【ルイジアナ州立大学】「重症患者は、ビタミンD不足の人が多い。」
(2020年04月30日)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化の因子として、
年齢や慢性疾患の有無、
性別などの可能性が指摘されていますが、
新たな研究により、
「ビタミンDレベル」と
重症化との関係が明かされています。
Vitamin D Insufficiency is Prevalent in Severe COVID-19 | medRxiv
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.04.24.20075838v1
Scientists link vitamin D deficiencies to higher COVID-19 mortality rates
Low levels of vitamin D may be linked to severe COVID-19
必須栄養素の1つとされるビタミンDは
脂溶性ビタミンの一種であり、
自然免疫応答と
適応免疫応答の
いずれにおいても
重要な役目を持ちます。
ビタミンDを含む食べ物は存在するものの、
一般的な食生活で
ビタミンDを十分に摂取するのは難しく、
日光浴をして
体内でビタミンDを生成することも
重要となってきます。
ルイジアナ州立大学健康科学センター・ニューオーリンズの
Frank H. Lau氏が率いる研究チームは、
ビタミンDと
COVID-19の関係性を確かめるべく、
COVID-19患者の医療記録をたどり、
ビタミンD欠乏のサインとなる
25-ヒドロキシビタミンD(25OHD)について調べました。
25OHDが
30ng/ml以下であれば、
ビタミンDが不足していることを意味します。
20人の患者の
25OHDを調査したところ、
患者のうち65%が
ICU(集中治療室)行きという状況において、
一般病棟患者の
ビタミン欠乏症の割合は
57.1%でしたが、
ICU患者のビタミン欠乏症の割合は
84.6%に上りました。
また、
ICUに入った患者のうち
「75歳未満」に対象を絞ると、
ビタミン欠乏症の割合は
なんと100%になったとのこと。
ICUにいるCOVID-19患者のうち
血液凝固の症状が見られた人は62.5%で、
リンパ球の減少は92.3%でした。
これらを総合して、
研究者は
ビタミンDの欠乏が血液に影響を与え、
免疫反応に混乱を起こしているのではないか
と仮説を立てています。
また、
COVID-19の患者には
アフリカ系アメリカ人や
ホームレスが多いことが指摘されていますが、
研究者は
この事象に
ビタミンD欠乏症が関係していることを示唆。
なぜ新型コロナウイルスの犠牲者は「圧倒的に黒人が多い」のか? - GIGAZINE
加えて、
イタリア・ギリシャ・スペインといった、
COVID-19が深刻な被害をもたらしている国では、
ビタミンD欠乏症の割合が70~90%にのぼっており、
ノルウェーやデンマークでは
この割合が15~30%と
比較的低いことも指摘されています。
なお、
今回の研究結果は
サンプルが限られたもので、
論文も査読を経ていないため、
正確な結論を出すには、
リスクにより分類した被験者を対象した
ランダム化比較試験を行う必要がある
とのことです。
https://gigazine.net/news/20200430-vitamin-d-covid-19/
多く含む食材
魚類…サケ、サンマ、イワシ、カツオ、マグロ、カジキ、ブリ、サバなど
きのこ類…キクラゲ、干し椎茸など
また、さつま揚げ、卵黄などにも多く含まれる。
ワンポイント
ビタミンDは油脂に溶けやすい脂溶性のため、
動物性食品のほうが吸収しやすい。
また、きのこ類は炒め物や揚げ物など、
油を使った料理にして吸収率アップ!
http://www.minamitohoku.or.jp/up/news/konnichiwa/200810/eiyo.htm
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