【大阪府】病院の空き部屋を、集中治療室(ICU)に転用する方策を検討中。

(2020年05月31日)

japan_character5_kinki4_osaka.png

大阪府が新型コロナウイルスの第2波到来に備え、
病院の空き部屋を集中治療室(ICU)に転用し、
重症患者の病床を拡充する方法を検討していることが
31日、
府関係者への取材で分かった。

病院の協力を得て
現状の188床から
300床まで増やす計画だ。

府内の新型コロナの新規感染者の数が
ピークを迎えていた4月9日、

府は
新型コロナの重症患者用病床を
32床確保していた。

だが
重症者は36人で、
病床使用率は
112・5%に達していた。

このため
重症患者用ではない
別の病床での治療を余儀なくされた。

この状況を受け、

府は

4月10日に86床、
同17日に122床、
5月1日に188床と、

段階的に
重症患者の病床を増加。

府幹部は

「脳梗塞(こうそく)など
一般の重篤患者の治療にも
ICUを使うことを考えれば、
現時点では、
これがほぼ限界」

と話す。

現在は
感染が収束傾向にあり、

府の5月31日時点の
重症患者の病床使用率も
8・5%と低水準に収まっている。

しかし、
6月1日からの
休業要請の全面解除に伴い、

感染者数が
再び増加に転じる可能性もある。

府は
そうした事態を見据え、

院内の空いている会議室や講堂を
ICUに改装することを
病院側に提案。

協力を得られる病院で
人工心肺装置「ECMO(エクモ)」などを備えた
重症患者の病床を
300床まで増やす計画だ。

吉村洋文知事も
これまで

「ICUは最後の砦(とりで)。

できるだけ確保しておくことは、
今の時期だからこそ
取り組むべき課題だ」

と述べており、

感染の第2波、第3波に備えた
ハード面の整備の必要性に言及していた。

府は今後、
国内外の大都市の感染状況を
大阪にあてはめたシミュレーションを実施。

オーバーシュート(爆発的患者急増)などの際に
どれだけの病床数が必要になるか
専門家を交えて議論し、

感染者が急増した場合に
必要な病床数を
改めて算定する方針だ。

新型コロナの感染拡大では、
使われない「空き病床」が
病院経営を
圧迫し始めている問題もある。

大阪府によると、

府内の病院は
1病棟40~45床のうち
10~20床を
新型コロナ用としているところが多い。

ただ、
感染拡大や外出自粛などで
一般病床の使用率が低水準で推移する一方、
新型コロナ患者の病室で
一般患者を受け入れるのは
感染防止の点で難しく、
空き病床の維持費がのしかかる。

府は
新型コロナ専門病院での
受け入れを本格化。

病床運用の最適化を図るが、
一般病院からは

「本来得られたはずの診療報酬が
見込めなくなった」

「減収に見合う
補償をしてほしい」

などと悲痛な声が上がる。

国は
今年度補正予算に
都道府県向けの
「緊急包括支援交付金」を計上。

集中治療室(ICU)に
1日あたり9万7千円、
人工呼吸器の病床に4万1千円、
それ以外の病床は1万6千円を上限に
補助する仕組みを決めた。

府も
病床確保の要請に応じる病院への補償を決定。

国の補助を含め、
4~5月については、

1日あたり重症用12万円

▽同軽症・中等症用4万1千円。
6月以降は同重症用が9万7千円

▽同軽症・中等症用3万3千円

-となる見込みだ。

https://www.sankei.com/smp/life/news/200531/lif2005310051-s1.html

コメント