【朝日新聞】新型コロナは「血管の病気」体中を大暴れ 目立つ血栓症。
(2020年06月04日)世界で600万人以上の感染が確認されている
新型コロナウイルス。
当初は「新型肺炎」とも呼ばれ、
重症化した患者が
肺炎を起こして亡くなる例が目立った。
だが最近の知見で、
肺だけでなく、
全身に症状が出ることがわかってきた。
その理由はどうやら、
「血管の炎症」にあるらしい。
新型コロナウイルスの正式名称は
「SARS―CoV―2」という。
重症急性呼吸器症候群(SARS)を起こす、
2番目のコロナウイルスという意味だ。
新型コロナウイルスに感染しても
多くの人は命に関わることはない。
中国での
新型コロナウイルス患者の大規模疫学調査によると
感染しても8割は、軽症か中程度で、
入院が必要になるのは2割程度。
重篤になるのは5%とされる。
米科学誌サイエンスによると、
感染者のせきやくしゃみなどの飛沫(ひまつ)に含まれるウイルスは、
鼻やのどから体内に取り込まれる。
すると、細胞の表面にある
「ACE2」という受容体にくっつき
細胞に侵入する。
鼻の内側の細胞には
この受容体が多い。
細胞を乗っ取って
どんどん増えていく中で、
熱や空ぜき、
味覚や嗅覚(きゅうかく)の消失が起きる
とされる。
ウイルスが肺に到達すると
深刻度は増す。
気管支の末端には、
酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する肺胞がある。
この表面にはACE2が多く、
ウイルスがくっつきやすい。
ウイルスが侵入すると、
免疫が攻撃するため
肺胞が炎症を起こす。
感染した細胞が死ぬことで、
その残骸や体液などが膿(うみ)となり、
肺にたまって呼吸が難しくなる。
中国・武漢で当初
「原因不明の肺炎」と報告されたのはこのためだ。
しかし、影響は
肺だけにとどまらないことが、
最近の報告でわかってきた。
https://www.asahi.com/articles/ASN645RLHN63ULBJ00K.html?iref=comtop_8_01
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