デュシャンによるダダの回顧

(1946年)

デュシャン「ダダは絵画の物理的な側面への極端な抗議だった、形而上学的な姿勢だった。それは「文学」と密接にまた意識的につながっていた。私がいまだに強く共感するたぐいの虚無主義だった。一つの精神状態から脱却するためー即時的な環境や過去の影響を回避するためーの方法だった。クリシェ(常套手段、月並みなもの)から自由になる方法、ダダのやみくもな勢いは下剤としても役立った。当時、私はそのことをひとえに感じていて、自分自身の内部で下剤作用を起こす欲求が強かった」と述べ、ダダは必然だったとも、また挫折したとも表明している。

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