【千葉大学】「PCR検査が多い国は、死亡率が低い。」との分析結果を発表。
(2020年04月27日)十分なPCR検査をしている国ほど
新型コロナウイルスによる死亡率は低くなる――。
千葉大大学院の研究グループは、
こんな解析結果を発表した。
ポイントになるのは
検査数に占める
患者数の割合を示す「陽性率」。
7%を超えると
死亡者が増えるという。
研究の中心になったのは、
同大学院薬学研究院の
樋坂章博教授(臨床薬理学)。
PCR検査での
感染拡大防止の効果を
客観的に示すため、
世界49カ国・地域の
検査数、
陽性者数、
死亡者数の
データを入手し、
分析した。
地理要因などで比較しやすい欧米の中で、
陽性率と
1億人あたりの1日の死亡者数を
比較したところ、
積極的に検査をしているノルウェーなど
陽性率が7%未満の国は
7%以上の国と比較して、
死亡者数は
10分の1から5分の1程度だった。
陽性率が7~16・9%、
17~28%では
死亡者数に差はないことから、
「陽性率を
7%未満にすることが
抑制に重要」
としている。
これまで専門家の間では
「検査は症状が出ている人を優先し、
軽症者は
患者の受け入れ態勢が
整ってからにするべきだ」
という意見も強かった。
日本を含めたアジアでは、
人口あたりの死亡者が
欧米より少ないという指摘についても
解析したところ、
感染拡大30日後の感染者・死亡者数は
約100倍と
明確な差があった。
同グループは
その原因について、
高齢化の程度、
予防接種を含んだ厚生制度、
遺伝の差異などの可能性があるとしている。
厚生労働省によると、
国内の
1月15日から
4月21日までの陽性率は
10・3%。
千葉県内は
16・2%だった。
上昇傾向にあり、
同グループは
「検査能力を拡大することが急務」
としている。
樋坂教授は
「積極的にPCR検査をすると
陽性者がかなり増えるので
準備が必要だ。
ただし、
その多くは軽症者。
隔離が必要な人は増えるが、
その段階を乗り越えて
初めて感染終息に至る。
現在の東京の感染率は
30%を超えており、
厳重な警戒が求められる」
と話す。
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