5日というのは
時間がかかりすぎだ」
と指摘しました。
時間がかかる背景には、
検査にあたる人員の不足や、
陽性と判明した場合に
病院のベッドに空きがあるかどうか
などの問題があるとしたうえで、
「時間がかかると、
病気の状態が急激に悪くなってしまう可能性や
他の人にうつしてしまう事例もある」
と述べました。
そして、
検査までの時間を短縮するため、
自治体が独自に検査体制を強化する動きについて、
「とてもよい取り組みだ」
と評価したうえで、
今後、
検査待ちの状況が
地方でも起きないようにするために、
「1つの中核病院だけが
すべての検査を担うのではなく、
地域の開業医なども含めて、
行政と地域医療が連携し、
役割分担を進めるのが大事だ」
として、
検査体制の充実を図る必要がある
と指摘しました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200417/k10012393541000.html
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