【中国】習主席の視察に合わせて、隔離が解かれていると、医師が告発。
(2020年03月19日)新型コロナウイルス感染症の被害が
最も深刻な中国湖北省武漢市での新規感染者を、
中国政府が18日に
0人になったと発表したことについて、
同市にある患者隔離施設の医師が
19日、
共同通信の取材に
「信頼できない」と告発した。
医師によると、
10日に行われた習近平国家主席による視察に合わせ、
症状の残る多数の患者が
隔離を急きょ解除され、
一部の感染検査が停止されたという。
習氏への配慮から、
対策成功アピールのため
治療中の患者数を
意図的に減らしていると指摘し、
同市の状況改善は
欺瞞(ぎまん)であるとした。
中国で現場の医師が
こうした告発を行うのは異例。
医師は40代で、
武漢市の患者隔離施設で
退院の可否を判断する立場にある。
匿名を条件に
書面や通信アプリを通じて
取材に応じた。
実態が隠されれば、
再び大流行が起こる恐れがある
と強い懸念を示した。
中国の診療方針は
感染症患者の退院について、
ウイルス検査の結果が
2回連続で陰性となり、
コンピューター断層撮影(CT)で
肺炎の症状の明らかな改善が確認されること
などを条件としている。
医師によると、
習氏の視察以降、
自身が担当する患者に
肺炎の所見が見られたにもかかわらず、
感染症対策を担う当局の
「専門団」の判断で
隔離が解かれた。
この頃から
解除の判断が甘くなり
「感染者の
大規模な隔離解除が始まった」
という。
外来患者も
発熱などの症状がある人への問診が簡略化され、
感染時に
体内で生成される抗体を検出する
血液検査が停止された。
結果として
「感染疑い例が
野に放たれている」
としている。
習氏は
武漢市の病院などを視察し
「(感染状況に)
前向きな変化があり、
重要な成果が出ている」
と強調、
感染が終息に向かっている
と内外にアピールしていた。
中国政府の発表では、
湖北省でこれまでに
5万8000人近くが
治療を終えて退院。
武漢市では
3月中旬に入って
1日当たりの新規感染者数が
10人以下で推移している。
《湖北省全体でも0人》
中国政府は19日、
武漢市で18日に
新たな感染者が確認されなかった
と発表した。
湖北省全体でも
新たな感染者が0人になった。
1月23日に
同市が事実上封鎖されて以降、
1日当たりの新規感染者数が
0人になったのは初めて。
一時は、
1日当たり1万3000人を超えた時期もあり、
同市の感染者は
18日までに計5万5人、
死者は計2496人に上っている。
感染が世界各国に拡大する中、
習近平指導部は、
対策の成功を象徴する出来事と捉え、
感染症を克服しつつある
との宣伝を強めるとみられる。
《麻生財務相、中国の数字「信用しない」》
麻生太郎財務相は
19日の参院財政金融委員会で
感染拡大による経済への影響を問われた際、
中国の発表する感染者数などの数字について
「信用しないのが
正しいと思っている」
と話した。
麻生氏は、
リーマン・ショック時などとは異なり
「実体経済に
コロナが及ぼす影響がよく見えない。
しかも中国から起きている」
と述べ
「(中国の)数字は
信用すると大体違う」
と指摘した。
https://www.sponichi.co.jp/society/news/2020/03/20/kiji/20200319s00042000327000c.html
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