【日刊ゲンダイ】PCR検査費1日1500件のア然…“1日2万件”は予算案から消えた。

(2020年04月28日)

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新型コロナの緊急経済対策実施に向け、

27日、
今年度補正予算案の
国会審議が始まった。

いったん閣議決定した補正案を組み替える
前代未聞の事態を招いた
一律10万円給付に
焦点が当たっているが、

見過ごせないのは
PCR検査費用だ。

ア然とするほどの少なさなのである。

コロナ対策の最前線に立つ
厚労省の補正予算案は
総額1兆6371億円。

大まかな内訳は

▼感染拡大防止策と医療提供体制の整備及び治療薬の開発=6695億円
▼雇用の維持と事業の継続=9627億円
▼強靱な経済構造の構築=54億円

――だ。

この中身について、
NHK「日曜討論」(26日放送)で

国民民主党の
泉健太政調会長が
こう発言していた。

「PCR関係には
49億円の費用がついている。

厚労省に
どういう算定なんだと聞いたら、

55万件分のPCR検査のお金だと。

1日あたりに直すと
1500件なんですよ」

絶句である。

この期に及んで
検査体制の拡充を
棚上げするつもりなのか。

確かに、
厚労省の補正予算案には
〈検査体制の確保49億円〉とあり、

〈PCR検査等に係る
地方衛生研究所における検査費
及び保険適用された検査の自己負担分、
新型コロナウイルス感染症の
発生動向調査等に要する経費を支援する〉

と書かれている。

過少検査を批判された安倍首相は6日、

「PCR検査体制の
1日2万件への倍増」

を表明したものの、

いまだ数千人しか検査せず、
累計検査人数は
15万692件(27日正午現在)にとどまる。

厚労省に問い合わせると、

泉への説明を認め、
こう答えた。

■「国民の健康と生命を守る」はやはり嘘

「49億円は
実績ベースで算出したもので、

国内で実施される全てのPCR検査費用に充当します。

足りなくなった場合は、
追加の補正予算や
予備費の活用などでの対応を検討します。

予備費も足りなくなれば、
財務省と協議することになると思います」(結核感染症課)

感染拡大にお手上げの安倍は、
失点にしかならない実態把握には
ヤル気ゼロ。

必死こいて守っているのは
「国民の健康と生命」ではなく、
自分の政治生命なのだ。

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/272521

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