マルクス『資本論』

(1867年)

ドイツ古典哲学の集大成たるヘーゲルの弁証法の批判的継承、古典派経済学の批判を通じて、資本主義的生産様式、剰余価値の生成過程、資本の運動諸法則を明らかにした。全3巻(全3部)。サブタイトルは「経済学批判(a critique of political economy)」。
1867年に第1部が初めて刊行され、1885年に第2部が、1894年に第3部が公刊された。第1部は、マルクス自身によって発行されたが、第2部と第3部は、マルクスの死後、マルクスの遺稿をもとに、フリードリヒ・エンゲルスの献身的な尽力によって編集・刊行された。
「第4部」となる予定だった古典派経済学の学説批判に関する部分は、エンゲルスの死後、カール・カウツキーによって公刊されたが、『資本論』という表題に関する版権の問題、カウツキーの「独自の見解」などにより、『資本論』第4部としてではなく『剰余価値学説史』の表題で刊行された。
本書は、マルクスの友人だったヴィルヘルム・ヴォルフに「高潔で勇敢なプロレタリアートの前衛」という献辞とともに捧げられている。