【WIRED】 ICUの患者はデブが多い。腎臓にビッシリ生える。

(2020年04月20日)

himan_beer_para_man.png

新型コロナウイルスは、
いかに感染し、
そして重症化するのか?

そのメカニズムが
研究で明らかになってきた

https://wired.jp/2020/04/19/covid-19-mechanism/

猛威を振るう新型コロナウイルスは、
人間の体にどうやって感染し、
どんな症状が現れるのか。

どんな患者が重症化するのか。

そのメカニズムが、
世界中の科学者たちによる研究から
徐々に明らかになってきた。

GettyImages-1209527134.jpg

MISHA FRIEDMAN/GETTY IMAGES

新型コロナウイルス(正式名称は「SARS-CoV-2」)によって
引き起こされる症状には、
さまざまなものがある。

これまで
世界中の感染者からの報告により、
かぜに典型的な症状や肺炎のほか、
下痢、嗅覚・味覚障害、腎障害があることが
明らかになってきた。

では、
これらの症状は
どういったメカニズムによって
引き起こされるのだろうか。

世界各国の調査によると、

性別や年齢層によって
感染しやすさが異なり、

ウイルス感染の重症度や死亡率に
非常に偏りがあることがわかってきた。

男性、高齢者、
そして糖尿病・高血圧・心疾患などの“持病もち”が
最も重症化しやすいことがわかっている。

関連記事:新型コロナウイルス感染症の死亡率は、
なぜ「男性のほうが高い」のか? 見えてきた理由

新型コロナウイルス感染症「COVID-19」が
最初に報告されて以来、

専門家や市民科学者からは
1,800を超える数の論文
(査読前のプレプリントを含む)が
発表されてきた。

ここでは、
COVID-19の症状や
その仕組みに関する研究論文を抜粋して、
明らかになりつつあるメカニズムを紹介しよう。

1)どうやって感染するのか?
https://f.easyuploader.app/eu-prd/upload/20200418232805_694a4e5063757a626f4e.mp4

20200418232744_5a486833373563637754.jpg

わたしたちの体の中の細胞には、
新型コロナウイルスが、
効率よく侵入できる分子的な仕組みがある。

細胞への“入り口”として使用される
「ACE2」受容体と、

たんぱく質の分解酵素である
「TMPRSS2」
「FURIN(フーリン)」である。

ウイルスはまず、
表面にある突起状のスパイクたんぱく質を、
宿主細胞のACE2受容体に
ぴったりと結合させる。

すると、
細胞膜にある
たんぱく質の分解酵素「TMPRSS2」や「FURIN」が、
ウイルスのスパイクたんぱく質を
適切な位置で切断し、
ウイルスと細胞の融合を助ける。

かくしてウイルスは
細胞内に侵入して
遺伝物質(RNA)を注入し、

わたしたちの細胞を“工場化”して
ウイルスを大量に自己複製させられるようになるのだ。

COVID-19の患者のなかでも
高血圧の人が重症化しやすい理由のひとつに、

ACE2が血圧を調節するために
重要な受容体であることが挙げられている。

ウイルスが先に侵入してしまうと、
その役目を果たせなくなるのだ。

また
TMPRSS2は
男性ホルモンであるアンドロゲンの受容体でもあり、

その発現量は
男性に重症化する患者が多い原因となっている可能性も疑われている。

FURINについては
COVID-19に関連する研究論文が
まだ少ないのでここでは割愛するが、

FURINは
肺組織や
気管支の一部の上皮細胞で発現しており、

ACE2/TMPRSS2の組み合わせだけよりも
潜在的に25パーセント以上の細胞を
感染させやすくしている可能性があるという。

ACE2の発現量は、
年齢、性別、ライフスタイルによって変わるという。

細胞表面にあるACE2受容体は
年齢とともに増加し、

一般的に
女性よりも男性のほうが
その密度が高い傾向がある
と報告されている。

「これは単なる傾向にすぎませんが、
新型コロナウイルスの感染者が
女性より男性に多い理由を
説明することができます」

と、
ドイツのハイデルベルクにある
胸部クリニックの
ローランド・アイルズ教授は指摘する。

また、ACE2の発現量は、
運動や喫煙によっても
上昇することがわかっている。

心疾患、高血圧、慢性閉塞性肺疾患などの
持病もちの人々も、
肺のACE2発現量が上昇するという。

コメント