【日本マンガ学会】「静止画ダウンロード違法化」に反対。

(2019年01月23日)

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漫画の研究者などでつくる日本マンガ学会
(会長・竹宮恵子氏)は1月23日、
いわゆる「ダウンロード違法化」について、
漫画やテキストを含む
「幅広い分野の著作物を対象範囲に含めるべき」と
文化庁の有識者会議がまとめたことについて、
反対する声明を発表した。

著作物全般のダウンロードを違法化すると、
2次創作や研究のためのダウンロードも制限されるため、

「一般ユーザーの萎縮を招き、
研究・創作を著しく阻害する
最悪の結果となることが予想される」

と危機感をあらわにしている。

映画・音楽の著作物については、
違法にアップロードされたことを知りながら
ダウンロードした場合、
2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金を科す(親告罪)、
いわゆる“ダウンロード違法化”が2012年に始まった。

漫画(静止画)やテキストは
違法化の対象外となったが、
出版社などコンテンツ業界は政府に対して、
静止画ダウンロード違法化の検討を求めてきた。

ダウンロード違法化の対象拡大について、
文化庁の法制・基本問題小委員会で
10月から議論が行われ、
12月7日に中間まとめと論点整理案(PDF)が出た。

案には、

「著作物の種類・分野による限定を行うことなく、
広くダウンロード違法化の対象範囲に
含めていくべきとの方向性については、
概ね共通認識が得られた」

と書かれており、
文化庁は今年の国会への
著作権法改正案提出を目指している、
と報じられている。

法制・基本問題小委員会の論点整理案より抜粋

これについて、日本マンガ学会が
今回、反対を表明。理由は以下だ。

(1)海賊版研究や2次創作研究が阻害される

(2)研究や創作のための記事や図版のクリッピングも違法になり、研究・創作の萎縮を招く

(3)静止画や文章は、違法アップロードかの判断が難しい

(4)「漫画村」のようなストリーミング方式の海賊版はまったく取り締まれないため、悪意ある侵犯者には効果がない。
むしろ、一般ユーザーの萎縮を招き、研究・創作を著しく阻害する最悪の結果となる

また、

「委員会のまとめは、
著作物の私的使用を一方的な便益の受容・消費活動と限定してとらえている」

と指摘。

1次創作を「利用」して2次創作を行うなど、
著作物の利用が

「新たな著作物を創造する〈生産行為〉でもありうるという点が考慮されていない」

とした上で、日本のマンガ文化は

「こうした〈生産行為〉を基礎とすることで、
世界的な発展を遂げて来た」

とし、
静止画ダウンロード違法化に反対している。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1901/24/news071.html

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