(声)乳幼児の臓器移植、親には希望

(2009年05月08日)

004792009年05月08日朝刊オピニオン201400403文字主婦 服部和子(埼玉県朝霞市 46)
15年前、次女が誕生して1カ月後の検診で、胸に聴診器を当てた医師が私に言った。
「このままでは3歳まで生きられません」「手術が受けられればいいのですが、もし手術が出来なかったら、心臓移植しか道はありません」「心臓移植は日本では行われていないので、海外で受けるしかありません」。私は目の前が真っ暗になった。
幸い娘は手術を受け、その後は元気に成長しているが、その時の私に「この子の天寿」などといって、治療をあきらめることなど、とても出来なかった。たとえ1%でも生きられる可能性が残されているならば、親としてそれに賭けてみたいと考えていた。
我が子の死を天寿として、謙虚に受けとめる親もあっていいと思う。しかし一方で、最後まで助かる希望を持ち続ける親も、あっていいと思う。乳幼児の臓器移植において、移植を受ける、受けないの選択肢が設けられて、しかるべきではないだろうか。

コメント