【インターネットユーザー協会】静止画ダウンロード規制に、反対意見を表明。

(2018年11月07日)

hanashi_nagai_man.png

平成30年11月7日

一般社団法人インターネットユーザー協会

静止画ダウンロード規制への考え方

当会は
静止画ダウンロードの違法化に
反対する。

理由は
下記のとおりである。

まず,
静止画ダウンロードに関する規制を考えるならば,
その議論の前提となる立法事実を
整理する必要がある。

「漫画村」に代表される
大規模な海賊版サイトが
社会的な問題となり,
これに如何に対応するか
という議論であったことは記憶に新しい。

しかし,静止画のダウンロードを
違法化することは,
手法として誤りである。

問題となっているサイトは
ブラウザを使って
画像を表示させているに過ぎず,
閲覧者は
「法的な意味でのダウンロード行為」を
行っていない。

つまり
大規模海賊漫画サイトへの対応のために
静止画ダウンロードを違法化することは
効果がなく,不必要で誤った法規制である。

大規模海賊漫画サイトの撲滅には,
発信者情報開示請求などを通じた
サイト運営者の訴追や,
サイト運営の広告収入などを絶つアプローチを尽くすのが,
緊急避難の法理を考えても
合理性ある対応である。

静止画ダウンロードの違法化は,
海賊版サイト対策の
選択肢の一つではありえるが,
発端となった海賊版サイトに適用できないのでは,
対策の意味がない。

違法なコンテンツ流通への対抗策を議論する場合,
多くのステークホルダー間で
「何が違法でどう法執行するか」を明確に共有し,
範囲をその点にした上で
議論をする必要があるはずだ。

「念のため網をかけておく」という姿勢では,
消費者や
他のステークホルダーの
同意を得られないだろう。

http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/hoki/h30_05/pdf/r1411206_04.pdf

コメント