「考えが受け入れられず残念」 在宅起訴された「帝国の慰安婦」著者 (ソウル=牧野愛博)【朝刊】

(2015年11月20日)

朴氏の写真あり

“同書は朝鮮人慰安婦の背景として、帝国と植民地の関係を提起。日本の戦争に伴って、貧しく権利の保護も不十分な植民地の朝鮮人女性が慰安婦として送り込まれた構図があるとした。そのうえで、「性奴隷」「売春婦」といった対立する主張がある実態について、元慰安婦らの証言をもとに境遇は多様であったとした。
検察は、慰安婦について、日本国と日本軍によって強制動員され、「性奴隷」と変わらない被害者だったと認められるとした。根拠として、1993年の河野官房長官談話や国連の報告書などを挙げた。
そのうえで、慰安婦が「売春」の枠内の女性であり、「愛国心」を持って日本兵を慰安したとする表現や、「慰安婦たちの『強制連行』が少なくとも朝鮮の領土では、公的には日本軍によるものではなかった」との記述について、「虚偽の事実」を掲載したと判断。元慰安婦の名誉を傷つけ、学問の自由を逸脱したとみなした。”

“日本版は昨年11月、朝日新聞出版から刊行された。慰安婦問題の再検証で両国民の理解を深めるという趣旨は同じだが、日本語での書き下ろしで、構成や表現は韓国版と同一ではない。”

“朴教授は19日、「私の考えが受け入れられず、大変残念だが、起訴によって、私の主張が広く知られる機会にもなった」と語った。”

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