【厚生労働省】昨年の「実質賃金」はプラスだったと発表。(※「参考値」はマイナス。)

(2019年02月08日)

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厚生労働省が8日発表した毎月勤労統計(速報)によると、
物価変動の影響をのぞいた2018年の実質賃金は
前年比0.2%増だった。

2年ぶりのプラス。

ただ、17年と18年の調査で
同じ事業所だけを比べる基準(参考値)
の公表は見送った。

実態に近い参考値は
マイナスになった公算が大きく、
野党は反発を強めそうだ。

実態に近い参考値はマイナスになった公算が大きい

18年の現金給与総額(名目賃金)は
月平均で32万3669円。

17年に比べ1.4%増えた。

このうち、
賞与など特別に支払われた給与が
5万9036円で3.7%増え、
全体を押し上げた。

基本給を示す所定内給与は
24万4733円で0.8%増だった。

18年の消費者物価指数は1.2%増で、
賃金が物価の伸びを上回った。

毎月勤労統計では
従業員500人以上の事業所を
全て調べると決まっている。

ところが厚労省は
東京都で調査対象となる約1400のうち、
3分の1しか調べていなかった。

中小企業に比べれば
賃金の高い大企業が抜けていたため、
04~17年は
実際よりも統計結果の賃金が低くなっていた。

厚労省は
18年調査から補正をかけて
実態に近づけ、
17年対比で
伸び率がかさ上げされやすくなった。

厚労省は
実質賃金の参考値を公表しない理由について

「対象事業所の入れ替えが続くため
長期で比較できない」(雇用・賃金福祉統計室)

と説明している。

18年の実質賃金の参考値を
簡便な手法で試算すると、
マイナス0.4%程度になる。

総務省統計委員会は
景気指標として
参考値を重視する見解を示している。

野党は18年1~11月を対象に
独自試算した実質賃金などをもとに
「賃金偽装だ」と批判してきた。

18年通年の実質賃金が
プラスになったとする厚労省の発表に
反発を強めそうだ。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41053210Y9A200C1MM0000/

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