【台湾大学】徐准教授「日本では、中国や韓国のような厳格な措置をしていないので、感染拡大は不可避。」
(2020年04月19日)新型コロナウイルスの感染状況について、
中国・湖北省や韓国などの感染予測を行ってきた
台湾大学化学部の徐丞志准教授が、
日本の公式統計から、
感染症数理モデルを使って
日本の新型コロナウイルスの感染者数の
今度の動向について試算を行った。
その結果、
「悲観的シナリオ」としては、
日本の感染者数のピークは
4月26日前後になり、
日本全体の累計感染者総数は
5万人に達する可能性がある
という試算となったという。
徐氏は
日本の感染状況について
大規模な拡大を前提に
できるだけ被害を最小限にとどめる
「減災」の措置が必要だ
と指摘している。
徐氏は
生物医学が専門で
公衆衛生や感染症の専門家ではないが、
1月から新型コロナの拡大予測を
学生向けに解説し、
フェイスブックなどで公表してきたところ、
感染の最初の発生地となった
武漢のある中国・湖北省や
韓国のケースで
予測が的中に近い形となり、
英雑誌『エコノミスト』にも紹介され、
台湾のメディアなどから
注目されるようになった。
今回は
「隣国の日本については
台湾でも非常に関心が高く、
日本の状況を知ってもらうことに役立てれば」
という考えで、
日本の厚労省統計などに基づいて
感染症の流行過程を算出する
古典的なSIRモデルを使用して検証した。
日本では、
18日に
全国の感染者が1万人を超え、
連日、400人~700人程度の感染者の発生が続いており、
感染拡大の下降局面を
なかなか作り出せないで苦しんでいる。
緊急事態宣言の対象都道府県も、
16日から
東京など7都府県から
全国すべてに拡大された。
徐氏が算出した
「楽観的シナリオ」によれば、
日本の感染のピークは
4月16日となり、
累計の感染者数は
2万人以上に達するとされる。
一方、
「悲観的シナリオ」によれば、
日本の感染のピークは4月26日になり、
1日あたりの感染者は2000人を超え、
累計の感染者数は
5万人以上に達すると見ている。
徐氏は
「いまの状況を見る限り、
日本は
第二の湖北省になる可能性があるが、
それ以上に被害が深刻化している
イタリアや米国のようにはならないだろう」
としながら、
今後、日本での
さらなる感染拡大は
不可避だと見ている。
その理由は
「日本では、
湖北省のように
厳格な都市封鎖(ロックダウン)をしていないうえ、
韓国のように
大規模な検査と隔離も行っていないので、
人から人への感染が
中韓よりも長く続くと見られる」
からだという。
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