【安倍内閣】「緊急事態宣言」の関西の解除を正式決定。(首都圏と北海道は継続)
(2020年05月21日)緊急事態宣言 関西解除は妥当 諮問委員会が見解
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200521/k10012438741000.html
緊急事態宣言について政府は、21日夜、対策本部を開き、大阪など関西2府1県で解除する一方、東京など首都圏の1都3県と北海道は継続することを正式に決定しました。安倍総理大臣は、宣言を継続する地域は週明けの今月25日にも改めて専門家の意見を聴き、感染者の減少傾向などが続いている場合は、解除も可能だという認識を示しました。
政府は、21日午後6時すぎから、総理大臣官邸で対策本部を開き、緊急事態宣言について、大阪、京都、兵庫の関西2府1県を解除する一方、東京、埼玉、千葉、神奈川、それに北海道は継続することを正式に決定しました。
そして、安倍総理大臣は緊急事態宣言を継続する地域について「感染の状況や医療提供体制に改善がみられる」として、週明けの今月25日にも専門家に評価してもらい、感染者の減少傾向などが続いている場合は、解除も可能だという認識を示しました。
ただ「いまだにリスクは残っている」と述べ、引き続き、外出の自粛や都道府県をまたいだ移動を控えるよう求めました。
また、解除された地域についても、「3つの密」を避けるなどの「新しい生活様式」や各業界で策定された感染防止のためのガイドラインを踏まえ、感染拡大防止策を講じたうえで、社会経済活動を段階的に再開するよう呼びかけました。
専門家「解除地域も油断せず」
政府が、関西2府1県で緊急事態宣言を解除することなどについて、感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎教授は「関西地方は新しい感染者数もかなり落ち着いており、妥当な判断だと考えられる。一方、関東の1都3県は解除にはならなかったが、東京都や神奈川県で解除の目安となる基準を満たしておらず、地域での人の移動や医療体制などを考慮すればこちらも妥当だと言えるが、あともう一息というところなので、さらに感染者数が減ってくれば解除も可能になるだろう」と話しています。
また、北海道については「道と政府の2度の緊急事態宣言を経験したため人々に気の緩みが出たおそれがある。また一般的なかぜのコロナウイルスは気温が低い環境で流行しやすいとされるため、気候も影響している可能性はある」と指摘しました。
今後の国内の見通しについては、「新型コロナウイルスはこのあとも何度も流行を繰り返す可能性があり、緊急事態宣言が解除された地域でも人との接触をなるべく避けるなど、意識して生活しなければ流行が再燃するおそれがある。宣言の解除は流行が完全に終わったという意味では無く、流行がいったん落ち着いた状態なのだという意識を持って油断せずに生活してほしい」と話していました。
菅官房長官「解除地域でも感染防止対策徹底を」
菅官房長官は、午後の記者会見で、「緊急事態宣言が解除された地域でも、基本的な感染防止対策を徹底するとともに、感染状況を継続的に監視する必要がある。引き続き、国民の皆さんの協力を得て、『3つの密』を避けるなど、『新しい生活様式』の定着を図るとともに、検査や治療体制の充実に早急に取り組んでいく」と述べました。
そのうえで、「外食、ホテルなど各業種のガイドラインが発表され、感染防止に取り組みつつ、事業を行っていくための枠組みができた。今後、専門家の意見を聴きながら、徐々に社会経済活動のレベルを上げ、日常の生活を取り戻していく必要がある」と述べました。
西村経済再生相「大きな波は二度と起こさせない」
西村経済再生担当大臣は記者会見で「ぜひとも今月31日までに大きな波を収束させていく。その後、小さな波が起こっても、感染を検知し封じ込めていく中で、大きな波は二度と起こさせないという決意で対策をしっかり講じていきたい。そして、経済社会活動のレベルを引き上げていく」と述べました。
そのうえで「新しい生活様式、スマートライフを定着させ、オンラインのさまざまな手続きや取り引き、テレワークやリモートでのさまざまな対応をさらに進めていきたい。この間に得られた経験を生かして、規制改革、デジタル化への支援を行い、社会変革を一気に進め、質の高い成長と誰も取り残さない包摂的な社会を実現させたい」と述べました。
自民 岸田政調会長「緊張感を緩めてはならない」
自民党の岸田政務調査会長は、記者団に対し、「宣言の解除は専門家の意見を聴いたうえでの判断であり、残りの地域も具体的な日にちを示して国民に見通しを伝えたのはよかった。ただ、決して緊張感を緩めてはならない。新しい生活様式に基づいて感染拡大に備えながら生活していくことは変わらず、徐々に平時の生活や経済に戻れるよう努力したい」と述べました。
立民 枝野代表「財政的な支援など十分確保すべき」
立憲民主党の枝野代表は、記者団に対し、「妥当だと思うし、経済的に困窮している皆さんには歓迎すべきことだと受け止めている。一方で、第2波、第3波を招いてはいけない状況は変わっておらず、医療機関への財政的な支援など、第2次補正予算で十分確保すべきだ」と述べました。
国民 玉木代表「100兆円規模の対策を」
国民民主党の玉木代表は、記者団に対し、「専門家の意見を踏まえ、定量的な判断をしており、妥当だ。ただ緩みは禁物で、第2波や第3波が起こる前提で検査や感染者の追跡、それに医療提供などの体制を整えなければならない。また政府は経済的な落ち込みを甘く見ている。大規模で、簡素で、スピーディーな対策を打つべきで、『真水』の財政支出で100兆円規模の対策を求めていきたい」と述べました。
公明 斉藤幹事長「新しい生活様式の定着へ努力」
公明党の斉藤幹事長は、記者団に対し、「一部で解除となったが、引き続き感染の拡大に注意し、北海道と首都圏の解除に向けてなおいっそう気を引き締めて努力していかなければならない。新しい生活様式が定着するようこれからも国民と一緒に努力していきたい」と述べました。
維新 馬場幹事長「ICU整備や医療用資材確保に向けた体制を」
日本維新の会の馬場幹事長は、記者会見で、「トンネルの出口に明かりが見えてきたが、新型コロナウイルスの第2波に備えて、すぐに対応できるように、ICU=集中治療室の整備や医療用資材の確保に向けた体制を作っていくべきだ」と述べました。
共産 志位委員長「次の流行に備え体制強化を」
共産党の志位委員長は、記者会見で、「感染者数が減ってきたのは国民の努力のたまものだが、これでたたかいが終わったわけではない。次の流行に備えて、検査や医療の体制を強化しておくことが大事だ。また、国民の暮らしは大変で、倒産や廃業を最小限に抑えるため思い切った補償措置をとることも大事だ」と述べました。
れ新 山本代表「解除に正当性あるか疑問」
れいわ新選組の山本代表は、記者団に対し、「感染者数が減少した要因が外出自粛によるものなのか、合理的な説明がなく、解除に正当性があるか疑問だ。政府はPCR検査の数を増やしたうえで第2波がきた際に、同じ手では乗り切れないと思って対応するべきだ」と述べました。
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