保健所「電話中に咳がでようが検査は拒否する」相談者の97%は門前払い。
(2020年04月19日)「38℃の熱が3日間続き、
喉も腫れ、
水どころか唾さえ飲めない状態。
でも、
保健所に検査をお願いしたら
“近くの病院に電話してください”
と断られました」(東京都40代男性会社員)
「3日前に食事をした友人が感染したので、
不安になって保健所に連絡したら
“咳などの症状がないと検査できない”
と言われ、あきらめました」(東京都20代女性会社員)
いずれも
新型コロナウイルスの検査を
受けられなかった人たちの
悲痛な叫びである。
4月13日には、
感染疑いのあるゼネコン社員が
なかなか検査を受けられず
自宅待機していたところ、
容体が急変して死亡。
その後、
陽性が判明した
とのショッキングな事実が公表された。
感染の有無を調べるのは、
喉の粘液などを採取して
ウイルス特有の遺伝子配置を検出する
「PCR検査」だ。
WHOのテドロス事務局長が
「疑わしいケースは検査、検査、検査だ」
と強調した通り、
世界各国では
新型コロナ対策として
検査数を増やしている。
現在まで
ドイツは150万件、
アメリカは100万件、
韓国は43万件を超える検査を行った。
世界で唯一、
この潮流に逆行するのが日本だ。
厚労省によると、
2月18日から4月7日までの検査数は
わずか9万件余りしかない。
人口1000人当たりの検査数でも
各国とは歴然の差だ。
ドイツ16人、
イタリア13.7人、
韓国9人に対して、
日本はわずか0.37人である(4月6日現在)。
最大の問題は、
冒頭のように、
体調不良や不安に苦しむ国民が
検査を希望しても
簡単に受けられないことだ。
厚労省によると
東京の帰国者・接触者相談センターに
2月1日から3月31日の間に
寄せられた相談件数は4万1105件で、
そのうち
実際に検査したのは
964件にとどまる。
つまり、
希望者の「相談」から
「検査」に至ったのは、
実に2.3%しかいないということだ。
100人のうち97人以上は
門前払いだったのだ。
4月10日には
さいたま市保健所の
西田道弘所長が
「病院があふれるのが嫌で
(検査対象の)条件を厳しめにしていた」
と記者団に発言し、
検査の抑制を事実上認めた。
「そうした背景には
行政の縦割り主義があります」
と言うのは
医療ガバナンス研究所理事長の
上昌広さんだ。
「厚労省と
国立感染症研究所、
地方衛生研究所、
保健所は
事実上ひとつのチームになって、
PCR検査の情報と
利権を独占しています。
彼らは
検査で得られる貴重なデータを
民間に渡したくないので、
検査を増やさない方向に
国策を誘導したとみていい」(上さん)
検査を受けられる基準が
明確でないことも大きな不満点だ。
原則として
医師が必要ありと認めれば
検査を受けられるはずだが、
その判断にはばらつきがある。
ごく一部には
すんなりと検査を受けられる人もいる。
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