【中国】「変異種によっては、270倍のウイルス量を生み出す。」(動物実験の結果)

(2020年04月21日)

dna.png

世界で感染者約250万人、
死者17万人を出している
新型コロナウイルスは
突然変異を繰り返し、

最強種は
最弱種の270倍のウイルス量を生み出すそうです。

欧州や米ニューヨークでは
深刻な被害が広がっているのに対し、

日本や米国の他の州で
被害が比較的拡大していないのは
突然変異による感染力や毒性の差が
深くかかわっているのかもしれません。

中国・浙江大学の研究チームは
査読前の論文で、

浙江省杭州市で
1月22日~2月24日に
無作為に選ばれた患者11人から
取り出した新型コロナウイルスを
サル由来のベロ細胞に感染させ、
分析した結果を報告。

それによると、
33を超える突然変異を確認。

そのうち19は
全く新しいものでした。

感染時の宿主細胞への結合に不可欠な
スパイク糖タンパク質で
6つの異なる突然変異が起きていました。

ベロ細胞内のウイルス量は
最大で270倍も異なり、
ウイルス量の多い細胞は
すぐに死にました。

突然変異により
病原性が大きく変化し、
強毒性の種が生まれることが
実験で初めて確認できたそうです。

論文によると、
新型コロナウイルスの基本再生産数
(患者1人から感染する人数)は
1.4~6.5で平均値は3.3。

数時間はエアロゾル感染し、
付着した表面で
最大7時間生存可能です。

無症状病原体保有者からも感染するので
感染を防ぐのは非常に困難です。

そのうえ、
これだけ突然変異を繰り返し、
病原性まで変えるとなると

どの新型コロナウイルスにも通用する
ワクチンや治療法を開発するのは
至難の業です。

地域によって
流行する新型コロナウイルスの種が異なることが
英ケンブリッジ大学のチームや
アイスランドの患者を対象にした研究で
すでに報告され、

地域によって
被害に大きな差があるのは
ウイルスの突然変異が原因ではないか
という見方が強まっていました。

しかし
「実験で確認されたのは初めて」
(香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト)
だそうです。

新型コロナウイルスは
RNAウイルスです。

RNA ウイルスは
突然変異により
絶え間なくゲノム情報を変化させます。

中国バイオ情報国家センターによると、
世界中で1万種以上の塩基配列が決定され、
このうち4300種が
突然変異種だそうです
(サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙)。

ワシントン州など
米国の一部で見つかった種の毒性は
マイルドなのに対し、

浙江省の患者からも
欧州のほとんどの患者にみられる
最も致死性の高い
突然変異種が見つかりました。

ニューヨークの種は
欧州から持ち込まれ、
同じように
高い致死性を示しています。

今後、
新型コロナウイルスが
どのように突然変異を繰り返し、
どの地域でどんな種が流行するのか
予想もできません。

われわれは
楽観シナリオではなく、
悪夢のシナリオに基づいて
非常事態に対処する計画を
立てるべきでしょう。

流行を制御する都市封鎖や
社会的距離の公衆衛生的介入の程度と
経済は完全にトレードオフの関係にあります。

公衆衛生的介入を強化すれば
感染を制御できますが、

経済的損失と
社会的コストは増大します。

英政府に
感染症数理モデルを提供している
英インペリアル・カレッジ・ロンドンの
ニール・ファーガソン教授は

何度も次のような
都市封鎖からの
出口戦略に言及しています。

「都市封鎖を
いつまでも続けるわけにはいかない。

検査の地域ローラー作戦で
感染者をあぶり出し、

ある程度の社会的距離を保ちながら
経済を再開する道を
模索しなければならない」

と。

マット・ハンコック英保健相は
4月末までに
1日10万件の検査能力を獲得することを
目指しています。

日本の目標は
1日2万件です。

PCR検査の実施人数は
4月20日で3909件、
累計でも11万6725件にとどまっています。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20200421-00174514/

コメント