【EuroMOMO】3~4月に大きな超過死亡があったのはスペイン、イタリア、フランス、英国。
(2020年05月16日)各国当局の発表に基づくと、
世界で新型コロナウイルスにより
命を落とした人の数は
30万人余りとなっているが、
死者数の集計方法によっては
真の犠牲者数は
これよりもはるかに多い可能性がある。
当局の統計には
新型コロナウイルスが原因とされる死者のみが含まれている。
だが専門家らの間では、
公式な死因に関係なく
今年の全死者数を
例年と比較して導かれる
「超過死亡」数を調べる動きが広まっている。
超過死亡には
新型ウイルスとは直接関連ない死者
(新型ウイルス流行に伴う医療崩壊により
他の病気の治療を受けられなかった人など)
も含まれており、
これに注目することで、
実際の犠牲者数が
公式死者数よりも
大幅に多い可能性が浮かび上がる。
今回の新型コロナウイルス危機では、
データ集積方法が
国によって大きく異なることから、
各国の単純比較が困難となっている。
イタリアでは、
2月20日~3月31日の期間の
新型ウイルスによる死者は
1万2428人とされている。
だが、
過去5年間の平均と比較した
同期間の「超過死亡」は
2万5354人に上る。
米国では
この差がさらに大きい。
米国での新型ウイルス流行が
ピークに達する前の
3月の超過死亡数は6000人で、
新型ウイルスによる公式死者数の
3倍以上となっている。
他の欧州諸国と比べ
新型ウイルス対策に成功したとされるドイツでさえ、
今年3月の超過死亡数は3706人と、
新型ウイルスの公式死者数である2218人を上回っている。
一方フランスでは、
3月1日~4月27日の
新型ウイルスによる公式死者数は2万3291人で、
前年と比較した超過死亡数の2万4116人と
ほぼ一致している。
デンマークの疫学者チームが
欧州24か国のデータをまとめている
「欧州死亡率モニター(EuroMOMO)」プロジェクトによると、
今年3月の死者数は
例年と比べ増加していた。
EuroMOMOの
プロジェクトコーディネーターを務める
ラッセ・ベステルゴーア(Lasse Vestergaard)氏は
「超過死亡を説明できるものは
(新型ウイルスの)他にはない。
これが1月なら、
一部はインフルエンザによるものと
説明できるかもしれない。
それに、欧州では火山の噴火や、
地震も発生していない」
と語った。
EuroMOMOのデータによると、
3~4月に大きな超過死亡があったのは
スペイン、イタリア、フランス、
そして英国の4か国。
一方、
新型ウイルスによる深刻な被害を免れている
ノルウェーやフィンランドでは
大きな超過死亡はなかった。
- このできごとのURL:
コメント