リクリット・ティラヴァニジャ「無題(自由)」

(1992年)

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303が廊で展覧会を行った彼は、収蔵室と事務室にあったあらゆるものを展示用のスペースに引っ張りだした。ギャラリーのディレクターもお目こぼしにはあずかれず、囚人環視のなかで仕事をするはめになった。いっぽう収蔵室では、アーティスト自身が来場者のためにカレーを調理していた。彼が不在のとき、カレーの残り、台所用品、使用済みの食品容器がアートとなった。この展覧会の直後に開かれたグループ展では、彼はテープレコーダーの脇に腰掛け、自分に踊りをおどるように要請してくれと誘いかけた。誰かが要請すると、「王様と私」の曲をかけ、来場者たちに展覧会の感想をたずねた。
彼は他の作品でのインタビューではこう語っている
「ドライブで人に色々な所に連れて行ってもらい、そこいらにあるものを感じ取ること、人々に話を聞くこと。これが私のアートの重要な部分だ…ギャラ裏ーのなかにあるものより、会った人、会話をした人、なにかについて語り合った人、一緒に何かを見た人、そうした存在の方が重要なテーマだ」

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